レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2005年08月19日
- 登録日時
- 2022/12/17 17:10
- 更新日時
- 2023/01/24 09:51
- 管理番号
- 遠野-2005-15
- 質問
-
未解決
志和佐比内代官の設置年度はいつか。
- 回答
-
紫波郡誌によると、南部利直が南部直栄に志和郡佐比内村の知行地を与えたのが「寛永四年三月十七日」、三翁昔語では同じく知行地を与えた日付は「寛永四年三月十九日」とあるが、どちらも代官を設置した日付ではないので、志和佐比内村に代官を設置した日付はわからない。
- 回答プロセス
-
<所蔵資料からの調査>
「岩手県史 第5巻」p525~p526より
遠野南部氏は、寛永四年(一六二七)八戸根城から横田城に移居したが、知行高はおよそ一万三千石で、その領所も遠野諸郷の外、三郡(志和、岩手、九戸)に分在しているので、その領内に代官に配置して統治している。遠野諸郷は、上郷下郷の二区とし、作田主水・是川豊前が代官であり、宮森村・志和佐比内村は岡安助が代官(後略)。
とあり代官を設置したことはわかるが、代官の設置年月日までは記されていない。
「三翁昔語」p275より「村々御代官左之通」の項に
(前略)一、志和佐比内村宮森村 岡 安助 (後略)。
とあるが、こちらも設置年月日までは記されていない。(※1)
「八戸家伝記」より(ページなし)
一 直栄領地ノ代官遠野上下郷ハ作田主水是川豊前宮森村志和郡之内佐比内村ハ岡ノ安助(注:岡はよこめに疋)(後略)(※2)
とあるが、こちらも設置年月日までは記されていない。
「紫波郡誌」p189より
紫波郡佐比内村六百七十七石八斗二升八合、寛永四年三月十七日付南部利直の名を以て遠野領主南部直榮に知行せしめらるる趣の印紙、南部男爵家文書に存ず。『三翁昔語』には當時の志和佐比内村代官は岡野安助と見ゆ。
とあり、寛永四年三月十七日付けで南部利直から南部直栄に志和佐比内村に知行を与えたとがあるが、代官の設置年月日までは記されていない。
「三翁昔語」p277 遠野御村替御印二通之事の項より
拾戸之内遠野九千九百弐拾七石五斗九升、(中略)志和郡佐比内村六百七拾七石八斗二升八合、(中略)遠野為仕置替遣候。郷村荒候はぬ様に全知行可被仕者也。 寛永四年三月十九日 利直 八戸彌六郎殿・・・(後略)
とあり、こちらも、寛永四年三月十九日付けで南部利直から南部直栄(八戸彌六郎)に志和郡佐比内村に知行を与えていることがわかるが、代官の設置年月日までは記されていない。
- 事前調査事項
- NDC
-
- 東北地方 (212 8版)
- 参考資料
-
-
青森県立図書館, 青森県叢書刊行会 共編 , 青森県立図書館. 青森県叢書 第5編. 青森県学校図書館協議会, 1953.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000039-I001194398-00 -
岩手県. 岩手県史 第5巻 (近世篇 第2). 杜陵印刷, 1963.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000000870573-00 - 八戸家伝記. 福田氏 写, 1764. (遠野市立図書館 複写 1977)
-
岩手県教育会紫波郡部会 編 , 岩手県教育会. 紫波郡誌. 名著出版, 1974.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001217652-00
-
青森県立図書館, 青森県叢書刊行会 共編 , 青森県立図書館. 青森県叢書 第5編. 青森県学校図書館協議会, 1953.
- キーワード
-
- 岩手県紫波郡 -- 歴史
- 照会先
- 寄与者
- 備考
-
※1 「三翁昔語」は日付に沿って記載されているため、前後の文章から「寛永四年三月十五日から寛永四年三月十九日の間」の可能性もある。
※2 志和郡佐比内村代官の名前が「三翁昔語」や「岩手県史」では「岡安助」、「紫波郡誌」では「岡野安助」、「八戸家伝記」では「岡ノ安助」(注: 岡はよこめに疋、ノは送り仮名)
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 団体
- 登録番号
- 1000325928