レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 20190622
- 登録日時
- 2021/08/27 00:30
- 更新日時
- 2021/08/29 15:16
- 管理番号
- 中央-2021-14
- 質問
-
未解決
スイカの歴史について調べている。スイカの果肉は元々黄色かったそうだが、いつから、なぜ赤くなったか知りたい。
- 回答
-
都立図書館蔵書検索やデータベース等を件名・キーワード<スイカ><赤い>で検索し、該当した資料を調査した。また、参考までにGoogleで<スイカ 歴史 赤い>をキーワードとして検索した。
情報1には品種改良により甘くなるにつれ、果肉の色も徐々に変化していったと記述があるが、いつから、なぜ赤くなったのか明確に記載がある資料は見出せなかった。以下に参考になりそうな資料を紹介する。
情報1
「スイカ、知られざる5000年の歴史」(ナショナルジオグラフィック日本版)2015.08.27
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/15/a/082500029/
3世紀頃の文献には、熟したスイカの果肉は黄色だと書かれているが、「その後、スイカの果肉は今のような赤に変わったわけだが、これは赤い色を持つ遺伝子と糖度を決定する遺伝子とがペアになっていることに由来する。スイカが品種改良によって甘くなるにつれ、果肉の色も徐々に変化していったのだ。」と記述あり。
資料1
スイカの品種開発、栽培方法などについて書かれている。
p.10-17「第1部 1 スイカの遺伝資源と多様性」に、原産と考えられているアフリカ南部のカラハリ砂漠地帯の野生スイカは果肉が白~黄色で(p.10)、「野生のスイカは白~黄白色であることから、突然変異により赤色が現れたと考えられる。」(p.16)などと記述あり。
資料2
p.745-747「スイカ」の項に、「果肉の色も紅、黄のほか桃紅、橙黄(とうこう)、白色などがある。」(p.746)、近年よく栽培される小型種は「大正初期に中国から導入された品種である嘉宝(かほう)から改良されたものである。嘉宝は重さ2キログラムほどの長球形で果肉は橙黄色。」(p.746)、日本に伝播した江戸時代には「初期は果肉が赤く、血肉に似ているために嫌われた」(p.747)という記述がある。
起源と伝播などについても書かれているが、スイカの色が黄色から赤色に変わったという旨の記述はなし。
資料3
「原種は果肉の白い苦みのある野生種とされているが、現在栽培されている普通スイカの学名は「シトラルス・ラナタス」といい、「果肉が黄色い果実」の意味である。」(p.111)と記述がある。
また、日本への伝来について、「江戸時代のスイカについては、『農業全書』(1696)には、スイカの種子はいろいろあって「じゃがたら」が赤肉で味がよいと奨めて」、「『本草図譜』(1828)によると、ふつうのスイカは外皮深緑で果肉は紅赤、種子は黒であるが」他に果肉が黄、淡紅、紅色、白色のものがある(p.12-13、p.112)などと記述あり。
スイカの色が黄色から赤色に変わったという旨の記述はなし。
資料4
先史時代から現代までの、世界のメロンとスイカの歴史について書かれている。
ただし、スイカの果肉の色についてはあまり記述が見られない。
【調査したデータベース】
・「CiNii Articles」(国立情報学研究所)( https://ci.nii.ac.jp/ja )
・「ルーラル電子図書館」(農文協) ※都立図書館契約データベース
なお、調査したデータベースやインターネット情報等の、最終検索日及び最終アクセス日はいずれも、2021年7月25日である。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
-
- 蔬菜園芸 (626 9版)
- 参考資料
-
- 【資料1】スイカの生理生態と生産事例 高品質安定生産を狙う / 農耕と園芸編集部/編 / 野菜の栽培技術シリーズ / 誠文堂新光社 / 2012.12 <626.2/5025/2012>
- 【資料2】日本大百科全書 12 / 小学館 / 1986.11 <DR/0310/38/12A>
- 【資料3】野菜園芸大百科 5 スイカ・カボチャ / 第2版 / 農文協/編 / 農山漁村文化協会 / 2004.1 <626.0/5024/5>
- 【資料4】メロンとスイカの歴史 / シルヴィア・ラブグレン/著 龍和子/訳 / 「食」の図書館 / 原書房 / 2017.6 <626.2/5041/2017>
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000303734