レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2022/12/01
- 登録日時
- 2023/01/25 00:30
- 更新日時
- 2023/01/25 00:30
- 提供館
- 宮城県図書館 (2110032)
- 管理番号
- MYG-REF-220139
- 質問
-
未解決
佐々木喜一郎編著『仙台魚風土記』(きさらぎ書房, 1959)中の下記の記述に関連して知りたい。
「仙台の斎藤報恩会所蔵「常盤文庫」の中に,徳川末期の国学者鶴峯戊申の謄写にかゝる『仙台見聞録』という柏原宗阿の編になる興味ある書物がある。この「塩引の保存」法はその一節である。」(p.163.)
1 柏原宗阿は,『石川県史』第3編(石川県, 1929)第5章第6節のp.1145に記述がある「柏原吉右衛門」と同一人物か。
2 『仙台見聞録』の編者は柏原宗阿だが,「塩引の保存」の一節の執筆者はだれか。
- 回答
-
※【 】内は当館請求記号です。
1 柏原宗阿及び柏原吉右衛門について
(1)柏原宗阿について
下記資料に記載がありました。
資料1 市古貞次[ほか]編『国書人名辞典 第1巻』岩波書店, 1993【281.03/1993.Y/1】
p.460「柏原信好 かしわばらのぶよし」の項
「博物学者 〔生没〕生年未詳,明治四年(一八七一)十二月十八日没。墓,東京谷中玉林寺。〔名号〕名,信好。通称,吉右衛門。号,宗阿・隅田舎。法号,隅田舎柏原宗阿居士。〔経歴〕鳥類に詳しかった。」
(2)柏原吉右衛門について
「柏原吉右衛門」の仙台領における動向については下記資料に記載がありました。
ただし,『石川県史』第3編p.1145に記載がある「柏原吉右衛門」と同一人物であるかどうか,また「柏原宗阿」と同一人物であるかどうかについては確認できませんでした。
資料2 石巻市史編さん委員会編『石巻の歴史 第2巻』石巻市, 1998【K253.3/イ1-2/2-1】pp.289-315
「第三章 港町石巻の発展」―「第五節 鋳銭業」―「2 石巻鋳銭場の活動」のうち,
p.304「天保九年(一八三八)より一二年(一八四一)までの貨幣鋳造について,『金局公用誌』によると,天保年間(一八三〇~四四)当時の江戸定座,金座の長官である御金改役は後藤三右衛門で,年寄役は三品仁兵衛・川村理兵衛であった。石巻鋳銭場担当は「仙台出役」と称し,金座勘定役・平座役が任命され,その他役人・下役・手代が派遣された。同頁表18が天保九年から十二年まで派遣された役人一覧で,最初は半年交代で,四月から九月,十月から翌年三月までの任期で石巻に常駐していた。」とあり,表18中に下記の記述がありました。
「年代:天保11年4月~12年3月 取締役人:高野博吉 金座人:柏原吉右衛門 手代:尽次郎 勝兵衛」
2 『仙台見聞録』の一節の執筆者について
(1)佐々木喜一郎『仙台魚風土記』p.163で取り上げられている斎藤報恩会所蔵の『仙台見聞録』については,翻刻・影印等の資料を当館では所蔵していませんので,内容を確認することができませんでした。
(2)当館所蔵の和古書として下記があります。
資料3 仙臺聞見録 2卷 柏原宗阿著 寫本 鶴峯戊申 22.9cm 2冊(『宮城県図書和古書目録』1979【KM290/セ22】)
上記資料を確認したところ,巻頭に「仙台聞見録 上 柏原宗阿編」とあるのみで,個々の項目には執筆者名が記載されていませんでした。
- 回答プロセス
-
1 柏原宗阿については,通称等が記載されている資料1を紹介した。あわせて,柏原吉右衛門について記載がある資料2についても参考までに紹介した。
2 質問文中の『仙台見聞録』については,翻刻・影印等を所蔵していないため,当館所蔵の古書で同一著者のものと思われる『仙台聞見録』を確認したところ,個々の項目には執筆者名が記載されていなかった。
- 事前調査事項
- NDC
-
- 個人伝記 (289 9版)
- 参考資料
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- 佐々木 喜一郎/編著. 仙台魚風土記. きさらぎ書房, 1959【K487/サ1】:
- 市古貞次/[ほか]編. 国書人名辞典 第1巻. 岩波書店, 1993.11【281.03/1993.Y/1】:
- 石巻市史編さん委員会/編. 石巻の歴史 第2巻. 石巻市, 1998.3【K253.3/イ1-2/2-1】:
- キーワード
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- 柏原, 宗阿(カシワバラ, ソウア)
- 柏原, 吉右衛門(カシワバラ, キチエモン)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 人物
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000327827