レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2022/12/17
- 登録日時
- 2023/01/25 00:30
- 更新日時
- 2023/01/25 00:30
- 提供館
- 宮城県図書館 (2110032)
- 管理番号
- MYG-REF-220090
- 質問
-
解決
「徴兵参事員」について,いつ頃から始まり,どのような人がなっていたのか知りたい。
- 回答
-
下記の資料を参考に回答しました。
※【 】内は当館請求記号です。
資料1 大蔵省印刷局『官報』日本マイクロ写真【G/カ】
なお,資料1(第1696號,第1742號,第3005號,第3823號)は,国立国会図書館デジタルコレクションでインターネット公開されています。
URL https://dl.ndl.go.jp/ (最終アクセス日: 2022/12/4)
1 「徴兵参事員」はいつ頃から始まったのかについて
第1696號 (明22.2.27)(p.258)によると,「徴兵参事員」が職掌として法令で確認できる初出は明治22年2月27日勅令第13號「徴兵事務條例」です。
また,「徴兵事務條例」について日本法令索引 https://hourei.ndl.go.jp/ (最終アクセス日:2022/12/4)で検索した結果,明治12年11月17日の陸軍省布達第二號が初出となっておりました。さらに,改正該当年からの法令全書を調査しましたが,明治17年の太政官布達第18號の「徴兵事務條例」までは「徴兵参事員」についての記述は見当たりませんでした。
2 どのような人が「徴兵参事員」になっていたかについて
第1696號 (明22.2.27)(p.258)「徴兵事務條例」-「第二章徴兵官」の項の第十條に,「毎年徴募事務及徴募準備事務執行中ハ陸軍二等軍医正一名並府縣徴兵参事員四名ヲ以テ旅管徴兵委員を組織シ又陸軍一二三等軍医一名並郡市徴兵参事員又ハ島嶼徴兵参事員各四名ヲ以テ大隊区徴兵委員又ハ警備隊区徴兵委員ヲ組織シ第十四條第十五條ノ事務ヲ掌ラシム」とあります。
また,第十一條によると,「府縣徴兵参事員ハ府縣常置委員ノ互選ヲ以テ之ヲ定ム」とあり,第十二條には「郡市島嶼徴兵参事員ハ其郡市島嶼内ノ選挙ヲ以テ之ヲ定ム」とあります。
第1742號(明22.4.24)(p.241)には,「手当金ハ府県郡市島嶼ヲ問ハス出務日数ニ応シ一日一圓ヲ支給ス」とあり,旅費についての支給表が掲載されています。
第3005號(明26.7.6)(p.53)「勅令第63號」の項の第七條には,「区ノ大隊区徴兵参事員ハ市会ニ於テ其区内ニ住スル市公民中選挙権ヲ有スル者ヨリ選挙ス但其任期ハ市会議員ノ任期ニ同シ」とあります。
第3823號(明29.3.31)「勅令第112號」-「第一章徴兵官」の項の第十二條にも,職掌とともに島嶼の参事員の選出について「各町村會議員中ヨリ四名ヲ選ヒ府縣知事ノ認可ヲ得テ之ヲ命ス其ノ任期ハ町村會議員ノ任期ニ依ル」という記述があります。
- 回答プロセス
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1 自館OPACでキーワード「徴兵参事員」で検索したが該当資料なし。
2 依頼者が持参した「徴兵参事員」という言葉が記述されている当館資料,大江志乃夫著『徴兵制』(岩波書店, 1981)の参考文献の中から下記の資料を調査したが「徴兵参事員」についての記述は見当たらなかった。
資料1 松下芳男著『明治軍制史論 上巻』有斐閣, 1956【392.1/マ1-3/1】
資料2 松下芳男著『明治軍制史論 下巻』有斐閣, 1956【392.1/マ1-3/2】
資料3 藤原彰著『日本軍事史 上巻』日本評論社, 1987【392.1/フ1/1】
資料4 『国防大事典』中外産業調査会, 1933【390.3/コ1】
資料5 松下芳男著『徴兵令制定史』五月書房, 1981【393.2/マ1】
資料6 菊池邦作著『徴兵忌避の研究』立風書房, 1978【391.2/キ1】
3 NDLサーチ https://iss.ndl.go.jp/ (最終アクセス日:2022/12/4)で「徴兵参事員」を検索した結果,国立国会図書館デジタルコレクションの『現行兵事法規』の中の「徴兵事務條例」に記述を確認。
URL https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1087326 (最終アクセス日:2022/12/4) ※図書館・個人送信限定公開資料
4 日本法令索引 https://hourei.ndl.go.jp/ (最終アクセス日:2022/12/4)で「徴兵事務條例」を検索した結果,下記の勅令に「徴兵参事員」についての記述を確認し,当館資料の『法令全書』で記述を確認し回答。
下記の資料1から資料8も調べたが,「徴兵参事員」の記述は見当たらなかった。
資料1 朝倉治彦編『明治官制辞典』東京堂出版, 1973【317.2/ア3/R】
資料2 松下芳男著『明治軍制史論 下巻』有斐閣, 1956【392.1/マ1-3/2】
資料3 松下芳男著『明治軍制史論 上巻』有斐閣, 1956【392.1/マ1-3/1】
資料4 宮地正人, 佐藤能丸編『明治時代史大辞典 2』吉川弘文館, 2012【210.6/2011.Z/2R】
資料5 藤原彰著『日本軍事史 上巻』日本評論社, 1987【392.1/フ1/1】
資料6 『国防大事典』中外産業調査会, 1933【390.3/コ1】
資料7 松下芳男著『徴兵令制定史』五月書房, 1981【393.2/マ1】
資料8 菊池邦作著『徴兵忌避の研究』立風書房, 1978【391.2/キ1】
- 事前調査事項
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・大江志乃夫著『徴兵制』(岩波書店, 1981)を確認済み。
- NDC
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- 国防政策.行政.法令 (393 9版)
- 参考資料
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- 朝倉 治彦/編. 明治官制辞典. 東京堂出版, 1973【317.2/ア3/R】:
- 松下 芳男/著. 明治軍制史論 下巻. 有斐閣, 1956【392.1/マ1-3/2】:
- 松下 芳男/著. 明治軍制史論 上巻. 有斐閣, 1956【392.1/マ1-3/1】:
- 宮地/正人?編 佐藤/能丸?編. 明治時代史大辞典 2. 吉川弘文館, 2012.7【210.6/2011.Z/2R】:
- 藤原 彰/著. 日本軍事史 上巻. 日本評論社, 1987.5【392.1/フ1/1】:
- . 国防大事典. 中外産業調査会, 1933【390.3/コ1】:
- 松下 芳男/著. 徴兵令制定史. 五月書房, 1981.4【393.2/マ1】:
- 菊池 邦作/著. 徴兵忌避の研究. 立風書房, 1978【391.2/キ1】:
- 大蔵省印刷局. 官報 1號 (明16.7.2)-8734號 (明45.7.30)
- 1號 (大1.7.31)-4303號 (大15.12.25)
- 1号 (昭1.12.27)-18559号 (昭64.1.7 )
- 1号 (平1.1.9)-. 日本マイクロ写真, 【G/カ】:
- キーワード
-
- 軍事制度 -- 日本
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000327819