レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2023年04月01日
- 登録日時
- 2023/10/26 10:46
- 更新日時
- 2023/10/27 15:57
- 管理番号
- 相橋-R5-26
- 質問
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解決
ナポレオンが王ではなく皇帝なのは何故か、わかる資料が見たい。
- 回答
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「ナポレオンは、称号を[王]にするか[皇帝]にするかを考えたすえ、ローマのカエサルにならって、共和国の元首としてのニュアンスをもつ[皇帝]の称号を選んだ。これなら、神聖ローマ帝国(オーストリア)皇帝やロシア皇帝に張りあえるばかりか、専制的なブルボン王朝のイメージにも染まらずに済むと思ったのである。」と①『情念戦争』に記載あり。
②『反ナポレオン考 新版 時代と人間 (朝日選書 615)』には、より詳細な理由とその経緯あり。
利用者は「自分の知りたいことが載っていそう」とのことで②を借りて行かれた。
③『悪の天才タレイラン』と④『タレラン伝 上』には、ナポレオンは「国王という名でブルボン家の後塵を拝するのをいさぎよしとしなかった」と書かれている。
- 回答プロセス
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市内蔵書検索端末にてキーワード“ナポレオン 戴冠”で検索したところ、以下の資料が見つかった。
①『情念戦争』 (自館請求記号:235.06)
p224「第三章 熱狂皇帝、ヨーロッパを席巻す アンギャン公銃殺」の項に、該当の記載あり。回答を参照のこと。
GoogleBooks(http://books.google.co.jp/books?hl=ja 2023/03/31 最終確認)にて、キーワード“皇帝 王”で検索したところ、以下の資料が見つかった。
②『反ナポレオン考 新版 時代と人間 (朝日選書 615)』 (自館請求記号:289.3/ボナパ)
p22-28「第二章 権力の階段 1 君主制」の項に、ナポレオンが世に出るきっかけを作った外務大臣のタレイランは王になるように進言したが、ナポレオン自身が皇帝に執着したことが書かれている。
後日、レファ協サポーターの情報提供により、市内他館の資料を取り寄せた。
③『悪の天才タレイラン』 (市内請求記号:289.3/タレイ)
p222「第2章 離反 第二部 権謀術数」の項に、「国王という名でブルボン家の後塵を拝するのをいさぎよしとしないナポレオンの意を体して」と記載あり。
④『タレラン伝 上』 (市内請求記号:289.3/タレラ)
p660-661「皇帝ナポレオン一世の侍従長」の項に、ナポレオンは国王の称号をもつことはブルボン家の後塵を拝することになる。すべてが彼からはじまることが望ましかったと書かれている。
以下の資料は該当なし。
『愛と欲望のフランス王列伝 (集英社新書 573D)』 八幡和郎/著 集英社 2010
『フランス革命とナポレオン』 専修大学人文科学研究所/編 未来社 1998
- 事前調査事項
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他にナポレオンの家系図を必要とされた。
レファレンス協同データベース(https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000333851 2023/04/01 最終確認)にあり。
雑学の資料は、利用者の質問とは離れていたため、記載しなかった。
- NDC
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- 個人伝記 (289)
- フランス (235)
- 参考資料
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両角良彦 著 , 両角, 良彦, 1919-2017. 反ナポレオン考 : 時代と人間 新版. 朝日新聞社, 1998. (朝日選書 ; 615)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002743433-00 , ISBN 4022597151 -
鹿島茂 著 , 鹿島, 茂, 1949-. 情念戦争. 集英社インターナショナル, 2003.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000004253347-00 , ISBN 4797670800
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両角良彦 著 , 両角, 良彦, 1919-2017. 反ナポレオン考 : 時代と人間 新版. 朝日新聞社, 1998. (朝日選書 ; 615)
- キーワード
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- ナポレオン
- 戴冠
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000340158