レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021年10月08日
- 登録日時
- 2021/10/27 11:33
- 更新日時
- 2022/06/01 12:28
- 管理番号
- 2021-29
- 質問
-
未解決
高知の宿毛出身の大江卓という幕末の志士のことを調べている。
1 大江の母の実家である「宇和島藩士後藤右衛門」はどのような人物か
2 大江が幕末、宇和島で学んでいたという事実
3 後藤家と松根図書の関わり
- 回答
-
1 近世後期の宇和島藩士が記されている【資料1】により、後藤右衛門を探したが、見つからなかった。
後藤姓の人物は、次のとおりいくらか掲載されている。
(1)明和七年~文政十三年 由緒書 p168-169「後藤治郎左衛門」
(2)天保二年 由緒書 p257「後藤友右衛門」
(3)弘化四年 由緒書 p327「後藤弥平治」
(4)明治初年 旧藩士家録附 完 p436「後藤金彌」
他に宇和島藩士後藤右衛門を調べる手掛かりがなく、どのような人物かはわからない。
2 【資料2】p188-192に「大江卓-坂本龍馬・中岡慎太郎とのえにし-」(橋田庫欣)という論文が収録されており、その中には、「また慶応二年には、宇和島に遊学して英式兵術を学び、それを宿毛に伝え、宿毛兵一中隊を組織して英式操練でこれを鍛えたのであった。」という記述がある。元治1(1864)とは違うので、どちらの情報が正しいかはわからない。
そのほか、下記の資料を調べたが、宇和島で学んでいたという記述の掲載はみつからなかった。
【資料3】p147-154「大江卓の思想の限界」(橋田庫欣)
【資料4】p15-41「懐旧談」(故大江卓)
【資料5】p97-114「母は久子といい、」と母の名前のみ記述があった。
3 後藤家についての情報がはっきりしないため、松根図書との関わりも不明。【資料6】の目次中に「後藤」の掲載はなかった。
- 回答プロセス
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宇和島藩士についての資料を調査。また、大江卓について調査する過程で手がかりをつかんだ当館所蔵の高知県関係資料を確認。
- 事前調査事項
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大江卓は弘化4年(1847)9月25日、土佐国幡多郡柏島(現在の高知県幡多郡大月町柏島)に宿毛領主伊賀家家臣斉原弘、母久子の長男に生まれ、久子は宇和島藩士後藤右衛門の二女という。また大江卓は元治1(1864)宇和島に遊学して、宇和島藩家老松根図書の知遇を得て英式の兵術を学ぶとされている。
- NDC
- 参考資料
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- 【資料1】『家中由緒書 下』 近代史文庫宇和島研究会 1980 <当館請求記号:K252-16-3・貸出可>
- 【資料2】『土佐史談 170号』(土佐史談会 1985.11)
- 【資料3】『土佐史談 176号』(土佐史談会 1987.11)
- 【資料4】『土佐史壇 9号』(土佐史談会 1923)
- 【資料5】『宿毛人物史』 宿毛明治100年祭施行協賛会 1968 <当館請求記号:281.84-スク-1968・貸出可>
- 【資料6】『松根図書関係文書』 宇和島・吉田旧記刊行会編 佐川印刷 1999 <当館請求記号:K250-ウワ7-1999・貸出可>
- キーワード
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- 後藤右衛門
- 大江卓
- 後藤家
- 松根図書
- 照会先
- 寄与者
- 備考
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2022年6月1日追加
レファレンス協同データベース事業サポーターのかたから、国立国会図書館デジタルコレクション(参加館限定)で次の文献が公開されていることをご教示いただきました。
大江天也伝 国立国会図書館/図書館・個人送信限定 雑賀博愛 著 (大江太, 1926)
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1021167
p.16
嚴父大江弘翁
「宇和島伊達家の家臣後藤友右衛門の二女を妻とし、・・・」
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1021167/60
p.18
「妻伊達遠江守宗徳候御家臣後藤友右衛門某女。」
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1021167/61
「大江家系譜」などがありました。
p.22
「慶應元年、大江は宇和島に遊學して英式の兵術を學んで、之れを土佐に傳へた。」
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1021167/66
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 人物
- 質問者区分
- 団体
- 登録番号
- 1000306580