レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2022年07月06日
- 登録日時
- 2022/07/19 12:43
- 更新日時
- 2022/09/22 12:46
- 管理番号
- 関大総図 22N-13J
- 質問
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解決
祈るという行為がいつ頃始まったのか、その起源がわかる資料を探している。
- 回答
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結論から申しますと、「祈るという行為がいつ頃から始まったのか」を記載した資料は
見つかりませんでした。
そのため、以下はご質問に関連すると思われる資料の情報です。
[1]祈りがいつ頃から始まったか分からないと記載した資料
フリードリヒ・ハイラー著 ; 丸山空大, 宮嶋俊一訳 (2018)『祈り』p.53に以下の記述がありました。
「素朴な人々の内発的で自由な懇願の祈りは、あらゆる祈りの原型である。それはかつて
――いつ、どこでなのかはわからないが――先史時代の人々の唇から発せられ」(以下略)
[2]ある時点での遺物から、祈っていたと推測した資料
①ヴィレンドルフのヴィーナス
谷口静浩著 (2021)『諸宗教の歩み : 事実と本質のあいだで』p.4に以下の記述がありました。
「オーストリアで発見された, 乳房や臀部が誇張された女性像(ヴィレンドルフのヴィーナス,
約2万4000年前)からは多産への祈りが窺われる.」
②ギョベックリ・テペ遺跡
『ナショナルジオグラフィック日本版』2011年6月号の紹介記事に以下の記述がありました。
「トルコ南東部に位置するギョベックリ・テペ遺跡の調査が進むと、文明が生まれる前から、
人類は祈りを捧げていた可能性が出てきたのだ。」
「発掘調査に当たるドイツとトルコの共同チームは、この遺跡が1万1600年ほど前に
狩猟採集民によって建設されたと推測している。人類最古の神殿だ。」
ナショナルジオグラフィック日本版 > 2011年6月号 > 人類最古の聖地
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/20110518/270404/ 【最終アクセス2022/08/31】
[3]ネアンデルタール人について触れた資料
岡ノ谷一夫著 ; スソアキコ絵 (2013)『「つながり」の進化生物学 : はじまりは、歌だった』では、
ネアンデルタール人が「死体に花を飾っていたそうです」(p.93)との記述の後、
以下のように考察されていました。
「ネアンデルタール人には、芸術を味わう気持ちや、死を恐れる気持ちがあったのではないかと
いわれているけれど、それらは言葉でつくられた概念ではなかったかもしれない。漠然とした恐怖と
不安、そして祈りからなる気持ちだったと思います。」(p.94)
ただし、谷口静浩著 (2021)『諸宗教の歩み : 事実と本質のあいだで』p.3では、
以下の記述がありました。
「ネアンデルタール人の遺跡であるイラクのシャニダール洞窟からは, 花とともに丁重に埋葬された
遺骨が発見されているが, 仲間(肉親)の死を悼む行為が宗教的観念に結びつくものであるかどうかは
即断できない.」
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
-
- 宗教 (160)
- 参考資料
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- フリードリヒ・ハイラー著 ; 丸山空大, 宮嶋俊一訳. 祈り. 国書刊行会, 2018. (宗教学名著選 ; 第4巻) , ISBN 9784336056917 (当館請求記号 N8*160.8*2*4, 当館資料番号 212023136)
- 谷口静浩著. 諸宗教の歩み : 事実と本質のあいだで. 晃洋書房, 2021. , ISBN 9784771035270 (当館請求記号 K*162*タ, 当館資料番号 104142855)
- 岡ノ谷一夫著 ; スソアキコ絵. 「つながり」の進化生物学 : はじまりは、歌だった. 朝日出版社, 2013. , ISBN 9784255006956 (当館請求記号 K*481.78*オ, 当館資料番号 103263985)
- キーワード
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- 宗教
- 祈とう
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 大学院生
- 登録番号
- 1000318974