レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2022/10/03
- 登録日時
- 2022/11/03 00:30
- 更新日時
- 2022/11/17 14:57
- 管理番号
- 13001867
- 質問
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解決
専門図書館における除籍の基準について知りたい。
特に、医学の専門図書室で、除籍の中でも紛失資料への対処についての記載があると良い。
紛失を確認し、一定期間「不明図書」とした後、どのくらいの期間をおいて除籍するのが妥当か、紛失分を補填するかといった点の参考としたい。
- 回答
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ご照会について「専門図書館」全体の「除籍基準」を明示する文献は見当たりませんでした。以下に関連の文献をご参考までに紹介します。一部は学校図書館、大学図書館の事例ですが、医学、薬学図書館を対象とした雑誌に掲載されていますので紹介します。
【 】内は国立国会図書館請求記号、請求記号末尾に◎を付した資料は国立国会図書館デジタルコレクションの国立国会図書館内/図書館・個人送信資料です。
①飯田育子「病院図書室における資料の廃棄」(『ほすぴたるらいぶらりあん』17(4)(通号57) 1992.12 pp.51-57【Z21-1302】◎)
「IV.廃棄の基準」(pp.52-54)の中で、廃棄基準の作り方、廃棄・除籍の対象となる資料と基準等について触れています。
②飯田育子「資料の廃棄(廃棄基準を含む)」(『病院図書室』12(4) 1992.11 pp.99-102【Z21-1395】◎)※概ね資料①と同じ内容ですが、ご参考までに紹介します。
③中川 恵理子, 若林 茉由子「大和会武蔵村山病院図書室における医学雑誌除籍処理事例報告」(『医学図書館』61(4):2014.12 pp.278-282【Z21-150】)
本文中、「Ⅲ.除籍処理」>「1.除籍規定の設定」>「1)決議、2)除籍条件(p.279)」の中で、除籍処理対象になるものの条件に触れています。“所在不明となり5年を経過したもの”などの記述があります。論文末に武蔵村山病院図書委員会の「除籍規定」が掲載されています。
④岡田 信恵, 大野 圭子, 榊原 佐知子 他「東海地区医学図書館協議会加盟館における除籍(廃棄)の現状調査について」(『薬学図書館』59(1)=223:2014 pp.7-17【Z21-151】)
「表2 アンケート集計表」(pp.12-17)の「Ⅰ.図書の除籍(廃棄)について>3 除籍(廃棄)の対象はどれか?」に、“不明(年数)”の項目に“2年 3、3年 8、5年 1”という集計があります。
⑤春日井 泉江「「病院図書室における資料の廃棄に関するアンケート」集計結果報告」(『病院図書館』35(2):2015 pp.129-154【Z21-1395】)
⑥松田 明子「廃棄・除籍 (特集 はじめの一歩 私はこうしています--基礎的な図書館員の仕事(1))」(『ほすぴたるらいぶらりあん』29(4) (通号 104) 2004.11. pp.247-250【Z21-1302】)
著者は学校図書館司書であり、学校図書館の例から、除籍基準等を紹介しています。
⑦松田 明子「ほすぴ質問箱 - 蔵書点検・除籍について」(『ほすぴたるらいぶらりあん』27(4) (通号 97) 2002.12 pp.398-399【Z21-1302】)
上記⑥と同じ著者です。「4. 除籍対象」(p.398)の中で“(1)蔵書点検により不明が確認された後、一定期間を経たもの(中略)だいたい3年を目安とすればいいのではないでしょうか。(2)紛失などにより、回収不能とみとめられたもの。”等の記述があります。
⑧樋口 由紀子「朝日大学図書館における資料除籍の経緯(特集 蔵書のメンテナンス:みんなどうしてるの?)」(『医学図書館』49(3) 2002.9 p.240-245【Z21-150】)
J-STAGEにて閲覧可能 URL:https://doi.org/10.7142/igakutoshokan.49.240
⑨青木 公男, 山本 千津子「 Q & A」(『医学図書館』32(2)1985.6 pp.215-217【Z21-150】)
J-STAGEにて閲覧可能 URL:https://doi.org/10.7142/igakutoshokan.32.215
⑩押田 いく子「除架による蔵書メンテナンス(特集 蔵書のメンテナンス:みんなどうしてるの?)」(『医学図書館』49(3) 2002.9 pp.233-239【Z21-150】)
J-STAGEにて閲覧可能 URL:https://doi.org/10.7142/igakutoshokan.49.233
⑪矢野浩「図書館資料の除籍・廃棄についての一考察――除籍・廃棄のための環境づくり」(『逐次刊行物研究分科会報告』(48) 1988 pp.61-67【Z21-399】◎)
著者は大学図書館所属です。「図書館資料除籍・廃棄規程(試案)」が掲載されています(pp.66-67)。
本件では以下も参考にしました。
・深井人詩, 目黒聡子 共編『図書館情報学研究文献要覧 : 1970~1981』日外アソシエーツ, 1983.7【UL1-19】
・日本図書館学会編集委員会 編『図書館情報学研究文献要覧 : 1982~1990』日外アソシエーツ, 1993.6【UL1-19】
・「図書館情報学研究文献要覧」編集委員会 編『図書館情報学研究文献要覧 : 1991-1998』日外アソシエーツ, 2008.1【UL1-J1】
・「図書館情報学研究文献要覧」編集委員会 編『図書館情報学研究文献要覧 : 1999-2006』日外アソシエーツ, 2009.1【UL1-J3】
ウェブサイトの最終アクセスは2022年9月28日です。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
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レファレンス協同データベースで検索したところ、学校図書館の除籍の基準(学校図書館図書廃棄基準)を見つけることができたが、医学の専門図書室における基準にはそぐわなかった。
- NDC
-
- 情報資源の収集・組織化・保存 (014 10版)
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 人文(レファレンス)
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000323338