レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2023/07/04
- 登録日時
- 2023/08/02 00:30
- 更新日時
- 2023/08/17 13:14
- 管理番号
- 15076166
- 質問
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解決
小野道風が屏風土代に書いた大江朝綱の「七言律詩八首」と「七言絶句三首」のそれぞれの意味(口語訳)が知りたい。
- 回答
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資料1および資料1´に、ご照会の「屏風土代」の全詩の意味の掲載がありました。
資料2~5は、「屏風土代」の詩の一部の意味が掲載された資料です。ご参考までに紹介します。
【 】は国立国会図書館請求記号です。書誌事項末尾に◎を付した資料は国立国会図書館デジタルコレクションの国立国会図書館内/図書館・個人送信対象資料、☆を付した資料は同インターネット公開資料です。
資料1:本間洋一 著『王朝漢詩叢攷 (研究叢書 ; 514)』和泉書院, 2019.8【KG817-M6】
* pp.102-132「第6章「『屛風土代』を読む―大江朝綱の漢詩をめぐって」
* [後記](p.132)に「本稿は『同志社女子大学 日本語日本文学』第21号(二〇〇九年六月)に掲載されたものだが、若干加筆訂正した」とあります。
資料1´:本間 洋一「『屏風土代』を読む--大江朝綱の漢詩をめぐって」(『同志社女子大学日本語日本文学』(21) 2009.6 pp.81-104【Z13-3964】)
* 同志社女子大学学術リポジトリで閲覧可能:http://doi.org/10.15020/00001073
資料2:『新編日本古典文学全集 19』小学館, 1999.10【KH2-E9】
* 「和漢朗詠集 [藤原公任] [撰]」収録。資料1および1´によると、「屏風土代」の詩は『和漢朗詠集』に八聯摘句されているとのことです。以下の句の現代語訳の掲載があります。
* p.63:「青糸縿り出だす陶門の柳 白玉装ひ成せり庾嶺の梅」
* p.81:「落花狼藉たり風狂じて後 啼鳥竜鐘たり雨の打つ時」
* pp.123-124:「風は昨夜より声弥よ怨む 露は明朝に及んで涙禁ぜず」(訳はp.123)
* p.234:「草の色は雪晴れて初めて布濩す 鳥の声は露暖かにして漸く綿蛮たり」
* p.244-245:「暁峡に蘿深うして猿一たび叫ぶ 暮林に花落ちて鳥先ず啼く」(訳はp.245)
* pp.270-271:「山向背を成す斜陽の裏 水廻流に似たり迅瀬の間」(訳はp.270)
* p.290:「商山に月落ちて秋の鬚白し 潁水に波揚つて左の耳清し」
* p.413:「秋の月の波の中の影を観ずと雖も 未だ春の花の夢の裏の名を遁れず」
資料3:後藤昭雄 著, 日本放送協会, NHK出版 編『漢詩を読む : 日本の漢詩(飛鳥~平安) : NHKラジオテキスト (NHKシリーズ. NHKカルチャーラジオ)』NHK出版, 2011.4【KG817-J17】
* pp.155-156「惜残春」の現代語訳の掲載あり。
資料4:仁平道明 編『王朝文学と東アジアの宮廷文学 (平安文学と隣接諸学 ; 5)』竹林舎, 2008.5【KG16-J12】
* pp.464-489本間洋一「宮廷文学と書―「三蹟」と詩人をめぐる劄記―」:「春日山居」の詩について、pp.469-470に訳の掲載があります。
資料5:鎌田正, 米山寅太郎 著『漢詩名句辞典』大修館書店, 1980.6【KK62-9】
* pp.21-22「落花狼籍たり 風狂じての後 啼鳥竜鐘たり 雨打つの時 残春を惜しむ 大江朝綱」:大意・解説等があります。出典は「「内裏御屏風詩」・七律」とあります。
[そのほかの主な調査済み資料およびウェブサイト]
大沼 宜規「日本漢詩翻訳索引」(『参考書誌研究』(75) 2011.9 pp.1-281☆)
* p.50「大江朝綱」:「惜残春」の掲載あり。『漢詩名句辞典』【KK62-9】および『日本漢詩 上代篇』【919.3-Sa299n】の記載あり。
* https://dl.ndl.go.jp/pid/3487640/1/1
斎藤〓 著『日本漢詩 上代篇』元々社, 1956【919.3-Sa299n】◎(〓は晌)
* pp.186-187大江朝綱>「惜残春」
丹羽 博之「大江朝綱「屏風土代」詩の白詩受容」(『白居易研究年報』(8) 2007 pp.85-103【Z71-H443】)
村上列「予楽院・近衛家熈の書業(二)--屏風土代写巻物について(翠亭)」(『大東書道研究 (3)』1996.3 pp.32-53【Z11-B187】◎)
* p.47:「屛風土代の朝綱(後江相公)の詩「山中自述」「山中感懐」の二首が、誤って彼の祖父音人(江相公)の作として『扶桑集』に収録されている(春名氏の指摘)ことに注意したい」とあります。
春名好重「小野道風筆屏風土代」(『書品 (115)』1960.12 pp.102-104【Z11-265】◎)
* 『扶桑集』の「山中自述」「山中感懐」の二首について、『屛風土代』と多少の相違があるとしつつも、「「屛風土代」の詩であることが明白である」としています。
田坂 順子「扶桑集全注釈-1-」(『福岡大学総合研究所報』(通号 119) 1989.3 pp.37-55【Z22-106】)
宮内庁三の丸尚蔵館(https://shozokan.kunaicho.go.jp/)
* 屛風土代:https://shozokan.kunaicho.go.jp/collection/object/SZK003024
平凡社 編『書道全集 第12巻』平凡社, 昭和5-7【605-14】◎
平安書道研究会 編『日本名筆全集 平安時代篇 第11巻』書芸文化院, [1957]【728.1-H418n】◎
小松茂美 著『平安朝伝来の白氏文集と三蹟の研究』黒水書房, 1965【728.1-Ko557h】◎
小松茂美 編『日本書蹟大鑑 第1巻』講談社, 1978.9【KC626-86】
リサーチ・ナビ「日本漢詩を調べる」(https://rnavi.ndl.go.jp/jp/guides/post_399.html)
国文学・アーカイブズ学論文データベース(https://ronbun.nijl.ac.jp/)
ジャパンナレッジLib(当館契約データベース)
ウェブサイト最終アクセス:2023年7月1日
- 回答プロセス
- 事前調査事項
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延長6年、11月に書かれた内裏の屏風の詩
- NDC
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- 漢詩文.日本漢文学 (919)
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 人文(レファレンス)
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000336659