レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2001/05/01
- 登録日時
- 2004/09/03 02:10
- 更新日時
- 2006/01/16 09:28
- 管理番号
- YCU-0004
- 質問
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解決
マリア・テレジアとマリー・アントワネットの往復書簡の邦訳が出ているか。
- 回答
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書簡集全体の日本語訳は出ていない。
- 回答プロセス
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(1)邦訳本の有無を、質問者の持つ原著(ドイツ語)情報からと、他言語版の可能性も考えキーワードになる人名を用いて、NACSIS-CAT, NDL, BOOKPLUS等で検索するが該当するものはない。
(2)『翻訳図書目録』および "Index Translatinum”で検索するが該当なし。このドイツ語版は他の言語にも翻訳されていないもよう。
(3)部分訳で何かに所収されたり紹介されたものがあるか?
①BOOKPLUSを検索すると、2人を題材にした伝記、研究書、読み物は数多く出るが、内容に書簡を含むかどうか一覧ではわからず。
②当館所蔵本を見る。→シュテファン・ツヴァイク著の邦訳『マリーア・アントワネットI,II』(みすず書房、1962)には、書簡そのものは出てこない。NDC分類234.6(オーストリアの歴史)の中、『ハプスブルク帝国の近代化とヨーゼフ主義』(丹後杏一著、1997)にマリア・テレジアがマリー・アントワネットへ宛てた手紙の一つが紹介されているが、Maria Theresiaに関する英語とドイツ語の研究書から訳出したものらしい。その他何冊かの図書でこの2人の往復書簡について言及している文章あり。
(4)人物情報から、『伝記・評伝全情報、西洋編』『世界伝記大事典』『年刊人物文献目録』『人物文献目録』を見るが、書簡の訳本の記述はなし。『年刊人物文献目録』'86年版で「マリー・アントワネットとマリーア・テレージアの往復書簡」(井上修一)『学燈』83(12)昭61.12の記事があることがわかる。→参考資料を参照。
(5)関連の主題事典、『フランス革命事典』(1995年刊、原著1988年刊)のマリー=アントワネットの項に参考文献として6点の書簡集(いずれもフランス語のもの)が掲載されている。
- 事前調査事項
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質問者の手元に "Maria Theresia : Geheimer Briefwechsel mit Marie Antoinette” hrsg. von Paul Christoph / Wien ; Munchen : Amalthea, c1980 (ドイツ語) がある。かつて(戦前)フランス語で書簡集が刊行されたこともある。
- NDC
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- 系譜.家史.皇室 (288 8版)
- 参考資料
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- 「マリー・アントワネットとマリーア・テレージアの往復書簡」(井上修一)『学燈』83(12)昭61.12の記事。これによると、往復書簡には真贋論争があれど大部分がウイ-ンの国立文書館に保存されており、それを基に1864年以降何度か書簡集が編集刊行されている。そのいずれもが完全版かどうかの疑問を引きずっている。1980年に決定版と銘打ち刊行された、オーストリア史家、パウル・クリストフによる『往復書簡集』が最新のものであるという。これが質問者の手にある本に当たる。
- キーワード
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- マリア・テレジア(テレージア)、マリー(マリ)・アントワネット、Maria Theresia, Marie Antoinette
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- その後2002年9月に、『マリー・アントワネットとマリア・テレジア秘密の往復書簡』/[マリー・アントワネット、マリア・テレジア著];パウル・クリストフ編;藤川芳朗訳(岩波書店、2002.9)が刊行された。
- 調査種別
- 書誌的事項調査
- 内容種別
- 人物
- 質問者区分
- 教員
- 登録番号
- 1000011566