以下の資料を紹介した。
『角川日本地名大辞典20』「角川日本地名大辞典」編纂委員会編 角川書店 1990【N293/18】p.473「国道152号」に
県南部を通る国道。飯田市で国道153号と分岐し、天竜川を渡り小川路「峠を越えて下伊那郡上村
上町・南信濃村から青崩峠を経て静岡県に入り、浜松市に至る。江戸時代から明治にかけて伊那と遠
江を結ぶ重要な街道であり、(-中略-)秋葉街道と呼ばれた。(-中略-)小川路峠にスーパー林道が
完成してからは、飯田市と遠山地方を結ぶ主要道路として復活した。青崩峠以南の整備も進められて
いるが、青崩峠は不通のため幻の国道と言われている。
とある。
『定本信州百峠』 改訂普及版 井出孫六監修 郷土出版社 1995【N290/158a】のp.170「地蔵峠」に通行不能区間に言及している部分がある。また、p.174-175「青崩峠・ヒョー越」に国道152号線の青崩峠の不通区間と林道「ヒョー越」に関する記述があり、旧道である秋葉街道についても言及されている。
『上村史』上村史編纂委員会編 上村誌刊行会 2008 【N243/259/2】p.360-361の「秋葉道から県道を経て国道へ」に以下の記述がある。
この道筋は、東海地方と信濃伊那・諏訪地方を結ぶ直線状の道で、古代から利用された塩の道とさ
れる。また近世期には秋葉山への参詣路でもあって秋葉街道ともいわれた。
この道は、県道大鹿水窪線時代を経て国道二五六号線となり、現在は国道一五二号線へと変遷して
いる。(-中略-)遠山郷を縦断する一五二号線は各所で改良が進んでいる。昭和四十七年(一九七二)か
ら平成七(一九九五)にかけて上町から南信濃村木沢小道木の間、昭和五十二年からは向井万場の整備
が完了した。これによって道路が拡幅され、上町宿を通っていた狭い国道も上村川対岸の向井橋から
上村橋先間に上町バイパスが新設され、自動車通行の時間短縮と安全性が著しく向上した。
平成六年、三遠南信自動車道矢筈トンネルが開通し、これにあわせてつぎの改良に向けて程野には
橋脚ができ、中郷豆嵐地籍でトンネルと宮の下橋の建設が進行している。
また、p.361-362「上村川左岸に残る秋葉道」には
地蔵峠は大鹿村側からの国道で一部が切り崩されている。以前の地蔵峠は、現峠より約一〇〇メー
トル東にあって、付近に堂屋敷[どうやしき]の地名が残る。現在の道は国道一五二号線であるが、こ
れは大正中期に川金木材の入山によって開かれたものである。近年峠から上村しらびそ峠方面へ林道
が開通し、大鹿・上村の自動車交通が可能となった。
とあった。
<信濃毎日新聞記事>
・「国道152号、上島トンネルと神乃郷木沢橋完成 南信濃の難所解消」
平成8年(1996年)4月4日 朝刊23面
・「国道152号整備促進望む会 飯田で設立 市や上村・南信濃地区」
平成23年(2011年)3月3日 朝刊31面
・「飯田市上村の国道152号 拡幅区間6.3キロ、全通」
平成23年(2011年)7月4日 朝刊25面
・「飯田市南信濃の国道152号 小道木バイパス、15年度開通へ 市街地との交通改善 住民説明会」
平成24年(2012年)4月19日 朝刊20面
・「飯田の国道152号「小道木バイパス」 2号トンネルの工事安全祈願祭」
平成24年(2012年)9月20日 朝刊23面
・「飯田の小道木バイパス 「押出トンネル」貫通祝い式典」
平成26年(2014年)1月25日(土) 朝刊31面
・「飯田の小道木バイパス 来月17日に開通 遠山郷で今月27日、記念事業」
平成27年(2015年)9月10日(木) 朝刊25面
・「飯田の小道木バイパスが開通 権現山トンネルで式典」
平成27年(2015年)10月18日(日) 朝刊31面
・「昨年7月の豪雨で通行止め 地蔵峠、開通23年度以降 大鹿―飯田 国道152号など、周辺の治山工事必要で」
令和3年(2021年)1月27日 朝刊23面
なお、秋葉街道については、『歴史の道調査報告書 13』長野県教育委員会編 長野県教育委員会 1984【N682/53/13】に詳しい。街道の歴史や道沿いに残る文化財などの調査を行った報告書となっている。『秘境はるか塩の道秋葉街道』有賀競文 野中賢三写真・イラスト 有賀競 1993【N682/101】も併せて紹介した。
県立長野-21-027「三遠南信自動車道について構想から現在に至るまでをまとめた資料を見たい。」、
県立長野-21-210「「草木(くさき)トンネル」が三遠南信自動車道として建設されたものの国道152号に編入された経緯と「青崩(あおくずれ)トンネル」建設の経緯について知りたい。」も案内。