レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2020年09月01日
- 登録日時
- 2020/11/12 17:18
- 更新日時
- 2021/02/09 15:32
- 管理番号
- 広県図2020060
- 質問
-
解決
タムシバという樹木が産業に用いられていたか,そのために植林されていたか。
タムシバが経木や経木帽子など産業に利用されてそのために植林されていたと聞いたことがあり,その裏付けとなる資料を探している。
経木に限定せず,産業に利用されているならどんな情報でも欲しい。
- 回答
-
次の資料に産業利用の方法に関する記述がありました。
なお,経木としての利用の有無や,県内での植林に関する記述は見付かりませんでした。
『APG原色樹木大図鑑』邑田仁,米倉浩司/監修,北隆館,2016【R653.2/116ム】
p.124 タムシバ(カムシバ,ニオイコブシ)
「【用途】地方で庭園樹として,ときに植栽される。材は器具材,枝葉は香水の原料とする。」
『原色日本林業樹木図鑑 第3巻』倉田悟/著,日本林業技術協会/編,地球社,1971【R653.2/71ク/3】
p.18-19 タムシバ
「用途 材は白色でやや軽軟,器具材とする.樹皮,小枝,葉などに芳香があり,またコブシとともに春を告げる花として里人に熟知されている.」
『有用樹木図説 林木編』林弥栄/著,誠文堂新光社,1969【R652.7/H48/1】
p.244-245 タムシバ
「【用途】材は器具材(杓子,俎板,截板,機道具小細工など),枝葉は香水の原料とする。木は庭木とする。」
『木材辞典』京都大学木材研究所/編,創元社,1956【R657/Ky46】
p.74-75 ホオ(ノキ属)
p.74 タムシバ
「杓子,機織道具用。枝葉より香料。」
『世界有用植物事典』堀田満/[ほか]編,平凡社,1989【R471.9/89ホ】
p.651 タムシバ
「(略)日本ではむしろ人里の生活に密着した雑木(栽培はほとんどない)といえよう.」
また,当館で契約している新聞記事データベースで検索したところ,広島県内の事例ではありませんが,タムシバの利用に関する記事がヒットしました。
データベース:ELNET
検索対象紙:1988(昭和63)年以降の全国紙及び地方紙,業界紙
検索キーワード:タムシバ
木の香りうっとり 長浜で森林親しむ催し【びわこ総合】
中日新聞 朝刊 2020/01/23 びわこ総合 17面 1段 枚数(1)
丹波市 氷上・葛野地区に自生の香木 クロモジ精油で心身リラックス 通所介護施設運営「かどの」が商品化 「さわやかで甘い香り楽しんで」【丹波】
神戸新聞 朝刊 2019/09/24 丹波 25面 3段 写 枚数(1)
宮川森林組合がウッドデザイン賞 植樹と新商品で林業再起に尽力 アロマオイルや雑貨を開発【松阪紀勢版】
中日新聞 朝刊 2018/12/22 松阪紀勢版 20面 3段 枚数(1)
新時代へ聞く 平成カウントダウン 宮川森林組合代表理事組合長・中野敏夫さん(71) 「森を守ることは人を守ることだ」 森への関心 順風に
中日新聞 朝刊 2018/08/26 三重版 22面 3段 枚数(1)
三重・大台町 育て!広葉樹ビジネス アロマ市場参入 林業低迷で活路
中日新聞 夕刊 2016/08/03 10面 4段 写図 枚数(1)
やまがた この人このまち so-tennen代表 庄司樹さん 自然と共存ヒント発信
河北新報 朝刊 2016/06/06 23面 6段 写 枚数(1)
野の花ごよみ=ナチュラリスト・矢加部和幸 タムシバ たむしば
河北新報 夕刊 2016/01/22 1面 2段 写 枚数(1)
知って得薬草百科=岐阜薬科大学名誉教授 水野瑞夫 タムシバ 頭痛や鼻炎の緩和に
日本農業新聞 朝刊 2011/04/20 9面 2段 写 枚数(1)
データベース:聞蔵Ⅱ
検索対象紙:朝日新聞
キーワード:タムシバ
2019年02月07日 朝刊 山形・1地方 023
クロモジで香りビジネス 小国の作業所施設長が起業 障害者や高齢者が力 /山形県
2018年07月13日 朝刊 山形・1地方 025
県産材活用「香り」会議 /山形県
1991年08月29日 朝刊 兵庫
登山コースも紹介 妙見山に自生薬用植物の“解説書” 兵庫・八鹿町
このほか,次の資料を確認しましたが,関連の記述は見付かりませんでした。
●広島県関係
『広島県民俗資料集成・総さく引』ひろしま・みんぞくの会/編,1977【H38/Mu55-7ア】
経木,タムシバなどの語句を確認しましたが,掲載されていませんでした。
『広島県大百科事典 上巻』中国新聞社/編集,中国新聞社,1982【H03/C62/1ア】
p.347-348 経木帽子
「コシアブラ(ゴンゼツの木)を薄片にして真田に編んだものを縫いつけて作った帽子。世羅郡甲山町を中心とする一帯で、1891年(明治24)ごろ麦稈真田の代用品として、檜の薄片で製造する経木真田が考案された。」
『甲山町史 自然編』甲山町史編さん委員会/[編],甲山町,2003【H21.72/コウサ103/1ア】
p.178 モクレン科
「タムシバ コブシに似た白い花が咲くが、花の下に葉はつかない。山地や社叢などにみられる。今高野山ほか山地に多い。」
産業や植林に関する記述はありません。
『甲山町史 資料編3』甲山町史編さん委員会/[編],甲山町,2004【H21.72/コウサ103/2-3ア】
[巻頭]10 経木真田製造の工程
原木(ゴンゼツ)の裁断から店頭に並ぶまでが白黒写真で紹介されています。
p.298-326 経木真田や帽子に関する資料が掲載されています。
『千年の街甲山町の栞』[中国観光地誌社/編],楠務/編集,中国観光地誌社,1961【H291.72/C62ア】
p.19 経木原料と経木帽子
p.59-64 名産風土記
p.59-60 経木真田と経木帽子
『広島県の特産 1972』広島県商工労働部/編,1972【H60/H73-16/47ア】
p.28 労働帽子
『三良坂町誌:合併四十周年記念』三良坂町誌編集委員会/編集,広島県双三郡三良坂町教育委員会,1973【H291.82/Mi49ア】
p.367-373 工業
p.372-373 木村経木製帽所
『三良坂町の展望』[中国観光地誌社/編],中国観光地誌社,1965【H291.82/Mi492】
p.74-79 名産風土記
p.75-76 経木帽子(木村経木製帽所)
『ふるさとの四方山話』げいびグラフ編集部/編,菁文社,2002【H291.8/セイフ102ア】
p.174-179 甲山経木帽子の事
p.178 「地元で簡単に入手できたシロ木は取り尽くされたため、(略)県では戦前からシロ木の増殖に乗り出していました。しかし、シロ木は山の鳥の体内を通って糞に混じった種しか発芽しないため人工増殖をあきらめ、替わってシロ木に似たイタリアポプラの植林が行われましたが、結局、経木には不適のため試みは徒労に終わりました。」
広島県の林業に関する以下の資料を確認しましたが,タムシバの植林等に関する記述はありませんでした。
『広島県の林業』広島県/編,1931【H65/H732-9ア】
『広島県の林業』広島県森林組合連合会,1934【H65/H7314】
『広島県の林業』広島県山林会,1935【H65/H7322】
『広島県の地帯林業』広島県治山治水協会/編,1953【H65/H73-2ア】
『林業試験場報告 昭和29年度』広島県立林業試験場/編,1955【H65/H737-4/29】
●植物図鑑関係
『広島県植物図選 1』井波一雄/著,博新館,1981【H47/I53/1ア】
第Ⅰ-47図版 タムシバ
『木の大百科 解説編』平井信二/著,朝倉書店,1996【R653.2/96ヒ/1】
p.203 タムシバ
『木の事典 第1集第1巻』平井信二/著,かなえ書房,1979【R657/H64/1-1】
[ページ付なし] コブシ①~⑥
コブシ③
「材はホオノキ同様に使えるが、(略)小物の器具材、玩具、漆器素地、薪炭材がおもな用途であるが、鉛筆材、割箸材に使われたこともある。」
『実用樹木要覧』中島道郎/[ほか]著,朝倉書店,1961【R652.7/N34】
p.81 コブシ
p.82 タムシバ(カムシバ)
『樹木と木材の図鑑:種類・特徴から材質・用途までわかる 日本の有用種101』西川栄明/著,小泉章夫/監修,創元社,2016【653.2/116ニ】
p.84-85 コブシ
p.85 「同属のタムシバ(略)と立ち木の様子が似ているが、タムシバは花の下に葉はつかない。(略)材は一見するとホオノキに似ている。」
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
-
- 林業 (650 9版)
- 参考資料
- キーワード
-
- タムシバ
- ニオイコブシ
- 経木
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 図書館
- 登録番号
- 1000289413