レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2023年05月18日
- 登録日時
- 2023/06/09 17:33
- 更新日時
- 2023/06/20 22:31
- 管理番号
- 県立長野-23-045
- 質問
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解決
長野市の田子氏について知りたい。
- 回答
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<田子氏について>
『角川日本姓氏歴史人物大辞典20 長野県』 角川書店 1996 【288.1/カド/20】p.836-837に、「田子 たご」と「多湖・多胡 たこ・たご」があった。
「田子」には、上田市御所の田子氏について記述がある。
「多湖・多胡」には、中世、水内(みのち)郡田子郷(長野市)に拠った多胡(たこ)氏、松本市の多湖(たこ)家、松本藩士の多湖(たご)家が紹介されている。
NPO長野県図書館等協働機構の「信州地域史料アーカイブ」のコンテンツ「長野県町村誌・村絵図、古跡名勝絵図等」に、『長野県町村誌 1 北信篇』長野県編 名著出版 1973【N290/33a/1】が公開されており、「田子村」がある。
「多胡氏居館址」に、多胡氏についての記述や、田子川、田子神社についても触れられている。また、同じコンテンツに明治初期の田子村の村絵図が、「田子村全図」として公開されている。
長野市の田古氏について、詳しい記録はあまりない。『長野市誌 第8巻 旧市町村編』 長野市誌編さん委員会編 長野市 1997 【215.2/ナガ/8】p.588に城館跡の記述、『若槻史』若槻史刊行会編・刊 1983【N3212/12a】p.104に多胡氏がある。また、p.71-72に善光寺瓦と渡来人の一族との関係を推察する文章がある。
<田子村>
・『角川日本地名大辞典20 長野県』 角川書店 1990 【N293/18】p.694に「たこ 田子<長野市>」「たごのえき 多古駅<長野市>」の記述がある。
多古駅や中世の田子は、現在の長野市三才にあり、慶長年間に北國街道の改修に伴い村ごと現在の長野市田子周辺に移されたことが書かれている。
・『長野県の地名』 平凡社(日本歴史地名大系20)1979【N290.3/54】
p.794 「若月庄」の項目 に田子之郷、田子の地を含む旨の記述がある。
p.824 「多古駅(たごのえき)」「三才田子(さんざいたご)遺跡」
p.827 「田子(たご)村」「田子(たご)池」
『上水内郡誌 歴史編』 上水内郡誌編集会編・刊 1976【N212/93/2】p.287-289に、水内郡の駅家の記述があり、その中に多古駅が取り上げられている。
清水勝治著「多古の駅趾を尋ねて」『信濃 第1次』第5巻第8号 1936にも、多古駅についての小論がある。
<田子神社>
『長野市誌 第8巻 旧市町村編』(前掲)p.592に記述があり、祭神は健御名方(たけみなかた)命、由緒として享保3年(1718年)に奉納された本多豊後守が関ヶ原の合戦に使用した軍旗紋章が宝物として伝わっているとある。天明6年(1786年)諏訪大明神を田子神社と改称している。
『長野県町村誌 1 北信篇』(前掲)p.378に記述がある。
<田子川>
『長野県町村誌 1 北信篇』(前掲)p.377に記述がある。
また、霜田巌著「再び田子川について」『長野』第148号 1989は、流路と流域、作られた堰などについて書かれています。論題に「再び」とあるが、前段となる文章(「浅川とその支流を歩く」『長野』128号掲載)は浅川とその支流について書かれており、田子川の部分は、流路と周辺の丘陵について簡単に説明されているのみ
なお、当館では所蔵していないが、『田子誌』田子誌刊行会編 1997も紹介した。
※現在は、『田子誌』田子誌刊行会編 1997【N212/646】を所蔵している。この資料でも、多胡氏に
ついては、若槻一族の流れにあることが書かれてはいるが、詳細な記述はない。田子神社について
は、p.294-312に詳しい記述がある。
- 回答プロセス
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1 『角川日本姓氏歴史人物大辞典20 長野県』を見る。p.836-837に「田子 たご」と「多湖・多胡 たこ・たご」がある。
2 『長野県の地名』 平凡社(日本歴史地名大系20)1979【N290.3/54】及び『角川日本地名大辞典20 長野県』 角川書店 1990 【N293/18】で、田子村を調べる。
3 田子村は水内郡内にあったため、『上水内郡誌 歴史編』『長野市誌 第8巻 旧市町村編』『若槻史』などを調べる。
4 『長野県町村誌 1 北信篇』および、明治期の村絵図を確認する。
5 所蔵資料を「田子」「多胡」「多古」等で検索し、ヒットしたものの中から、長野市の田子氏に関するものを確認する。郷土史研究雑誌の記事も同じように検索する。当館では所蔵していないが、『田子誌』田子誌刊行会編 1997を長野市立長野図書館が所蔵していることがわかる。
<調査資料>
・『長野県百科事典』補訂版 信濃毎日新聞社 1981【N030/2a】
・『多古駅家跡と駅路について(古代信濃国東山道支路 第一集)』小尾登[著] 小尾登 2011 【N682/205/1】
・『多古駅家と駅路について(古代信濃国東山道支路 第二集)』小尾登[著] 小尾登 2015 【N682/205/2】
・『東山道支道・多古駅家<推定>と北国街道新町宿([古代信濃国東山道支路] 第五集) 』
小尾登[著] 小尾登 2015 【N682/205/5】
・『信濃の東山道』長野県文化財保護協会編・刊 2005【N682/142】
・新津武著「明治七年の浅川・田子川堤防水害史料」『長野』第125号 1986
・平林富三著「田子池用水をめぐる水論」『長野』第98号 1981
江戸期の水論を扱っている。
・『長野市誌民俗調査報告書 第2集』長野市誌編さん委員会民俗部会編 長野市 1994【N382/89/2】
・『三才区有文書目録集』松橋好文監修 三才区 2005【N212/418】
- 事前調査事項
- NDC
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- 中部地方 (215 10版)
- 系譜.家史.皇室 (288 10版)
- 参考資料
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竹内理三 [ほか]編纂. 角川日本姓氏歴史人物大辞典 20. 角川書店, 1996.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002541302-00 , ISBN 4040022009 ( 【288.1/カド/20】) -
「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編纂. 角川日本地名大辞典 20 (長野県). 角川書店, 1990.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002055045-00 , ISBN 4040012003 (【N293/18】) -
長野県/編 , 長野県 , 長野県. 長野県町村誌 1 北信篇 復刻版. 名著出版, 1973-10.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I059051779-00 (【N290/33a/1】) -
田子誌刊行会/編集 , 田子公民館/編集 , 田子誌刊行会 , 田子公民館 , 田子誌刊行会. 田子誌. 田子誌刊行会, 1997-03.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I119523005-00 (【N212/646】)
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竹内理三 [ほか]編纂. 角川日本姓氏歴史人物大辞典 20. 角川書店, 1996.
- キーワード
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- 田子氏
- 多古
- 多胡駅
- 長野市
- 先祖
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介 事実調査
- 内容種別
- 郷土 地名
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000334360