レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2012年06月07日
- 登録日時
- 2012/09/12 16:24
- 更新日時
- 2012/11/28 11:27
- 管理番号
- 埼熊-2012-110
- 質問
-
未解決
現在の国後島の地図が見たい。地名、町名、施設(港や工場など)が出ている地図はあるか。
2011年3月および2012年3月に国土地理院から2万5000分の1の地形図が出ているが、これは名称等が詳しくない。
産業や国後島についての記述が載っている本に地図が載っているかもしれないので、地図類でなくても探してほしい。
- 回答
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質問に該当する地図は見つからなかった。
以下のインターネット情報と図書(ホテル名はあるが地図はなし)の情報、回答プロセスの調査経過を紹介した。
インターネット情報
《(社)北方領土復帰期成同盟》のサイトに「各島の地図」ページあり。
さらに、その地図のうち古釜布(ふるかまっぷ)について《市街地図を見る》というリンクあり。
古釜布の主要な道路図およびいくつかの施設の位置が記載されている。
(南クリル地区行政付庁舎/友好の家/ホテルマグノリア/博物館/音楽学校/発電所/冷凍倉庫/古釜布港)
図書
『Russia & Belarus;Lonely Planet』
(Simon Richmond[et al. by] Footscray, Vic. Aust Lonely Planet 2006 4th ed.)
ガイドブック「ロンリープラネット」のロシア版
索引にKunashir, Yuzhno-Kurilskあり。
p642「Kuril islands」の項に概要とホテル名(Storitel Hotel)と電話番号があるが、地図はなし。
- 回答プロセス
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所蔵資料を探す。
自館目録を〈北方領土〉〈北方四島〉〈国後島〉〈千島列島〉で全項目検索するが、有効な情報の載った資料なし。
NDC分類〈291〉の資料から調査する
『島嶼大事典』(日外アソシエーツ 1991) 情報なし
『Shimadas 日本の島ガイド』(第2版 日本離島センター 2004)
NDC分類〈211〉の資料から調査する
『日本北辺関係旧記目録 北海道・樺太・千島・ロシア』(北海道大学附属図書館編 北海道大学図書刊行会 1990)『戦後の北海道 新しい北海道』(北海道開拓記念館 2001)
『北海道の20世紀』(北海道新聞社編 北海道新聞社 1999)
p280-281「戸長役場・町村役場等開設図」に国後島があるが、役場の場所(留夜別・泊)が丸で示されているだけの簡略なもの。また「北方領土は昭和12年4月現在」とあり。
『新北海道史』1、3、4、5、6、8、9(北海道 1971-1981)2巻と7巻は欠号。
外国語資料を調査する
国後島は現在ロシアの実効支配下にあるので、ロシア側から見た(ロシア領としての)国後島に関する地図・資料等がないか確認したが、詳細な資料なし。
オンラインデータベースから探す。
《MAGAZINEPLUS》
「SIMULATION REPORT 尖閣、竹島、北方四島……これでスッキリ 領土危機「ニッポンの反撃」」(『SAPIO 2011.10.5』p6-33 小学館 2011)国後島の詳細地図なし。
《BOOKPLUS》
〈国後島〉&〈2000年以降刊行〉で検索するが該当しそうな資料で未調査の所蔵資料はなし。
《日経テレコン21》
『日本経済新聞 2010/5/22』最近の状況が描かれているが、地図はなし
インターネット情報を探す。
国内情報を検索する
《Googleブックス》
〈国後島 & 地図〉で検索した結果に、当館所蔵資料で該当の地図はなし。
『日本主要地図集成 明治から現代まで』(日本国際地図学会編 朝倉書店 1995)
住民の住む集落が集中しているならば、その集落の地図があれば施設名等も載っている可能性があると考え、《Google》で〈古釜布 & 地図〉で検索したところ、下記のサイトがヒット。
《(社)北方領土復帰期成同盟のサイト》に「各島の地図」ページあり。
国外情報を検索する
ロシアの実効支配中ならば、ロシア語の地図が掲載されている可能性があると考え、国後島のロシア名(Остров Кунашир)で 《Google》を検索する。
《Google map》の航空写真等を見ることはできるが、施設名等はわからず。
古釜布のロシア名ユジノクリリスク(Южно-Курильск)と地図(карта)で 《Google》を検索、当該地域の地図とおぼしきものを確認。上記日本語サイトとはやや相違ある。すべてロシア語。主要施設名は3つのみ。
(参考)検索にあたり《Google翻訳》で確認したロシア語
地図 карта
市街地図 План города
国後 Кунашир
ユジノクリリスク Южно-Курильск
千島列島 Курильские острова
ロシア公的機関の情報を探索する
在日ロシア連邦大使館に(ロシア領としての)北方領土、あるいは国後島へのビザなし、ビザあり渡航に関する記載がないか確認する。
地理・旅行情報・ビザ関連情報等を確認したが、北方領土に関する記述なし。
大使館からのリンクにある旅行会社の情報にも、国後島へのツアーガイドなし。
その他調査済資料
「日本政府が言えない北方領土の実態」(『WEDGE 2010年12月号 22(12)(通巻260)』p44-46 ウェッジ 2010)
『エトロフの青いトマト 素顔の北方領土、エトロフ・クナシリ紀行』(菅原有悠著 山と渓谷社 1992)
《在ユジノサハリンスク日本国総領事館》ホームページ
(http://www.sakhalin.ru.emb-japan.go.jp/relation.htm 在ユジノサハリンスク日本国総領事館
2012/09/25 最終確認)
『北方領土 日本の領土』23版(根室市総務部北方領土対策課編 根室市 2011)
p10 終戦時の地図。国民学校、診療所等の記述あり。
『元島民による北方領土返還運動のあゆみ』(千島歯舞諸島居住者連盟 1997)
p13-折り込み図 「北方四島全図」略図だが、湾、漁場などの名が確認できる。
「国後島」同じく略図だが鉱山、郵便局、官設駅逓所、村役場等の位置あり。
p64「国後島略図」上記折り込み図と同じ。郵便局等の記号が付されている。
終戦時の地図。
『われらの北方領土 2011年版』(外務省 2012)
p4-6に地図があり、主な地名は掲載されているが、詳細な記述なし。
『北方の資源をめぐる先住者と移住者の近現代史 2005-07年度調査報告』(北海道開拓記念館編 北海道開拓記念館 2008)
内容 国後島の遺跡.
p175-176に遺跡の地図はあるが、現在の地図の掲載はなし。
『日本の国境 いかにこの「呪縛」を解くか』(岩下明裕編著 北海道大学出版会 2010)
p79-92 現在の国後島の状況や、ロシア側から見た北方領土問題に触れられているが地図はなし。
『知床・北方四島 流氷が育む自然遺産』(大泰司紀之、本間浩昭 岩波書店 2008)
地図の掲載はなし
- 事前調査事項
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《国土地理院ホームページ》で閲覧可能の地形図は確認済。
《NDL-OPAC》を検索。キーワード〈クナシリ〉 & 所蔵場所〈地図室〉現物未確認だが該当しないと思われる。
サーチエンジンで国後地図を検索すると、たくさん地図がヒットするが、詳しい施設名称までわかるものは見つけられず。
質問館調査済み資料
地図類 国後のものは無し。
北方領土関連
「北方四島ガイドブック」(第三書館 1993)のp128-157にいくつか国後の地図あるがこの図書の出版年が古い。
「国境の島が危ない!」(山本皓一著 飛鳥新社 2010)
「日本人が行けない「日本領土」」(山本皓一著 小学館 2007)
「日本の島々、昔と今。(岩波文庫)」(有吉佐和子著 岩波書店 2009)
「誰も国境を知らない」(西牟田靖著 情報センター出版局 2008)
「千島森林誌 千島の国有林」(帯広営林局編 大空社 2005)
ロシア関連
「ロシアを知る事典」(平凡社 2004)
「全訳世界の地理教科書シリーズ 6 ソビエト連邦」(帝国書院 1977)
《国会図書館サーチ》検索。キーワード〈国後 & 地図〉新しいものはヒットせず
同じくキーワード〈千島列島 & 地図〉
「千島列島地図集成 百万分一、二十万一、五万分一、五万分一(陸海編合図)」は国会図書館や県外の図書館所蔵のため現物未確認。
《北海道立図書館WebOPAC》の検索
「北方四島居住地図 国後島」(千島歯舞諸島居住者連盟 2007)あり。
昭和20年8月15日現在の居住状況、施設を掲載したもので《社団法人千島歯舞諸島居住者連盟》のウェブサイトでも閲覧可能。
- NDC
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- 日本 (291 9版)
- 参考資料
- キーワード
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- 国後島-地図
- クナシリ島
- 北方領土
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 地名
- 質問者区分
- 図書館
- 登録番号
- 1000111177