レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 登録日時
- 2005/06/15 22:49
- 更新日時
- 2019/03/08 14:55
- 管理番号
- 宮崎県立般107
- 質問
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未解決
せんぐまきの由来を知りたい。
- 回答
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上棟の際に紅白餅や縁起のよい数字の小銭を祝いとしてまく「せんぐまき」は県内ではなじみの深い言葉であるが、その習慣について詳しく知りたいといのことだった。
まず、風俗習慣・民族学の資料から調査を開始した。当館に所蔵している『日本社会民俗辞典』『日本民俗事典』『日本民俗語大事典』等を調査するがどの資料にも「せんぐまき」については、記載されていない。
次に『建築式典の実際』を調査した。p70に「(前略)「散餅散銭之儀」(さんぺいさんせんのぎ)」を行うこともある。これはいろいろの災禍を祓うために、小餅や硬貨を撒くものであるが、行われないことが多い」とあるが「せんぐまき」という表現はなかった。『地鎮祭と上棟式』を調査したが「せんぐまき」という表現はなかった。
最後に郷土資料を調査した。『宮崎県方言辞典』にp273に「せんぐまき」が「上棟式に餅を撒くこと、その餅をセングという」と説明されていた。また、『宮崎県大百科事典』にはp524「棟上げ祭り(祝い)の餅まき。祭りの様式は地域によって多少異なるが、五色(青赤黄紫白)の吹き流しの下に、扇を3本、麻や昆布とともに米、神酒、水、塩などを供えて屋船の神(守護神)をまつる。中心柱に棟札(施主名・大工名を書いた木札)をとめつける。(後略)」と詳しい説明がある。
また、「せんぐまき」という言葉の語源については、『日向の言葉 第1巻』pp176-177「セングマキ」に「神宮の御造営が出来上がりまして御霊を移し奉ることを「遷宮」と申しますがその御式に「餅撒」を致すことがありますから。其の「遷宮」が上棟式の「餅まき」のことに転じ更に「餅その物」に転じ「遷宮撒き」といふ事になったのでありませう。」と説明があったが、第2巻では『日向の言葉 第2巻』pp246-249に「〈神供(じんぐ)まき〉か〈餞供(せんぐ)まき〉か(散供(さんぐ)まき)ではあるまいかとおもひます。」と訂正されている。。
なお、小銭をまくことの起源について言及した資料はみつけられなかった。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 風俗習慣.民俗学.民族学 (380)
- 住宅建築 (527)
- 参考資料
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宮崎日日新聞社 編 , 宮崎日日新聞社. 宮崎県大百科事典. 宮崎日日新聞社, 1983.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001675858-00 -
原田章之進 編 , 原田, 章之進, 1914-. 宮崎県方言辞典. 風間書房, 1979.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001402497-00 -
若山 甲蔵 著 , 若山‖甲蔵. 日向の言葉 第1巻 . 宮崎県政評論社, 1930.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I025193176-00 -
若山甲藏 著 , 若山甲藏. 日向の言葉 第2巻. 宮崎県政評論社, 1932.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I066483440-00 -
若林嘉津雄 著 , 若林, 嘉津雄. 建築式典の実際. 学芸出版社, 1982. (建築技術選書 ; 33)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001636982-00 , ISBN 4761510730
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宮崎日日新聞社 編 , 宮崎日日新聞社. 宮崎県大百科事典. 宮崎日日新聞社, 1983.
- キーワード
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- 上棟式
- 餅まき
- 棟上げ
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介 文献紹介
- 内容種別
- 郷土 郷土
- 質問者区分
- 社会人 社会人
- 登録番号
- 1000022293