レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2023/05/19
- 登録日時
- 2023/06/02 00:30
- 更新日時
- 2023/06/22 14:04
- 管理番号
- 14713810
- 質問
-
未解決
ウィキペディアの富山城の項目に、
土井晩翠作詞「荒城の月」の歌詞のモデルになったのは富山城であるという記載があり
富山に土井晩翠が来県したのではないかと考えています。
「土井晩翠その生涯と文学」等で調べていただくことはできますか。
「土井晩翠その生涯と文学」土井晩翠顕彰会 編 仙台文学館,2004.9
請求記号:Y121-H2912
- 回答
-
以下のとおり調査しましたが、土井晩翠が富山県を訪れたという記述は見当たりませんでした。
【 】内は国立国会図書館請求記号です。書誌事項末尾に◎を付した資料は国立国会図書館デジタルコレクション(国立国会図書館内/図書館・個人送信対象)資料です。
なお、当館のレファレンスでは資料を精読しての調査はできませんので、ご了承ください。
また、一部旧字を新字に置き換えて表記している箇所があります。
まず、ご指定いただいた資料を確認しました。
資料1:土井晩翠顕彰会 編『土井晩翠その生涯と文学』仙台文学館, 2004.9【Y121-H2912】
pp.3-8「晩翠の生涯」、pp.42-45「土井晩翠略年譜」等を通覧しましたが、富山を訪れた記述は見当たりませんでした。
この他、土井晩翠の伝記や年譜が掲載されている資料を確認しましたが、該当の記述は見当たりませんでした。
資料2:『日本近代文学大系 18 (土井晩翠,薄田泣董,蒲原有明集)』角川書店, 1972【KH6-5】(貴館所蔵あり)
pp.492-497「土井晩翠年譜」等を確認しましたが、該当の記述は見つかりませでんした。
資料3:『晩翠先生と夫人 : 資料と思出』黒川利雄, 1971【KG522-1】
pp.1-61「前篇 日誌 抄録」
土井晩翠の人間性を把握するために必要な日誌を選んで掲載した資料です。富山に関する記述については見当たりませんでした。
「荒城の月」のモデルについて、土井晩翠本人が言及している資料4を参考までにご紹介します。
資料4:伊藤整 等編『日本現代文学全集 第22 (土井晩翠・薄田泣菫・蒲原有明・伊良子清白・横瀬夜雨集)』講談社, 1968【918.6-N6842-I】◎
https://dl.ndl.go.jp/pid/1661354/1/48
pp.79-82(47-49コマ)「「荒城の月」のころ」
滝廉太郎の45周年祭で土井晩翠が述べた言葉がまとまっています。
「それで音楽学校から「荒城の月」の歌詞を命ぜられた時、第一に念頭に鶴ヶ城が浮かんだのである。」「名君の建設の青葉城(中略)この名城も作詞の材料を供したことはいふ迄もない。」とあります(pp.80-81)。
【調査に使用した主な資料】
・後藤英明 著『名歌「荒城の月」の歌詞に関する解釈と鑑賞 : 植うる剣を中心として 増補新訂版』鉱脈社, 2003.6【KG522-H1】
・丸谷慶二郎 著『みちのく土井晩翠の詩碑を訪ねて』宝文堂出版販売, 1986.1【KG522-10】
・大泉きよ 著『荒城の月私記』宝文堂出版販売, 1979.10【KG522-3】
・土井晩翠 著『晩翠詩抄 (岩波文庫)』岩波書店, 1971【KH88-10】
・『鑑賞現代詩 第1 新版』筑摩書房, 1966【911.5-Ka479-(s)】◎
pp.71-75(41-43コマ)「荒城の月」
・長谷川泉 著『名詩の鑑賞 (ナーセス・ライブラリ ; 第6)』医学書院, 1951【901-H246m】◎
pp.53-56(31-33コマ)「荒城の月 土井晩翠」
・大橋賢一「土井晩翠「荒城の月」と漢詩」(北海道教育大学語学文学会 編『語学文学(50):2012』北海道教育大学語学文学会, 2012 pp.45-54【Z13-177】)
・中村孝一「滝廉太郎と富山」(『Good luck 35(3)(400)』グッドラック, 2011.3 pp.5-11【Z8-2113】)
・伊藤信吉「詩碑めぐり 土井晩翠「荒城の月」」(『太陽 10(4)(106)』平凡社, 1972.4 巻末【Z23-14】)
・久保忠夫「『天地有情』論――晩翠様式の成立をめぐつて」(『東北学院大学論集 (34) 一般教育』東北学院大学文経法学会, 1958.12 pp.102-72【Z22-380】◎)
・中野好夫「土井晩翠と私」(『文芸春秋 30(17)』文芸春秋, 1952.12 pp.214-220【Z23-10】)
・土井晩翠「荒城の月と滝廉太郎君の思出」(『音楽の友 5(8);十一・十二月合併號』音楽之友社, 1947.11.1 pp.9-12【Z11-216】)
【調査に使用した主なデータベース、インターネット情報等】
・国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/ja/
・NDL ONLINE https://ndlonline.ndl.go.jp/
・CiNii Research https://cir.nii.ac.jp/
・国文学論文・アーカイブズ学文献データベース https://ronbun.nijl.ac.jp/
・HathiTrust Digital Library https://www.hathitrust.org/
・Googleブックス https://books.google.co.jp/
・ジャパンナレッジLib>日本人物文献目録(当館契約データベース)
・皓星社 雑誌記事索引集成データベース(ざっさくプラス)(当館契約データベース)
・朝日新聞クロスサーチ(当館契約データベース)
・毎索(毎日新聞)(当館契約データベース)
・ヨミダス歴史館(読売新聞)(当館契約データベース)
・大宅壮一文庫 雑誌記事索引(Web OYA-bunko)(当館契約データベース)
インターネット情報等の最終確認日:2023年5月16日
- 回答プロセス
- 事前調査事項
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国立国会図書館デジタルコレクション収録資料
910.28-D61Nd「想い出の土井晩翠先生」成田正毅 著 晩翠先生を讃える会, 1955
762.1-Ta595Ik「荒城の月」滝廉太郎を偲ぶ 曲碑建立によせて
その他調査資料
KG522-7「土井晩翠 : 栄光とその生涯」土井晩翠顕彰会 編 宝文堂出版販売, 1984.10
富山県立図書館作成 新聞雑誌記事見出し検索に該当する新聞記事
『荒城の月 : 土井晩翠と滝廉太郎』山田野理夫 著 恒文社, 1987.5
『現代日本文學大系 12 土井晩翠 薄田泣菫 蒲原有明 伊良子清白 横瀬夜雨 河井醉茗 三木露風 日夏耿之介集』 土井 晩翠/著 筑摩書房 1971
『明治文學全集 58 土井晩翠 薄田泣菫 蒲原有明集』 土井 晩翠/著者代表 筑摩書房 1967
『日本の詩歌 別巻 日本歌唱集』 中央公論新社 2001
- NDC
-
- 詩歌 (911)
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 人文(レファレンス)
- 調査種別
- 文献紹介 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000333997