レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 20111001
- 登録日時
- 2011/11/17 02:01
- 更新日時
- 2011/11/18 09:56
- 管理番号
- B2011口頭1001
- 質問
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解決
後発医薬品について調べています。後発医薬品そのものを知ることができる資料と、後発医薬品について論じている文献等をご教示ください。
- 回答
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ご照会の事項について以下のとおり回答します。(【 】内は当館請求記号です。請求記号が記載されていないものは、版によって請求記号が異なります。NDL-OPACで、タイトルからお調べください。)
後発医薬品とは、新薬(先発医薬品)の特許が切れた後に、開発メーカーとは別のメーカーが製造・販売する同じ成分・効き目を持つ薬のことです。ジェネリック医薬品とも言います。開発費用を抑えることができるため、新薬(先発医薬品)より安価なのが特徴です。
参考:
「後発医薬品(ジェネリック医薬品)の使用促進について」(厚生労働省)(http://www.mhlw.go.jp/bunya/iryou/kouhatu-iyaku/)
「後発医薬品(ジェネリック医薬品)をご存知ですか?」(東京都福祉保健局)(http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kenkou/iyaku/iyakuhin/index.html)
後発医薬品そのものについて調べられる資料(1)-(4)、ウェブ情報(5)-(7)、後発医薬品の専門誌(8)がありましたので、ご紹介します。
なお、資料(1)-(3)、ウェブ情報(7)のタイトルには、「オレンジブック(Orange Book)」とあります。オレンジブック(Orange Book)とは、FDA(Food and Drug Administration;米国食品医薬品局)が発行している先発医薬品との生物学的同等性が認められた後発医薬品のリストである『Approved Drug Products with Therapeutic Equivalence Evaluations』の通称です。表紙がオレンジ色であったため、名づけられました。日本では、厚生労働省が公表している「医療用医薬品品質情報集」が日本版オレンジブックと呼ばれています。
参照:
『医薬実務用語集』(第16版 薬事日報社 2007.2 【SD2-H92】)
「医療関係者の方向け情報 ジェネリック医薬品について 3. 品質とは 2-2」(日本ジェネリック製薬協会)(http://www.jga.gr.jp/medical/generic03.html)
(1)『医療用医薬品品質情報集 : Orange book』(薬事日報社 1999- 【Z74-B612】)
本書は、厚生労働省が公表した「医療用医薬品品質情報集」を編集し、薬価を追加した普及版です。
平成22年3月版((31) 2010.3)では、「1. はじめに」、「2. 医療用医薬品品質情報集の利用にあたって」、「3. 品目リスト(平成20年11月17日時点)」、「4. 溶出線測定例」、「5. 物理化学的性質」、「付録」から構成されています。
「3. 品目リスト(平成20年11月17日時点)」では、薬効群順かつ有効成分名の50音順に、薬効群、有効成分、剤形、特性、含量、ステップ(品質再評価の進捗状況(5段階))、標準(溶出試験の標準製剤には、「*」または「+」を記載)、販売名、製造販売業者、規格、薬価、『医療用医薬品品質情報集』収載号数を掲載しています。冒頭には、50音順の品目リスト索引(有効成分名、販売名)があります。
「5. 物理化学的性質」では、有効成分名、構造式、解離定数、溶解度、安定性(水、液性(pH)、光、その他)などを掲載しています。
「付録」では、日本薬局方外医薬品規格第三部の一部改正、追加修正箇所を掲載しています。pp.243-254には、日本薬局方外医薬品規格第三部の索引(50音順)があります。
(2)『オレンジブック : 総合版』(薬事日報社 年刊)
厚生労働省が告示した、薬価基準収載医薬品を収載している資料です。再評価結果公示後に承認された品目(『医療用医薬品品質情報集』には未収載)も収載しています。
2009年版では、内用薬、外用薬、注射薬、歯科用薬剤に大別し、有効成分名(一般名)の50音順に、薬効群、有効成分名、剤形、特性、含量、ステップ(品質再評価の進捗状況(5段階))、製剤(溶出試験の標準製剤には、「*」または「+」を記載)、薬価コード、販売名、製造販売会社名、薬価、1日薬価(最小、最大)、後発品(後発医薬品には「○」を記載)、規格、公示承認などを表にまとめています。巻頭の薄黄色ページには、50音順の販売名索引と有効成分(一般名)索引があります。
付属のCD-ROMには、内用薬のみを収録しています。本書の内容に加え、『医療用医薬品品質情報集』No.1-29収載の溶出曲線測定例、物理化学的性質、日本薬局方外医薬品規格第三部を閲覧できるほか、一般名、販売名、薬効番号、会社名による検索ができます。
(3)『オレンジブック : 保険薬局版』(薬事日報社 不定期刊)
『医療用医薬品品質情報集』から主要部分を抜粋し、薬価基準を加えて編集した資料です。
2011年8月版では、内用薬、外用薬、注射薬、歯科用薬剤に大別されています。一般名の50音順に、薬効群、一般名、剤形、製剤特性、規格単位、標準(溶出試験の標準製剤には、「*」または「+」を記載)、後発品(後発医薬品には「○」を記載)、品質情報、販売名、製造販売(販売業者)、単位薬価、1日薬価(最小、最大)を表にまとめています。冒頭の薄黄色のページには、50音順の販売名索引と一般名索引があります。
(4)『ジェネリック医薬品リスト』(じほう 年刊)
先発医薬品名からジェネリック医薬品を探すことのできる資料です。
平成23年8月版では、内用薬、注射薬、外用薬に大別し、基本名(先発・代表薬の商品名から、剤形などを省いたもの(例:ザジテンカプセル1mg → ザジテン(p.95)))の50音順に掲載しています。初めに、基本名、一般名(成分名)、薬効分類、先発・代表薬(商品名、製造・販売会社名、規格単位、薬価)、適応(効能効果)を掲載し、その後に、先発・代表薬の規格単位・剤形などの種類別に、対応する後発医薬品の薬価、先発・代表薬との薬価差、特性、再評(品質再評価の進捗状況(5段階))、供給状況(5段階)、商品名、会社名、規格単位などを表にまとめています。巻末には、屋号等一覧、会社名一覧、一般名索引(50音順)、商品名索引(50音順)があります。
なお、2006年(平成18年)以前に刊行された資料は、タイトルが『後発医薬品リスト』となっています。
(5)オレンジブック総合版ホームページ(http://www.jp-orangebook.gr.jp/)
医療関係の方へ(成分別・製剤別の品質再評価情報のページ)では、一般名、旧一般名、販売名、薬効番号、会社名などから検索できます。成分ごとに薬効番号、薬効分類、一般名、剤形、製剤特性、規格単位、販売名、会社名、含量、単位薬価、1日薬価(最小、最大)などを閲覧できるほか、品目ごとに薬効番号、投与経路、成分名、成分英名、販売名、効能・効果、用法・用量などを閲覧できます。
(6)かんじゃさんの薬箱(http://www.generic.gr.jp/)
日本ジェネリック医薬品学会が作成しているホームページです。
「ジェネリック医薬品の検索」では、検索ボックスに医薬品名を入力して検索すると、医薬品の区分(先発品/ジェネリック)、該当薬品名、一般名、薬効分類が表示されます。さらに、該当薬品名をクリックすると、その医薬品と同等の医薬品の薬品名、区分(先発品/ジェネリック)、メーカー名、規格、薬価(円)の一覧が表示されます。
(7)Orange Book:Approved Drug Products with Therapeutic Equivalence Evaluations(http://www.accessdata.fda.gov/scripts/cder/ob/default.cfm)
FDAが発行しているオレンジブック『Approved Drug Products with Therapeutic Equivalence Evaluations』の電子版です。有効成分名、商品名、特許番号などから検索でき、有効成分名、剤形、商品名、申請者名、規格単位、承認日などを閲覧できます。
FDA(http://www.fda.gov/)>Drugs>Spotlight Orange Book Search
(8)『月刊ジェネリック』(アズクルー医療情報編集室 月刊 【Z74-E215】)
出版者ホームページ(http://www.azcrue.com/)で、創刊号から目次を閲覧できます。
トップ>月刊ジェネリック 詳細・購読はこちら(http://www.azcrue.com/generic.html)
また、(26)[200505]以降は、雑誌記事索引抄録誌となっているため、NDL-OPAC(http://opac.ndl.go.jp/)の雑誌記事索引で、キーワード検索が可能です。
≪関連ウェブ情報≫
・「後発医薬品(ジェネリック医薬品)の使用促進について」(厚生労働省)(http://www.mhlw.go.jp/bunya/iryou/kouhatu-iyaku/)
・日本ジェネリック製薬協会(JGA)(http://www.jga.gr.jp/)
・日本ジェネリック医薬品学会(http://www.ge-academy.org/)
・Generic Drugs(WHO)(http://www.who.int/trade/glossary/story034/en/index.html)
・Office of Generic Drugs(FDA)(http://www.fda.gov/AboutFDA/CentersOffices/cder/ucm119100.htm)
インターネットの最終アクセス日は、2011年10月25日です。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 薬学 (499)
- 参考資料
- キーワード
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- 後発医薬品
- 後発薬品
- 後発品
- ジェネリック医薬品
- ジェネリック薬
- Generic drugs
- Generics
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000096746