レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2024年01月18日
- 登録日時
- 2024/01/29 16:16
- 更新日時
- 2024/01/30 15:05
- 管理番号
- 2023C007
- 質問
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解決
本や論文に掲載されている図をレポートに引用したいのですが、どうしたらいいですか。
- 回答
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図を引用する際の取り扱いは、著作権法第32条1項に定められています。
【参考】
著作権法 https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=345AC0000000048
(引用)
第三十二条 公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。
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以下の書籍にわかりやすい説明が掲載されています。
服部誠著. その論文は著作権侵害?―基礎知識からQ&A―. 中山書店, 2010年
(図書館所蔵)中央館・一般 021.2 H,44
この本のp.72~76に「引用」について記述があります。
「著作権法上の引用として認められるためには, 32条1項は「公正な慣行に合致」することを「引用の目的上正当な範囲内」であることを要件としている.具体的には,これまでの裁判例などによって,次の要件をすべて満たすことが必要であると言われている.」として、以下の6項目を挙げています。
①公表された著作物であること
②自己の著作物と引用する著作物を明瞭に区分
…本文中には「具体的には,引用部分にかぎ括弧をしたり,別のフォントにしたりする工夫が必要である.」と書かれており、文章による引用の具体例のみ記載されていました。図が引用したものであることが明瞭に分かるように掲載する必要があります。
③自己の著作物が「主」であり,引用される著作物は「従」
④引用する著作物の出所を明示
…著作者名、論題、掲載雑誌名、掲載巻号、ページ数、出版年等の情報を明示する必要があります。 引用した図の掲載箇所のすぐ近くに出所を明示します。
⑤引用する必要性
…引用する必要のないものは引用できないことが記載されています。
⑥原則として原文のまま引用する。
…本文中に「基本的には,引用によって同一性保持権など著作権者の利益が不当に侵害されないように,引用に際しては原文のまま利用すべきである.」とあります。
図の場合は、加工を加えるなどの改変をしないことです。
最後に「以上まとめると,自己の論文や発表において,自分の考えを補完したり補充するために(目的),引用の目的に照らして必要な範囲内(範囲)で,引用した部分とその出所を明示して原文のまま行う(手段)引用は,正当な引用として著作者の許諾なくすることができる,ということができよう.」とあります。
上記①~⑥を参考にしてください。
上記の引用の条件に合致しない場合は「転載」となり、著作者の許諾が必要となります。
(最終アクセス日:全て2024年1月29日)
- 回答プロセス
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過去のレファレンス記録(レファレンス協同データベース未登録)を参照し、回答を作成した。
- 事前調査事項
- NDC
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- 著作.編集 (021)
- 文章.文体.作文 (816)
- 参考資料
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- 服部誠著. その論文は著作権侵害?―基礎知識からQ&A―. 中山書店, 2010年 , ISBN 9784521732091 (https://opserv.lib.kumamoto-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB02020622)
- キーワード
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- 授業
- 講義
- 課題
- 照会先
- 寄与者
- 備考
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【類似事例】
レファレンス協同データベース レファレンス事例
画像・写真を引用できるかどうか知りたい。(近畿大学中央図書館)
https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000185627
- 調査種別
- その他
- 内容種別
- 研究
- 質問者区分
- 学生
- 登録番号
- 1000345589