レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021年11月22日
- 登録日時
- 2022/09/24 14:17
- 更新日時
- 2023/08/28 09:58
- 管理番号
- 武庫女-C-47
- 質問
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解決
昔話によく出てくる「〇〇太郎」「〇〇姫」「〇〇兵衛」などの名前の由来がわかる資料を見たい。
- 回答
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以下の参考資料を紹介した。
『苗字と名前を知る事典』(奥富敬之著. 東京堂出版, 2007)※当館に所蔵あり
『日本人の名前の歴史』(奥富敬之著. 吉川弘文館. 2018)※当館に所蔵あり
『日本人の姓・苗字・名前 : 人名に刻まれた歴史(歴史文化ライブラリー;353)』(大藤修著. 吉川弘文館, 2012)※当館に所蔵あり
『日本人なら知っておきたい名前の由来、名付けのいわれ』(大野敏明著. 実業之日本社, 2013)※当館に所蔵なし
※上記のうち当館所蔵の資料に、以下のような内容が掲載されていた。
「〇〇姫」は、大和時代に美称(ほめて言うときの読み方、上品な言い方)として使われるようになった。
「〇〇太郎」は、輩行の仮名といって中国の風習が日本に伝えられたもので、太郎・次郎・三郎等、出生順の通称として付けられていたが、後に実名として使われるようになった。
「〇〇兵衛」は、律令制の官職名が由来で、五衛府のなかの兵衛府(宮門の警備・巡検・行幸の際の守護などを行う役所)が変形して、実名として使われていた。
- 回答プロセス
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①当館OPAC検索
「名前 事典」「日本人 名前」などで検索して参考となりそうな図書を紹介。
・『苗字と名前を知る事典』(奥富敬之著. 東京堂出版, 2007)
p.169 「姫」について記載あり。「大和時代になると、男性の「~コ」、女性の「~メ」の上に美称の「ヒ」が付いて、「~ヒコ」・「~ヒメ」になる。」
p.177-「太郎」について記載あり。「太郎・次郎・三郎…というのは、長男・次男・三男という「輩行(生まれた順番)ノ仮名」で、いわば「通称」の一種だった。」
p.184-「兵衛」について記載あり。「五衛府(のち六衛府)のうち兵衛府は、宮中の警備、巡検や行幸の護衛などを担当した二府があった。…橘兵衛(吉兵衛)などと言ったが、「ヒョウエ」という読みが崩れて、「ベイ」「ペイ」「ヘイ」とかわっていき…」
・『日本人の名前の歴史(読みなおす日本史)』(奥富敬之著. 吉川弘文, 2018)
p.181-236「実名について」に、名前の歴史の説明の中で「姫」「太郎」「兵衛」に関する掲載あり。内容は上記資料とほとんど同じだった。
・『日本人の姓・苗字・名前 : 人名に刻まれた歴史(歴史文化ライブラリー;353)』(大藤修著. 吉川弘文館, 2012)
P.64 「姫」について記載あり。「大和時代においては、上層では「姫・媛・比売(ひめ)」や「郎子・郎女(いつらめ)」、…「ひめ」は美称、「いつらめ」は親愛の情をこめた接尾語である。」
P.86-「太郎」について記載あり。「中国では男子は成人すると諱=実名のほかに「字」をつけ、通常の交際で使用した。…一族のうち同一世代に属する人々の長幼順を示す排行を用いていた。「一(太)郎」「次(二)郎」「三郎」といった類で…」
P.88-「兵衛」について記載あり。「武士は、「…右衛門」「…左衛門」「…兵衛」とかいう通称を名乗っているものが多いが、これは、武官として左右衛門府、左右兵衛府に勤務したり、その武官職を買ったりして通称としていたのがはじまりで…」
・『日本人の名前』(近代文芸社編. 近代文芸社, 1998)
→名前の由来は掲載されていなかった。
・『人名の漢字語源辞典』(加納喜光著. 東京堂出版, 2009)
→名前の由来は掲載されていなかった。
・『名前の研究 』(星田晋五著;星田言編. 近代文芸社, 2002)
→ p.239「第十四章 名前の形式」に「太郎」「兵衛」に関する記載あり。
②CiNii Booksで検索
・『日本人なら知っておきたい名前の由来、名付けのいわれ』(じっぴコンパクト新書, 141)(大野敏明著. 実業之日本社, 2013)
→求めてる内容が載っているようだった。当館に所蔵なし。
- 事前調査事項
- NDC
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- 系譜.家史.皇室 (288)
- 参考資料
- キーワード
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- 日本人
- 名前
- 由来
- 太郎
- 姫
- 兵衛
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 学生
- 登録番号
- 1000321702