レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 20220420
- 登録日時
- 2024/03/27 00:30
- 更新日時
- 2024/03/27 18:21
- 管理番号
- 中央-2023-39
- 質問
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解決
香水の成り立ちについて知りたい。なぜ人は香りを纏うようになったのか、また時代ごとに香りの流行りがあったのかについても調べたい。
- 回答
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調査の手がかりを得るため、まず百科事典などの事辞典類でその事柄に関連しそうな項目・定義等を確認した。
資料1 『日本大百科全書 8』
p.758-761「香水」(梅田達也・横田富佐子)
「香水」の定義を「調合された香料をエタノール(エチルアルコール)で二〇~二五%に薄めてつくった芳香製品(フラグランス製品という)の一つ。」としている。(p.758)
また「歴史」の項に、香水(香料+アルコール)の歴史と、それに先立つ香料利用の歴史がまとめられている。
項目の末尾に参考文献も記載されている。
資料2 『世界大百科事典 9』改訂新版
p.445-448「香水」(高橋雅夫)
「香水」の定義に関連して「(前略)調合香料を、精製したエチルアルコールに希釈して、さらに時間をかけて熟成させる。」と述べている。(p.445)
また「ヨーロッパ」の項に、香水(香料+アルコール)の歴史と、それに先立つ香料利用の歴史がまとめられている。(p.445-447)
また、都立図書館蔵書検索及び末尾記載のデータベースを<香水><香り><歴史>等のキーワードや分類<576.72(香水)>、件名<香水><香料><におい><事物起源>等を掛け合わせて検索し、ヒットした資料やその参考文献の一部を確認した。
【香水の成り立ち・歴史】
資料3 『香水の歴史 フォトグラフィー』
p.11-23「2章 近代香水の誕生」
世界の香料・香水に関する文化・技術の誕生・発展についての説明がある。
またp.275-279「参考文献」に英語・フランス語の参考文献が多く掲載されている。
資料4 『フレグランス クレオパトラからシャネルまでの香りの物語』
p.59-199「PART 2 香りの歴史」
香水も含めた香料利用の歴史が、時代と地域ごとに詳述されている。
またp.42-58「PART 1 香りと匂い 2 香りを捕らえる嗅覚の重要性」では、香りの身体的・心理的効用が説明されている。
資料5 『新しい香水の教科書 これ1冊で香水の全てがわかる完全保存版!』
p.12-39「Part1 香りの基礎知識 Lesson1 香水の歴史」
世界と日本における香りの文化や香水の発展について記載されている。
資料6 『香りのチカラ 調香師が知っている、においと人の深いつながり』
p.123-169「第4章 人々を魅了する香水」
香料・香水の歴史と香りの系譜や、1900年代以降に流行した香水について記載されている。
またp.33-62「第2章 香りが脳と心に届けるもの」では、人体におけるにおいの受容や、香りの心身への効果について説明されている。
資料7 『香料商が語る東西香り秘話』
p.51-86「第2章 香水の軌跡」
アルコールと香料に関する技術の発達がまとめられている。
またp.87-123「第3章 魅惑のローズ史」は「ローズ」の利用について、p.125-161「第4章 香りの原料」は8世紀のバグダッドと現代のフランスを例に香料の利用について説明している。
資料8 『化粧 おしゃれの文化史 1』
p.211-225「II 化粧品の歴史 香水」
香水が誕生するまでの歴史と、アルコールの発見以降の香水の歴史について記載がある。
また、p.226-261には「ローズ・ウォーター」「ハンガリー水」「オーデコロン」「ラヴェンダー水」「頭髪香水」の歴史について記載がある。
資料9 『香料の科学』
p.11-21「第1章 香料の科学史 1.1 歴史と文化」
香料の歴史と文化や、香水の発明と発展について述べている。
またp.226-231「付録 年表 においの文化・科学史」では、においや香料に関する事象が年表形式でまとめられている。
資料10 『最新フレグランスガイド』改訂
p.3-9「第1部 パヒュームブック 1.香りの歴史:人類の歴史とともに」
香水を含む香料一般が使われてきた目的・用途や、技術の発達についてまとめられている。
資料11 『においの歴史 嗅覚と社会的想像力』
p.264-270「III におい、象徴、社会的表象 第3章 私生活の香り 香水製造の移りかわり」
香水の製法や流行の香り、香水名について述べている。
資料12 『香水 世界の香水のすべて』
p.8「香水の歴史」に現在の形の香水について簡単にまとめられているほか、香料のはじまりや著名な香水等について記述がある。
以下の資料には、香料の歴史について記載があった。
資料13 『香料文化誌 香りの謎と魅力』
古代から近世までの香料の歴史についてまとめられている資料。
p.139-148「中世・近世の香料 第15章 いろいろな香水」には、香水の歴史に関する記述もある。
資料14 『絵でわかるにおいと香りの不思議』
p.119-142「CHAPTER IV においを積極的に活用した人類の歴史」
西洋と日本における香料の歴史について年表形式でまとめられている。
資料15 『トコトンやさしいにおいとかおりの本』
p.9-27「第1章 におい・かおりの世界」
p.24-25「8 火の発見から始まった香りの利用「香りの世界史」」とp.26-27「9 香りを嗅ぎ分け鑑賞する文化「香りの東洋・日本史」」に、西洋・東洋・日本の香りの歴史について記載がある。
【時代ごとの香りの流行】
前述の資料のほか、香りの歴史に関する資料のなかに、各時代・地域で使用されていた主な香料の記述が見出せた。
資料16 雑誌『繊維製品消費科学』34巻 1号 通巻338号 (1993.1)
p.10-17「解説「匂い」シリーズ VI.香料の基礎知識」(服部錬三)
p.12に「ギリシャ時代はスミレの香りが愛好され、ローマ時代はバラの香りが愛好されたと言われています。この時代を代表する香りに係わりをもった人物としては、乳香をこよなく愛したアレキサンダー大王、バラの香りとムスクの香りを巧みに使いわけ男性を魅了したクレオパトラが挙げられます。」とある。
この資料は、J-STAGEにて本文を閲覧できる。
https://doi.org/10.11419/senshoshi1960.34.10
近現代の香水については、有名な香水製品を集めた以下のような資料も参考になる。
資料17 『パヒュームレジェンド 世界名香物語』
近現代の有名な香水製品を取り上げ、年代順に並べた資料。各製品の香料も記載されている。
資料18 『世界香水ガイド★1437 「匂いの帝王」が五つ星で評価する』
p.30-37「科学と芸術 香水の歴史(概要)」(ルカ・トゥリン)に、近代以降の香料の開発を経時的に追った記述がある。
資料19 『香水図鑑 世界的な名香から、最先端のトレンドまで。全293種の香水を収録した完全保存版』
世界のブランドの香水について、香りのタイプやコンセプトを紹介した資料。
【調査に使用した主なデータベース】
・国立国会図書館サーチ(国立国会図書館)https://ndlsearch.ndl.go.jp/
・レファレンス協同データベース(国立国会図書館)https://crd.ndl.go.jp/reference/
・CiNii Research(国立情報学研究所) https://cir.nii.ac.jp/
・J-STAGE(科学技術振興機構)https://www.jstage.jst.go.jp/browse/-char/ja
以上のインターネット情報等の最終検索及び最終アクセス日は、すべて2024年2月8日である。
参考文献のうち、資料16のみ都立多摩図書館所蔵資料、他はすべて都立中央図書館所蔵資料である。(回答後に追加調査した資料を含む。)
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 油脂類 (576 10版)
- 参考資料
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- 【資料1】日本大百科全書 8 / 小学館 / 1986 <DR/0310/38/8E> (p.758-761)
- 【資料2】世界大百科事典 9(ケマ-コウヒ) / 改訂新版 / 平凡社 / 2007.9 <DR/031.0/5020/9> (p.445-448)
- 【資料3】香水の歴史 フォトグラフィー / ロジャ・ダブ/著, 新間美也/監修, 富岡由美, 沢田博/訳協力 / 原書房 / 2010.3 <576.7/5101/2010> , ISBN 978-4-562-04548-8 (p.11-23, p.275-279)
- 【資料4】フレグランス クレオパトラからシャネルまでの香りの物語 / エドウィン・T・モリス/著, マリ・クリスティーヌ, 沼尻由起子/訳 / 求竜堂 / 1992.11 <5766/3017/92> (p.42-58, p.59-199)
- 【資料5】新しい香水の教科書 これ1冊で香水の全てがわかる完全保存版! / 小磯 良江/監修 / マイナビ出版 / 2022.6 <576.7/5241/2022> , ISBN 978-4-8399-7925-6 (p.12-39)
- 【資料6】香りのチカラ 調香師が知っている、においと人の深いつながり / 平野 奈緒美/著 / 笠間書院 / 2023.12 <576.6/5064/2023> , ISBN 978-4-305-70999-8 (p.33-62, p.123-169)
- 【資料7】香料商が語る東西香り秘話(ヤマケイ新書 YS018) / 相良嘉美/著 / 山と溪谷社 / 2015.7 <576.6/5044/2015> , ISBN 978-4-635-51021-9 (p.51-86, p.87-123, p.125-161)
- 【資料8】化粧 おしゃれの文化史 1(春山行夫の博物誌 3) / 春山 行夫/著 / 平凡社 / 1988.11 <3835/3002/88> (p.211-261)
- 【資料9】香料の科学 / 長谷川香料株式会社/著 / 講談社 / 2013.4 <576.6/5036/2013> , ISBN 978-4-06-154379-9 (p.11-21, p.226-231)
- 【資料10】最新フレグランスガイド / 改訂 / ハーマン&ライマー社/編, 奥田治/訳 / フレグランスジャーナル社 / 1997.6 <576.7/5006/1997> (p.3-9)
- 【資料11】においの歴史 嗅覚と社会的想像力 / アラン・コルバン/[著], 山田 登世子/訳, 鹿島 茂/訳 / 新評論 / 1988.12 <2350/3007/88> (p.264-270)
- 【資料12】香水 世界の香水のすべて(カラーブックス80) / 堅田道久/著 / 保育社 / 1980 <S/5766/22/80> (p.8)
- 【資料13】香料文化誌 香りの謎と魅力 / C・J・S・トンプソン/[著], 駒崎 雄司/訳 / 八坂書房 / 1998.8 <5766/3041/98> (p.139-148)
- 【資料14】絵でわかるにおいと香りの不思議(絵でわかるシリーズ) / 長谷川香料株式会社/著 / 講談社 / 2022.4 <491.3/6559/2022> , ISBN 978-4-06-526925-1 (p.119-142)
- 【資料15】トコトンやさしいにおいとかおりの本(B&Tブックス 今日からモノ知りシリーズ) / 倉橋 隆/著, 福井 寛/著, 光田 恵/著 / 日刊工業新聞社 / 2011.12 <491.3/5906/2011> , ISBN 978-4-526-06799-0 (p.24-27)
- 【資料16】雑誌:繊維製品消費科学 34巻 1号 通巻338号 (1993.1) / 日本繊維製品消費科学会 <3301509905> (p.12)
- 【資料17】パヒュームレジェンド 世界名香物語 / マイケル・エドワーズ/著, 中島基貴/訳 / フレグランスジャーナル社 / 2005.2 <576.7/5046/2005>
- 【資料18】世界香水ガイド★1437 「匂いの帝王」が五つ星で評価する / ルカ・トゥリン/著, タニア・サンチェス/著, 芳山 むつみ/訳 / 原書房 / 2008.12 <576.7/5083/2008> , ISBN 978-4-562-04232-6 (p.30-37)
- 【資料19】香水図鑑 世界的な名香から、最先端のトレンドまで。全293種の香水を収録した完全保存版 / マイナビ出版 / 2019.10 <576.7/5216/2019> , ISBN 978-4-8399-6996-7
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000348082