レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2019年07月26日
- 登録日時
- 2019/07/26 18:55
- 更新日時
- 2022/06/07 12:36
- 管理番号
- 2019-048
- 質問
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解決
Ⅰ.ブータンの国民総幸福量のここ10年くらいの推移が分かる資料はないか。
Ⅱ.ブータンの最新の情勢などがわかる情報源(英語、又は日本語表記のもの)を知りたい。
- 回答
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Ⅰ.に関しましてはブータンの国民総幸福量のここ10年くらいの推移がまとめて掲載されている資料は見つかりませんでしたが、下記資料に一部、記述があることが確認できました。
・平山修一著『現代ブータンを知るための60章』(明石書店 , 2019)
「2010年度」「2015年度」の調査結果について言及があります。
・杉野正美, 田代佑妃著「コミュニティーレベルの幸福度を考える:ブータンの事例から」
2010年・2015年に行われた調査の結果が確認できます。
・賀戸一郎, 田中一彦, ほか著「ブータンGNH指数の解説ならびにGNH調査結果一覧」
2008年に行われた第1回調査の結果(一覧表)が確認できます。
また、Centre for Bhutan & GNH Studies(http://www.grossnationalhappiness.com[参照:2020-03-25])で2010年の調査結果(2010 Survey Results)・2015年のレポート(2015 GNH Survey Report)が確認できます。
Ⅱ.ブータンの最新の情勢などの情報に関しましてはwebサイトとデータベースを見つけました。
詳細は回答プロセスをご確認ください。
- 回答プロセス
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Ⅰ.「ブータンの国民総幸福量の推移が分かる資料はないか。」について
1.国民総幸福量について調査
国民総幸福量 こくみんそうこうふくりょう gross national happiness
ブータン国民の幸福を表す尺度。ブータン第4代国王ジグメ・シンギ・ウォンチュックJigme Singye Wangchuck(1955― )が提唱した国家の理念。(中略)国民総幸福、国民総幸福感ともいい、GNHと略称する。(中略)政府は国民の感情の変化を数値化するため、幸福に必要な4本の柱をもとに、9分野72の指標を策定して質問票を作成し、2年ごとに国民8000人に対して面談による聞き取り調査を行っている。
"国民総幸福量", 日本大百科全書(ニッポニカ), JapanKnowledge Lib, [参照:2019-07-26]
2.本学OPACで検索
キーワード:ブータン
平山修一著『現代ブータンを知るための60章』(明石書店 , 2019)
→p.52「幸せと答える人の割合は2010年度は89.6%、2015年度は91.2%と増えており、「とても幸せ」と答えた人の割合が43.4%となっており、幸福度は向上していると推測できる。」とあり。
→引用文献を確認
・岡崎理香著「ブータンのGNHの最新動向:2015年GNH調査とGNH国際会議開催」GNH国民総幸福度研究 = The journal of Gross National Happiness studies 3, 37-52, 2016 芙蓉書房出版
・山下修平著「GNH理念の歴史的起源と具現化のためのPST(Policy Screening Tool)の効果」GNH国民総幸福度研究 = The journal of Gross National Happiness studies 4, 5-9, 2017 芙蓉書房出版
→本学所蔵なし。
3.CiNii Articlesで検索
キーワード:ブータン GNH
①杉野正美, 田代佑妃著「コミュニティーレベルの幸福度を考える : ブータンの事例から (特集 コミュニティの幸福と公正 : コミュニティ心理学と公共研究)」『公共研究』, 14(1), 177-197, 2018-03 千葉大学公共学会
→「2010・2015年に行われた国民の幸福感に関する結果」の表あり。
引用元に「Centre for Bhutan Studies & GNH Research, A COMPASS TOWARDS A JUST AND HARMONIOUS SOCIETY 2015 GNH Survey Report(http://www.grossnationalhappiness.com/wp-content/uploads/2017/01/Final-GNH-Report-jp21.3.17-ilovepdf-compressed.pdf) p.59. Table7.」とあり。
→http://www.grossnationalhappiness.com を参照[参照:2019-07-26]
→上記レポートを確認。
また、同サイトにCentre for Bhutan & GNH Studies(https://www.bhutanstudies.org.bt/ [参照:2020-04-07])のリンクがあり、
「The Centre for Bhutan Studies has developed a separate website (www.grossnationalhappiness.com) to share its research on Gross National Happiness, in particular the findings of periodic GNH national surveys and the methodology of developing GNH Index.Please take a moment to visit the website.」(ブータン研究センターでは、国民総幸福に関する調査、特に定期的なGNH全国調査の結果とGNHインデックスの開発方法論を共有するために、別のWebサイト(www.grossnationalhappiness.com)を開発しました。)とあり。
→The Centre for Bhutan StudiesがGHNの調査をしているということが確認できた。
②賀戸一郎, 田中一彦 ほか著「ブータンGNH指数の解説ならびにGNH調査結果一覧」西南学院大学人間科学論集 11(2), 117-140, 2016-03 西南学院大学学術研究所
→「2008年に行われたGNH第1回調査の結果」の表あり。
③大橋照枝著「ブータンの世紀の実験「GNH(国民総幸福)による国づくり」の実態と今後 : ラダックと比較して」比較文明研究 (17), 33-57, 2012
p.39「六 GNHに関する国民意識調査 国民のGNHに関する意識調査は、次の三回行われている。第一回調査、二〇〇六年九月〜二〇〇七年一月、一五歳以上三五〇サンプルで五七の質問項目。ブータン二〇県中、九県で行なわれた。この調査は、オックスフォード大学のOPHIの所長、サビーナ・アルカイア博士がブータン総研所長のダショ・カルマ・ウラ氏をサポートして、調査方法を開発し一本の論文にまとめている。
但し、サービーナ・アルカイア博士は、貧困研究の第一人者であり、OPHIは貧困研究のメッカであるため、ブータンを貧困な国だとの位置づけが強調されている。ブータン総研の大部分の研究者たちは、この研究にタッチしていないこともあって、この第一回の調査は、ブータン総研のスタッフ達は国民意識調査にカウントしていない。」とあり。
※②の論文に「2008年に行われたGNH第1回調査の結果」とあるのはそのためだと思われる。
→サビーナ・アルカイア博士の論文を検索
上記論文の注に「2 )Sabina Alkire, Maria Emma Santos, and Karma Ura, 2008, Gross National Happiness and Poverty in Bhutan:Applying the GNH Index Methodology to explore Poverty(http://www.ophi.org.uk/subindex.php?id=publications0)」とあり。(現在このURLからは確認できない。)
→web検索でヒットあり。本文閲覧可。
OPHI Oxford Poverty & Human Development Initiative(オックスフォード大学の国際開発学部内の経済研究および政策センター)(http://www.ophi.org.uk/wp-content/uploads/OPHI-RP-4a.pdf)[参照:2019-11-21]
また、③の論文p.39に「七 第二回GNH調査に見るブータンの近未来 ブータンのGNH調査の第二回調査(これをブータン総研では第一回と位置付けている)は二〇〇七年十二月から二〇〇八年三月十五歳以上九五〇サンプルで、七二の質問項目で行われ(中略)第三回のGNH調査(これをブータン総研では第二回としている)は、(中略)二〇一〇年に行われ、二〇一一年四月二日付で、ブータン総研からPreliminary findings of the 2nd GNH survey 2010 としてSamdrupJongkhar 県の調査速報値が全八三頁のすべて図のみで出されている。また二〇一一年一二月に、ブータン総研からGNH survey findings2010として、GNHの九つの分野についての集計の図が出ている」とあり。
→「Preliminary findings of the 2nd GNH survey 2010」をweb検索
→Centre for Bhutan Studies & GNH(https://www.grossnationalhappiness.com/survey-results/index/)がヒット。上記レポートを確認。[参照:2019-11-21]
④大橋照枝著「ブータンの第2回GNH(Gross National Happiness : 国民総幸福)調査結果にみる「幸福立国」の実態」麗澤経済研究 19(2), 19-61, 2011-09
→「一、はじめに」に「第一回の調査結果はオクスフォード大学OPHI部長のサビーナ・アルカイア博士らの論文としてまとめられ、筆者大橋は、著書・論文等で紹介した。」とあり。
→「注」を参照。著者の文献が紹介されている。
・「大橋照枝、2010『幸福立国ブータン-小さな国際国家の大きな挑戦-』白水社」
→本学所蔵あり。質問者に紹介。
・「大橋照枝、2010 ブータンのGNH(Gross National Happiness:国民総幸福)の算出手法とHSM(Human Satisfaction Measure:人間満足度尺度)のVer.6の開発」麗澤経済研究 18(2), 17-43[含 英語文要旨], 2010-09
→CiNii Articlesにて検索。麗澤大学機関リポジトリにて全文閲覧可。[参照:2019-11-22]
・「大橋照枝、2010、ブータンのGNH(国民総幸福)国家経営に学ぶ -日本の小規模自治体でもとり組める-」マネジメント・ジャーナル (03), 05-20, 2011-03-31
→CiNii Articlesにて検索。神奈川大学機関リポジトリにて全文閲覧可。[参照:2019-11-22]
Ⅱ.「ブータンの最新の情勢などがわかる情報源(英語、又は日本語表記のもの)を知りたい。」について
1.リサーチ・ナビで検索
キーワード:ブータン
「ブータン王国 : 図書館, 大学, 研究機関, 各種機関・団体, 放送局, 新聞・ニュースサイト, 雑誌, サーチエンジン・ポータルサイト」https://rnavi.ndl.go.jp/asia/entry/link-btn09.php[参照:2019-7-29]
→「サーチエンジン・ポータルサイト / Search Engines & Portal Sites 」
から、National Portal of Bhutan(http://www.bhutan.gov.bt/index.php[参照:2019-7-29])にアクセス可。
GOVERNMENT、CITIZEN、BUSINESS、ABOUT BHUTANの項目別に情報が得られる。
2.本学契約データベースPress Reader
『Bhutan Times Sunday』『Business Bhutan』が閲覧可能。
- 事前調査事項
- NDC
-
- アジア (352 9版)
- 国家と個人.宗教.民族 (316 9版)
- 参考資料
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- Centre for Bhutan Studies & GNH, http://www.grossnationalhappiness.com/ (参照:2019-7-26)
- 『日本大百科全書(ニッポニカ)』, Japanknowledge Lib (参照:2019-07-26)
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杉野 正美 , 田代 佑妃 , 杉野 正美 , 田代 佑妃. コミュニティーレベルの幸福度を考える : ブータンの事例から. 2018-03. (特集 コミュニティの幸福と公正 : コミュニティ心理学と公共研究) 公共研究 = Journal on public affairs / 公共研究編集委員会 編 14(1) p. 177-197
http://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I029026564-00 -
賀戸 一郎 , 田中 一彦 , 賀戸 一郎 , 田中 一彦. ブータンGNH指数の解説ならびにGNH調査結果一覧. 2016-03. (山崎喜代子教授 中里操教授 古希記念号) 西南学院大学人間科学論集 11(2) p. 117-140
http://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I027207440-00 -
岡崎 理香 , 岡崎 理香. ブータンのGNHの最新動向 : 2015年GNH調査とGNH国際会議開催. 2016. GNH国民総幸福度研究 = The journal of Gross National Happiness studies / 日本GNH学会 編 3 p. 37-52
http://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I027326258-00 -
リサーチ・ナビ『ブータン王国 : 図書館, 大学, 研究機関, 各種機関・団体, 放送局, 新聞・ニュースサイト, 雑誌, サーチエンジン・ポータルサイト』
https://rnavi.ndl.go.jp/asia/entry/link-btn09.php (参照:2019-7-29) - "Bhutan Times", Press Reader (参照:2019-7-29)
- "Business Bhutan", Press Reader (参照:2019-7-29)
-
平山修一 著 , 平山, 修一, 1966-. 現代ブータンを知るための60章 第2版. 明石書店, 2019. (エリア・スタディーズ ; 47)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I029398167-00 , ISBN 9784750347738 (NCID:BB27520239) -
大橋 照枝 , 大橋 照枝. ブータンの世紀の実験「GNH(国民総幸福)による国づくり」の実態と今後 : ラダックと比較して. 2012. 比較文明研究 / 『比較文明研究』編集委員会 編(17) p. 33-57
https://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I028552947-00 - Centre for Bhutan & GNH Studies, https://www.bhutanstudies.org.bt/ (参照:2019-11-21)
-
大橋 照枝 , 大橋 照枝. ブータンのGNH(Gross National Happiness:国民総幸福)の算出手法とHSM(Human Satisfaction Measure:人間満足度尺度)のVer.6の開発. 2010-09. Reitaku international journal of economic studies 18(2) p. 17~43[含 英語文要旨]
https://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I10878150-00 -
大橋, 照枝 , Ohashi, Terue , 大橋, 照枝 , Ohashi, Terue. 04 ブータンのGNH(国民総幸福)国家経営に学ぶ -日本の小規模自治体でもとり組める-. 神奈川大学国際経営研究所, 2011-03-31. マネジメント・ジャーナル 03 p. 05-20
https://iss.ndl.go.jp/books/R000000025-I006810460-00 -
大橋照枝 著 , 大橋, 照枝, 1941-2012. 幸福立国ブータン : 小さな国際国家の大きな挑戦. 白水社, 2010.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000010926774-00 , ISBN 9784560080870 (NCID:BB02626965) - Sabina Alkire, Maria Emma Santos, Karma Ura. “Gross National Happiness and Poverty in Bhutan:Applying the GNH Index Methodology to explore Poverty”. The Oxford Poverty and Human Development Initiative. http://www.ophi.org.uk/wp-content/uploads/OPHI-RP-4a.pdf. (参照:2019-11-25)
- キーワード
-
- ブータン
- Bhutan
- 国民総幸福量
- GNH
- gross national happiness
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- アジア 歴史
- 質問者区分
- 学生
- 登録番号
- 1000259138