レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2023/02/21
- 登録日時
- 2023/03/02 00:30
- 更新日時
- 2023/03/16 16:14
- 管理番号
- 14092114
- 質問
-
解決
大島 隆一「関谷四郎--日本美術を支える人-鍛金-」(『芸術新潮』13 (12) 1962.12 pp.92-95)の著者・大島隆一という人物の著作、略歴について知りたい。
質問1
『反骨の人 : 大島隆一遺稿追悼集』 大島隆一 [ほか著],三輪敦 編(国立国会図書館請求記号:GK116-E16)に、大島隆一氏の著作物の情報を記したページはあるか。ある場合、その中に「"関谷四郎--日本美術を支える人-鍛金-"大島 隆一 芸術新潮 13 (12), 92-95, 1962-12」は含まれているか。
質問2
『反骨の人 : 大島隆一遺稿追悼集』に、大島隆一氏の略歴を記したページがあるか。ある場合、以下の情報と一致するか。
・1903年生、1984年5月9日没(『美術家索引』日本・東洋篇 1991 より)
・立教大学哲学科卒業、『アトリエ』編集、ご社連盟土曜会主事、工芸評論社主幹、東京都工芸協会理事(『柳北談叢』大島, 隆一 昭和刊行會 1943 より)
質問3
略歴の情報について、質問2で言及した情報以外の情報についても知りたい。
- 回答
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『反骨の人』【GK116-E16】(【 】内は当館請求記号)に関するご質問について、以下の通り回答します。
(なお、『反骨の人』に収録されている個々の追悼文や記事等から、著作や略歴に関するさらに細かな情報が得られる可能性はありますが、資料の精読は当館のレファレンスの範囲を超えますので、依頼者ご自身でお確かめください。)
*引用文中等の旧字体は適宜現代の文字に置き換えました。
〇質問1)著作物情報について
著作物が一覧できる表やリストは見当たりませんでした。
なお、「遺稿編」(pp.79-187)として、執筆した論文や取材を受けた新聞記事等が、また「大島隆一画集」(pp.204-221)として、スケッチ画等が収録されています。
〇質問2)略歴について
pp.7-8に「故大島隆一の履歴」(目次は「大島隆一履歴」)があります。
生年・没年月日は貴館からの情報に合致しており、立教大学文学部哲学科卒業、アトリエ社入社についても記載があります。「ご社連盟土曜会主事、工芸評論社主幹、東京都工芸協会理事」については当該部分に記載は見当たりません(「ご社連盟」を「五社連盟」としても同様です)。
なお、pp.61-76の追悼文「亡夫隆一の思い出」等にも履歴に関する情報が含まれており、pp.191-199「大島隆一写真集」には大島氏が写った記念写真等が収録されています。
〇質問3)2)以外の略歴情報について
次の資料1-6を紹介します。
(氏名のみ記載の資料については、ご照会の人物と同一人物である可能性が高く、かつ周囲の情報が特に参考になると思われるもの等をこちらに挙げました。)
<資料> ※は国立国会図書館デジタルコレクション(インターネット公開)
1.大島 隆一「大島隆一[含 解説]」 (文学者の戦中日記) (日本近代文学館 編『日本近代文学館年誌 : 資料探索』(1) 2005 pp.141-152【Z71-P78】)
→pp.141-151に大島氏の日記の翻刻が記載されており、pp.151-152には「解説」として、大島氏の略歴や「大島隆一コレクション」の概要、日記の解説等が記載されています(「東京都工芸協会理事」についても言及があります)。
2.美術年鑑社 [編]『美術年鑑』1985(昭和60)年版 美術年鑑社【Z42-57】
→「美術関係物故者」(pp.1064-1070)のp.1068に、大島氏の略歴等が記載されています。
3.『現代出版文化人総覧』昭和23年版 日本出版協同 昭和22-23【R281.03-G346ウ】※(https://dl.ndl.go.jp/pid/1123753/1/159)
→p.307に「森田隆吉 明三六生 本名 大島隆一(以下略)」の項があります(なお、資料5に「森田隆吉」は大島氏の筆名とあります)。
4.平凡社 編『大人名事典』第9巻 平凡社 1958【281.03-D18-H】国立国会図書館デジタルコレクション(国立国会図書館/図書館・個人送信限定)
→p.135に大島隆一氏の項があります(「『工芸評論』の主宰、東京都工芸協会理事」の記載もあります)。
5.日本著作権協議会 編『文化人名録』昭和26年版 (1版)-38年版(10版) 日本著作権協議会 1951【281.03-B97-N】
→各版に大島隆一氏の項があり、また美術ペンクラブ(団体)の項の代表者として「大島隆一」とあります(1版の団体名、6版・10版の個人名については項目が見当たりません)。なお、4版以降には、個人名の項の「前職、略歴」の欄に「東京都工芸協会理事」の記載もあります。
掲載ページは次の通りです(個人/団体の順)。
昭和26年版(1版) p.343、(2版) p.560/p.1052、(3版) p.744/p.1372、(4版) p.888/p.1664、(5版) p.951/p.2022、(6版)団体・208、(7版) p.1230/団体・328、(8版) p.1264/団体・372、(9版) p.1368/団体・372、(10版)団体・372
6.立教大学 編『立教大学一覧』昭和9年5月 立教大学 昭和9【282-53】※(https://dl.ndl.go.jp/pid/1280814/1/45)
→「立教大学卒業者氏名 文学部 大正十五年」の項(p.68)に「大島隆一」と記載があります。
[参考(断片的な情報、同一人物か判断し難い情報等)]
・永井荷風 著『荷風随筆』中央公論社 昭和8【643-1】※(https://dl.ndl.go.jp/pid/1209094/1/5)
→「成嶋柳北の日誌」(pp.3-31)において、大島氏に複数回の言及があります。
・新聞研究所 編『日本新聞年鑑』昭和8年、昭和9年、昭和10年 新聞研究所 昭和7、昭和8、昭和9【14.4-709】※(https://dl.ndl.go.jp/pid/1077322/1/200)、(https://dl.ndl.go.jp/pid/1077331/1/222)、(https://dl.ndl.go.jp/pid/1077337/1/228)
→各々の版のp.79、p.90、p.95に地方新聞記者連盟の会員(名古屋新聞)として「大島隆一」とあります。昭和10年版には、p.78宮内記者会、p.80竹橋倶楽部、p.86美術記者会の項にも同様に氏名が挙がっています。なお、昭和9年版のp.88と10年版のp.94には「土曜会」の項もありますが、項中に「大島隆一」は見当たりませんでした。
<その他の主な調査済み資料・データベース>
・「肉声に「生活のにおい」 空襲遭いながらも農作業に汗 文学者8人の戦中日記が翻刻」(『朝日新聞』2005年11月14日夕刊(文化面))*朝日新聞クロスサーチ(当館契約データベース)で確認
・平凡社 編『現代日本人名事典』平凡社 1955【281.03-G292-H】国立国会図書館デジタルコレクション(国立国会図書館/図書館・個人送信限定)
→p.135
・日外アソシエーツ株式会社 編『日本著者名総目録』1989~1990 1 (個人著者名 あ~そ)
日外アソシエーツ 1991.6【UP3-E6】
→p.430
・五十殿利治 監修『美術批評家著作選集』第10巻 ゆまに書房 2011.1【K21-J110】
→p.592-593
・五十殿利治 監修『美術批評家著作選集』第14巻 ゆまに書房 2011.12【K21-J137】
→p.453
・五十殿利治 監修『美術批評家著作選集』第19巻 ゆまに書房 2016.6【K21-L93】
→p.267
・「春陽会と国展批判座談会」(『アトリエ』雄松堂フィルム出版 11(6) 1934.6 pp.27-33【YA-112】)
→p.27
・「帝院改組究明批判座談会」(『美之國』国立国会図書館 11巻7号 1935.7 pp.20-28【YA5-1259】)
→p.20
・大島隆一「東京工藝展について」(日本美術新報社『美術新報』(5)1941.10 pp.14-15【雑33-115】)国立国会図書館デジタルコレクション(国立国会図書館/図書館・個人送信限定)
→p.14
・稲岡勝 監修, 日外アソシエーツ株式会社 編集『出版文化人物事典 : 江戸から近現代・出版人1600人』日外アソシエーツ 2013.6【UE2-L1】
・鈴木徹造 著『出版人物事典 : 明治-平成物故出版人』出版ニュース社 1996.10【UE2-G1】
・日外アソシエーツ株式会社 編集『日本人物レファレンス事典』図書館・出版・ジャーナリズム篇 日外アソシエーツ 2021.10【GB12-M24】
・日外アソシエーツ株式会社 編『人物レファレンス事典』美術篇 日外アソシエーツ 2010.11【GB12-J32】
・『人事興信録』データベース(https://jahis.law.nagoya-u.ac.jp/who/search)
・日本の人名データベース(https://jbdb.jp/#/)
・現代日本執筆者大事典(http://gn5index.nichigai.co.jp/fcgi-bin/gns5.fcgi)
・美術人名辞典(https://www.shibunkaku.co.jp/biography/)
・リサーチ・ナビ(https://rnavi.ndl.go.jp/rnavi/)
・次世代デジタルライブラリー(https://lab.ndl.go.jp/dl/)
・JapanKnowledge Lib(当館契約データベース)
(ウェブページへの最終アクセスは2023年2月14日です。)
- 回答プロセス
- 事前調査事項
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〇『美術家索引 日本・東洋篇』 恵光院白編 日外アソシエーツ , 紀伊國屋書店 (発売), 1991.12
大島隆一、生没年。『美術年鑑 1985年版』p.1068収録→内容未確認
〇CiNii Research
主題や年代からみて以下のものが関連すると思われる。
『工藝評論』工藝評論社, 1940- 2卷3號 ( [昭15]. 4)- (個人編者表示: 大島隆一)
『柳北談叢』大島, 隆一 昭和刊行會 1943
「偽作の話」大島 隆一 法律のひろば / ぎょうせい 編 4 (7), 20-21, 1951-08
「関谷四郎--日本美術を支える人-鍛金-」大島 隆一 芸術新潮 13 (12), 92-95, 1962-12
上記のうち、「偽作の話」を除く3点は日本近代文学館に所蔵されている(CiNii Booksより)
〇日本近代文学館ウェブサイト
文庫・コレクション一覧に大島隆一の名前あり。1984年に、まさ夫人の寄贈による大島隆一コレクションがある。大島の祖父成島柳北関連資料や近代美術、工芸関係資料を含む。
〇東京文化財研究所 総合検索
"大島隆一"で検索
『工芸批判』(工芸美術批評家協会)、『人形玩具評論』、(人形玩具評論社)『工芸評論』(工芸評論社)等の雑誌の情報
美術界年史(彙報)の記事:工芸美術批評家協会結成 1938年10月 大山広光、大島隆一及び柴崎風岬の三名は「厳正なる工芸美術批評確立のため」十月十九日工芸美術批評家協会を結成した。
大島隆一が著した工芸に関する記事8件と成島柳北に関する記事1件、「夫大島隆一の遺稿追悼集を出版した大島まささん」の記事1件についての情報
- NDC
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- 著作.編集 (021 10版)
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 人文(レファレンス)
- 調査種別
- 文献紹介 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000329671