レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2014年10月15日
- 登録日時
- 2014/11/19 09:37
- 更新日時
- 2015/01/15 17:58
- 管理番号
- 埼久-2014-095
- 質問
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未解決
「10人のくろんぼの子ども」の出典を探している。30-40年前に図書館でストーリーテリングをしていた方から口承で教わった。
- 回答
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原詩と思われるマザーグースの詩について調査したところ、多数の資料に該当詩の記載があった。ただし、質問者の記憶している文章とまったく同一の訳詩は見つからなかった。一番近いのは、北原白秋訳のものと思われる。
- 回答プロセス
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児童研究書を調べる。
『マザーグースって残酷 グリム童話より怖い』(藤野紀男著 二見書房 1999)
p132-139 アガサ・クリスティの名作に使われた「十人のインディアンの少年」の項
「十人の黒人の少年 食事に出かけ ひとりがのどを詰まらせ 九人になった。・・・」(訳者記載なし)
『マザー・グースをしってますか?』(来住正三著 南雲堂 1988)
p44-47 「十人の小さな黒人が食事に行った。一人がのどをつまらせて、九人になった。・・・」(訳者記載なし)
『マザー・グース事典』(渡辺茂編著 北星堂書店 1986)
p81-85 十人のインディアンの少年(The littler Injuns)
「十人のインディアンの少年 一列に立ってて、一人がぶらぶら家へ帰って 九人になった・・・」(編著者訳)
『マザーグース・コレクション100』(藤野紀男著 夏目康子著 ミネルヴァ書房 2004)
p19-22 Ten Little Nigger Boys Went To Dine
「10人の黒んぼの男の子が 正餐を食べに行きました 1人がのどを詰まらせ 9人になりました・・・」(著者訳)
『名作マザーグース70選』(藤野紀男著 三友社出版 1989)
p98-104 Ten Little Nigger Boys Went Out To Dine
「十人の黒人の少年が食事に出かけた 一人がのどを詰まらせたので 九人になってしまった・・・」(訳者記載なし)
初訳 「十人よ、黒奴(くろんぼ)の子供が十人よ、お午餐(ひる)に呼ばれて行きました。 一人が咽喉首(のどくび)つまらした。そこで九人(くにん)になりました。・・・」(北原白秋 『まざあ・ぐうす』(1921))
『世界童話大系 17 世界童謡集』(名著普及会 1988)
大正14年刊の復刻。
p277-279 黒奴の子供(くろんぼのこども)
「十人黒奴の子供がご飯を食べに行った、一人が咽喉へつめたので九人になった。・・・」(竹友藻風訳)
一般書を調べる。
『マザー・グースの唄 イギリスの伝承童謡』(平野敬一著 中央公論社 1986)
p119-127 白秋の訳あり。また、この訳について「苦心の訳であるが、必ずしも正確でなく、第二節二行目「朝寝坊で」を「夜更かしで」、第四節二行目「杖(つえ)」を「薪(たきぎ)」、第九節二行目「てんとさんの中へと」を「日なたに」、というふうにでもすれば原文の意味にいくらか近くなるだろう。第六節は、全体の意味を取り違えている(原意は「五人が法曹界入りを希望したが、一人が困ったことになり、あと四人になった」)。」とある。
『マザー・グースのうた 2 ばらのはなわをつくろうよ』(谷川俊太郎訳 堀内誠一画 草思社 1988)
p50-53 「十にんのニグロのこども ごはんをたべにいく ひとりがのどをつまらせて 九にんになった・・・」
その他調査済み資料
該当の詩に関する記述は見あたらなかった。
児童研究書
『世界童謡集』(西条八十他編 フレア 1996)
『完訳 マザーグース』(W.S.ベアリングールド,C.ベアリングールド解説・注 鳥影社 2003)
『図説 マザーグース』(藤野紀男著 河出書房新社 2007)
『マザーグース 愛される唄70選』(谷川俊太郎訳 渡辺茂解説 講談社インターナショナル 1996)
『マザー・グースの唄 イギリスの伝承童謡』(平野敬一著 中央公論社 1986)
『マザーグースイラストレーション事典』(夏目康子,藤野紀男編著 柊風舎 2008)
『シング・ソング童謡集 訳詩集』(クリスティーナ・ロセッティ〔著〕 安藤幸江訳 文芸社 2002)
児童書
『世界少年少女文学全集 32 世界童謡集』(東京創元社 1955)
『少年少女世界文学全集 50 世界少年少女詩集 世界童謡集』(講談社 1962)
『少年少女世界の名作文学 3 イギリス編』(名作選定委員会編 小学館 1974)
『英語であそぼう!マザーグースたのしさ再発見 1-3』(夏目康子著 こどもくらぶ編 ミネルヴァ書房 2014)
一般書
『寺山修司著作集 1 詩・短歌・俳句・童話』(寺山修司著 山口昌男監修 クインテッセンス出版 2009)
『マザー・グースとイギリス近代』(鶴見良次著 岩波書店 2005)
『まざー・ぐーす 訳詞と解説 上巻・下巻』(吉竹迪夫著 中教出版 1976-1977)
『マザー・グース その世界』(平野敬一編 すばる書房 1976)
『マザーグース童謡集』(宮川幸久〔ほか〕共編 日本英語教育協会 1986)
- 事前調査事項
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調査済み資料
《Google》を〈10人のクロンボの子ども〉で検索する。(https://www.google.co.jp/ Google 2014/10/07最終確認)
〈マザーグース・「10人のニグロのこども」〉(http://detail.chibikuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1062650455 Yahoo! 2014/10/07最終確認)
〈青空文庫 十人のくろんぼの子供〉(http://www.aozora.gr.jp/cards/001529/files/546_21324.html 青空文庫 2014/10/07最終確認)このサイトより、マザーグースだと思われる。
『まざあ・ぐうす』(北原白秋訳 角川書店 1978)
p15 「TEN LITTLE NIGGER BOYS」原文のみ。
p75 「十人のくろんぼの子供」出典記載なし。
『マザーグース 4』(谷川俊太郎訳 講談社 1981)
p70 「十にんのこくじんのこども ごはんをたべにいく ひとりがのどをつまらせて 九にんになった(後略)」出典記載なし。
『オフ・オフ・マザー・グース』(和田誠訳 筑摩書房 1989)
p158 「小学生の時に、雑誌だったか絵本だったか忘れたけれど、「十ぴきこぐま」という詩を読んだ。十匹の小熊が連れだって遊びに行き、一匹ずつ減ってゆく。まぎれもなく「十人のインディアン」からのいただきであるが、「インディアン」は「ニガー」となることもあるので、「熊」のヴァージョンもあるのかもしれない。ただし、「十ぴきこぐま」の最後は、そして誰もいなくならずに、再会してハッピーエンドだったと記憶する。」
- NDC
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- 叢書.全集.選集 (908 9版)
- 詩 (931 9版)
- 参考資料
- キーワード
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- マザーグース
- 北原 白秋(キタハラ ハクシュウ)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介 書誌的事項調査
- 内容種別
- 児童
- 質問者区分
- 図書館
- 登録番号
- 1000163039