レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2018年05月11日
- 登録日時
- 2018/08/18 13:00
- 更新日時
- 2018/12/18 10:52
- 管理番号
- 千県中千葉-2018-01
- 質問
-
未解決
千葉県袖ケ浦市の地名「滝ノ口」が現在の「滝の口」に変わったのはいつごろか。
- 回答
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以下のような調査をしましたが、具体的にいつ滝の口に変更されたのか記述のある資料は見つけられませんでした。
(1)『千葉県報』の昭和48年1月~昭和60年12月を調査しました。当時の滝の口を含む袖ケ浦町地域の名称や区域が変わった旨の件名31件を確認しましたが、「滝の口」及び「滝ノ口」は記載されていませんでした。
件名の例:「市の区域内の町の地域及び名称の変更(袖ケ浦町)」
「町の区域内の町の区域及び名称の変更(袖ケ浦町)」
「町の区域内に新たに字の地域を画した旨の届出(袖ケ浦町)」
「町の区域内の字の区域の変更(袖ケ浦町)」
(2)市史や町史などから調査しました。
『上総国町村誌 上巻』(小沢治郎左衛門著 名著出版 1978)(「上総町邨誌」(明治22年刊)の復刻)
p262「瀧口(タキノクチ)村」
『袖ケ浦町史 通史編 下巻』(袖ケ浦町史執筆委員会編集 袖ケ浦町 1990)記載なし。
『袖ケ浦市史 自然・民俗編』(袖ケ浦市史編さん委員会編集 袖ケ浦市 1999)
p278-279「富岡村の成立」表記は全て滝の口(たきのくち)で統一されている。
(3)地名の変遷がわかる資料から調査しました。
(ア)『千葉県町村合併史』
明治22年、昭和30年、昭和46年の合併について記載があり、どちらも「滝ノ口」と表記されています。
『千葉県町村合併史 上巻』(千葉県地方課編著 大和学芸図書 1979)
p395「富岡村」「(中略)滝ノ口の諸村も一団として、(中略)明治22年に及んだ」
『千葉県町村合併史 下巻』(千葉県地方課編著 大和学芸図書 1979)
p686「平川町」「昭和三十年二月十一日、平川村と中川村は合併して平川村を設置した。平川町は次いで同年三月三十一日、(中略)滝ノ口(中略)を編入した。」
『千葉県市町村合併史 続編』(千葉県地方課編集 千葉県市町村合併史刊行会 1980)
p104「袖ケ浦町」「袖ケ浦町と平川町は、昭和四十六年十一月三日合併して袖ヶ浦町を設置した。袖ケ浦町は、昭和三十年三月三十一日、滝ノ口(中略)」
(イ)『千葉県地名変遷総覧』(千葉県立中央図書館編 千葉県立中央図書館 1970)
p33「56 畔蒜」の項目内に「滝ノ口」あり。
昭和30年3月31日の富岡村から平川町へ変遷する時代の記述。
(4)継続して発行される地図から調査しました。
(ア)地形図
『2万5千分の1地形図 上総横田NI-54-19-16-4』(国土地理院[編] 国土地理院)
昭和62(1987)年修正測量(昭和63年発行)は滝ノ口、
平成4(1992)年修正測量(平成5年発行)は滝の口でした。
(イ)住宅地図
『ゼンリンの住宅地図 袖ケ浦町』(1981,1983年版は日本住宅地図出版、1984~1990年版はゼンリン)1981~1990年発行の住宅地図ではすべて「滝の口」でした。
- 回答プロセス
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(1)『千葉県報』の目録を通覧し、告示のうち「名称の変更」「地域の変更」にかかる件名を探し、それをもとに県報原文の内容を確認した。事前調査事項の内容より、昭和57~59年を含む時期(昭和48年1月~昭和60年12月)を調査した。
(2)滝の口を含む地域の市史や町史を調査した。
(3)地名の変遷については、パスファインダー「千葉県の「地名」について 改訂」を参考に資料を探した。(http://www.library.pref.chiba.lg.jp/reference/pathfinder/pf_chiba_chimei.html)
(4)地図類から調査した。当館で所蔵している地形図・住宅地図から昭和57~59年に近い時期を調査した。
- 事前調査事項
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以下の調査により、昭和57~59(1982~1984)年ごろに名称変更があったと考えている。公益財団法人 国土地理協会の住所コードがこの頃始まったようだが、関連はわからない。
・字の変更等を定めている例規では「滝ノ口」となっており、「滝の口」は見当たらない。
・袖ケ浦市市民課の大字ごとの人口数調査票で、昭和57年11月分が「滝ノ口」であったものが、12月分に「滝の口」となっていた。
・国土地理院で公表している地図等も「滝の口」になっている。
・昭和45年(1970)発行の「平川町土地宝典」では「滝ノ口」表記
・『角川日本地名大辞典 12 千葉県』(「角川日本地名大辞典」編纂委員会編 角川書店 1984)では
p527の「たきのくち 滝の口〈袖ヶ浦町〉」の項目では「滝口・滝ノ口とも書いた」とあり、
「〔近世〕滝ノ口村 江戸期~明治22年の村名」
「〔近代〕滝の口 明治22年~現在の大字名。」
となっているが、p1357~の「本一覧は千葉県及び各自治体提供の資料によって作成した」という小字一覧では「滝ノ口」表記。
・『日本歴史地名大系 12 千葉県の地名』(平凡社 1996)p964では項目として「滝口村(たきのくちむら」「現袖ケ浦市滝の口」とある
・「官報情報検索サービス」(https://search.npb.go.jp/kanpou/)を昭和22年から検索したが、見つからず。
・『ゼンリンの住宅地図 [1983] 袖ケ浦町』(日本住宅地図出版 1983)では「滝の口」
・『日本分県地図地名総覧』(人文社編集部編集 人文社 1963~2005)では、
1974~1983(昭和50年度~59年度版)は「滝ノ口」、1984(昭和60年度版)から現在は「滝の口」となっている。表記や注釈は特になし。
- NDC
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- 日本 (291 9版)
- 参考資料
- キーワード
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- 千葉県-袖ケ浦市(チバケン-ソデガウラシ)
- 滝ノ口(タキノグチ)
- 滝の口(タキノグチ)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 図書館
- 登録番号
- 1000240872