レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 20031225
- 登録日時
- 2005/02/04 02:15
- 更新日時
- 2005/11/30 09:38
- 管理番号
- B2003F2299
- 質問
-
未解決
ナンキョクツバメという生物についての資料を探している。
- 回答
-
当館所蔵の鳥類事典、南極に関する資料(国立極地研究所編「南極の科学」1982.3
等)の中には、ナンキョクツバメという名称は見当たりませんでした。
環境省のホームページ(http://www.env.go.jp/earth/nankyoku/kankyohogo/kankyo/hogo/kokunai/houritsu/attach/index03.html)に、日本の法令「南極地域の環境保護に関する法律施行規則」の別表第3として南極鳥類の表が掲載されていますが 、この中にもナンキョクツバメという名称は見当たりません。
JOIS Easy(独立行政法人科学技術振興機構のデータベース)を検索すると、ナンキョクツバメというキーワードを含む論文は見当たりませんが、「南極ウミツバメ」に関する論文が1件見つかり、それによると、南極ウミツバメの学名は「Thalassonica antarctica」で、この鳥は後述のように、和名「ナンキョクフルマカモメ」にあたります。
また、インターネットのサーチエンジンで「南極燕」というキーワードで検索すると、中国語のサイトが多く見つかり、中国語名「南極燕」の英語名は「Antarctic Petrel」であることがわかり、次に「Antarctic Petrel」をキーワードにして検索すると、学名が「Thalassonica antarctica」であることがわかります。
この「Thalassonica antarctica」は、白井祥平編著『世界鳥類名検索辞典 学名篇』(原書房 1992)の17ページによると、日本語名は「ナンキョクフルマカモメ」あるいは「セグロフルマカモメ」です。
「ナンキョクフルマカモメ」について、日本語で詳細に記述した資料は見当たりませんでしたが、簡単な記述は下記のような資料に掲載されています。
『朝日ラルース世界動物百科』126号 朝日新聞社1973
p.7
『動物の世界大百科 アニマルライフ』Vol.17 日本メール・オーダー社 1972
pp.3289-3290
英語では、”Handbook of Australian New Zealand and Antarctic Birds.” Oxford University Press, Melbourne, 1990のpp.384-391に詳細な解説が掲載されています。
また、インターネットの国立極地研究所情報科学センターのサイト(http://polaris.isc.nipr.ac.jp/~penguin/oogataHP/zukan/antP/antP.htm)に、ナンキョクフルマカモメに関してわかりやすくまとまった解説が掲載されていました。
最初に紹介した環境庁ホームページ「別表第3」にもあるように、南極には「ウミツバメ科」、「モグリウミツバメ科」に属する鳥類も生息していますが生息地域は南極地域に限られず、また当館所蔵の資料には、これらを「ナンキョクツバメ」と結びつける記述は見当たりませんでした。
< >内は当館請求記号
インターネットの最終アクセス日は2003年12月16日
- 回答プロセス
- 事前調査事項
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〔典拠〕『日本点字表記法』2001年版 日本点字委員会編・刊 2001p.40の5に動植物の表記法に例示されていた。
〔調査済資料〕『世界鳥類和名事典』大学書林、『世界鳥類名検索辞典』原書房、『コンサイス鳥名事典』三省堂、『南極の科学 7 生物』国立極地研究所、『南極の科学 9 資料編』国立極地研究所、『野鳥の歳時記 別巻2 世界の鳥』小学館、『世界大博物図鑑』1~5巻,別巻 平凡社、『世界鳥類事典』同朋舎出版、『世界の鳥の和名』山階鳥類研究所
国立極地研究所図書室からは、極地の哺乳類・鳥類の関連資料に該当なしとの回答。
山階鳥類研究所資料室からは、「ナンキョクツバメ」では該当なし、関連があるとすればウミツバメの一種で「ナンキョクフルマカモメ」のことかもしれないとの回答。
- NDC
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- 鳥類 (488 9版)
- 参考資料
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世界鳥類名検索辞典 学名篇 原書房 1992
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世界鳥類名検索辞典 学名篇 原書房 1992
- キーワード
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- ナンキョクツバメ
- 鳥-名彙
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 公共図書館
- 登録番号
- 1000014444