レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2022年08月10日
- 登録日時
- 2023/02/10 14:06
- 更新日時
- 2024/01/18 16:27
- 管理番号
- 横浜市中央2688
- 質問
-
解決
幕末から明治初期にかけて、開港後の横浜で行われていた洋銀の取引について書いてある資料が見たい。
特に、洋銀取引を扱っていた業者や組織について知りたい。
- 回答
-
開港後の横浜で行われていた洋銀取引についてわかる資料は次の通りです。
幕末から明治初期にかけて、洋銀取引に携わる者の変遷はめまぐるしく、
様々な形態の業者や組織があったようです。
1 横浜の洋銀取引機関について記載のある資料
(1) 『幕末維新期の外圧と抵抗 歴史科学叢書』 洞富雄/著 校倉書房 1977.3
p.169~173 「第二篇 第一章第二節 洋銀取引業者」
洋銀が貿易通貨となったため、洋銀と一分銀を引き替える必要がありました。
当初は江戸で引き替えを行っていましたが、文久のはじめごろには横浜にも周旋屋と
よばれるものがあらわれ、のちに両替商、ドル屋となります。
幕府では文久2(1862)年、三井の横浜御用所に洋銀購買所を設けさせたものの、
出入りする商人が少なく、1年ほどで業務を中止してしまったとあります。
p.228~241 「第二篇 第二章第三節 洋銀取引機関の変遷」
洋銀の取引所の変遷について記載があります。
p.274~306 「第二篇 第三章第二節 横浜洋銀取引所の事業的展開」
明治十二年三月に開所した横浜洋銀取引所について記載されています。
(2) 『横浜市史 第3巻 下』 横浜市/編集 横浜市 1963.3
p.324~337「第四編 第二章 第三節 洋銀取引機関の変遷」
明治元年に横浜の両替商が集会所を設置し、そこに「洋銀相場会所」を併置して、
洋銀相場取引を開始したとあります。その後、明治2年に「横浜通商会社」、
明治5年に「金穀相場会所」、明治8年ごろには「横浜洋銀相場所」と、
洋銀取引機能をもつ機関が設立と解散を繰り返していたようです。
(3) 『横浜開港当時之貿易状態並洋銀相場取引之沿革』
東京高等商業学校 1914.10
p.22~23 「幕府ノ洋銀引換」
幕府によって横浜につくられた三井の洋銀購買所について記載があります。
p.24 「江戸ノ両換商」
江戸における両替商について書かれています。
p.25~27 「横浜ニ於ケル両換商(弗屋)ノ濫觴」
横浜の両替商について書かれています。
こちらの資料は、横浜市立図書館デジタルアーカイブ「都市横浜の記憶」からも
ご覧いただけます。
https://archive.lib.city.yokohama.lg.jp/museweb/detail?cls=collect_01&pkey=00001368
また、下記資料に活字版が収録されています。
『経済と貿易』101号 横浜市立大学経済研究所 1970.3
p.93-126「資料 横浜開港当時之貿易状態並洋銀相場取引之沿革」
(4) 『横浜市史稿 産業編』 横浜市役所/編纂 臨川書店 1986.3
p.145~147「幕府の洋銀引換」
文久元年、三井御用所に洋銀購買所を設け、一般庶民に対して引換を開始したものの、
わずか1年で閉業したとあります。
p.147~150「横浜の両替商」
文久二年頃、後に両替商、弗屋と呼ばれる周旋屋が横浜に現れたとあります。
p.151~152「両替商の洋銀取引」
貿易の発達、両替商の増加に伴い、両替尚集會所を設立した経緯が書かれています。
こちらの資料は、横浜市立図書館デジタルアーカイブ「都市横浜の記憶」からも
ご覧いただけます。
https://archive.lib.city.yokohama.lg.jp/museweb/detail?cls=collect_01&pkey=00001364
(5) 『横浜開港小史』 川本三郎/著 警眼社 1909.6
p.160~161 横浜の洋銀取引所について記載があります。
p.162~163 横浜の両替屋について記載があります。
(6) 『開港と生糸貿易 下』 藤本実也/著 名著出版 1987.7
p.261-266「第十一章 第一節 洋銀相場會所」
文久、元治年間の両替商の増加から、明治元年両替商集会所の設立、
その後の経過について書かれています。
2 横浜洋銀相場について記載のある資料
(1) 『幕末の金貨流出と横浜洋銀相場 グローバル経済との遭遇』
髙橋秀悦/著 日本評論社 2018.12
p.153~183「第2章 幕末横浜洋銀相場の経済分析」
当時の洋銀の相場についてまとめられています。
横浜における洋銀相場の変動やその要因についても書かれています。
(2) 『両から円へ 幕末・明治前期貨幣問題研究』
山本有造/著 ミネルヴァ書房 1994.02
p.187~210「第5章 横浜洋銀相場の生成と消滅」
横浜の洋銀相場がどのように生じ、どのように展開していったのかが
まとめられています。
(3) 『幕末開港期経済史研究』 石井孝/著 有隣堂 1987.6
p.69~122 第3章 金貨の流出と萬延度幣制改革
p.123~181 第4章 洋銀通用をめぐる諸問題
幕末における日本の貨幣政策についての資料です。
所々に横浜の状況が記載されています。
(インターネット情報の最終確認日:2023年12月25日)
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 経済史.事情.経済体制 (332 8版)
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000328795