レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2023/06/06
- 登録日時
- 2023/07/30 00:30
- 更新日時
- 2023/07/30 00:30
- 管理番号
- 6001061317
- 質問
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解決
句題和歌について、歌集のことではなく、歌学の言葉としての意味を知りたい。
- 回答
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「句題和歌」には歌学用語の意味と、歌集『千里集』をさす場合とがある。
■『日本国語大辞典 第4巻 きかく-けんう 第2版』(小学館国語辞典編集部/編集 小学館 2001.4)
・「句題」(p.879)
「1.題詠の一つ。和歌や漢詩の詠作にあたって、古い詩歌の一句を題に用いたもの。」
「2.俳句の題。」
・「句題和歌」(p.879)
「1.『句題』1.[上記『句題』の項の1.の意味]によってよんだ和歌。」
「2.平安時代の歌集。一巻。大江千里の作。(中略)千里集。」
■『和歌大辞典』(犬養廉/[ほか]編集 明治書院 1986.3)
・「句題和歌」(p.259)には2つの項があり、「歌学用語」であれば「句題」を参照するように、「平安期私家集」であれば「千里集」を参照するようにとある。
歌集ではなく、歌学の言葉としての意味とのことなので、「句題」の項を確認すると次の記載がある。
・「句題」(p.259)の項
「〔歌学用語〕一般には漢詩文や古歌の一句を取って詩歌の題とするものをいう。(中略)古歌の一句を題とするものを『仮名句題』ともいい、特に三代集の和歌の一句(主に七字の句)を取り出して歌題とすることが行われた。そして漢詩文の一句(稀には数句)を題とする歌を単に『句題和歌』と称する場合が多い。その最初のまとまった作品は大江千里の『句題和歌』である。」
■『和歌文学大辞典』(『和歌文学大辞典』編集委員会/編 古典ライブラリー 2014.12)
「句題和歌」は歌学用語の「句題」を参照するようにとある。
「句題」(p.293)の項
「〔歌学用語〕句題和歌とは、狭義には既存の漢詩の一句ないしは複数句を題として詠む漢詩句題和歌を指す。これは、大江千里の句題和歌を先蹝とする。(中略)異なる言語に基づく漢詩・経典を歌題とすることで、和歌の表現・発想に新しさを生み出す効果を生んでいる。(中略)漢詩句題和歌の詠法から派生したとおぼしき、仮名句題もある。」
■『句題和歌選集』(金子彦二郎/校訂 長谷川書房 1955)
「はしがき」に「句題和歌は、要するに題詠和歌の一種である。(中略)その題詠和歌のなかでも、一種特異な持味を有する(後略)」とある。
国立国会図書館デジタルコレクションにて、図書館送信・個人送信で閲覧可能。(2023/6/6現在)
「はしがき」は5-6コマ。5コマめに記載がある。
https://dl.ndl.go.jp/pid/1342636/5
●小澤正夫「句題詩と句題和歌」『國語と國文學』29(11)<343>(至文堂 1952.11)p.9-20
「第二節 句題和歌の成立 一」に次の記載がある。
「句題は題の一種であり、句題和歌は題詠の一種であるが、それと同時に漢詩の一句を翻案したものでもある。」(p.15-16)
[事例作成日:2023年6月6日]
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 詩歌 (911 10版)
- 参考資料
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- 日本国語大辞典 第4巻 第2版 小学館国語辞典編集部∥編集 小学館 2001.4 (879)
- 和歌大辞典 犬養/廉∥[ほか]編集 明治書院 1986.3 (259)
- 和歌文学大辞典 『和歌文学大辞典』編集委員会‖編 古典ライブラリー 2014.12 (293)
- 國語と國文學 東京大学国語国文学会 明治書院 29(7-12)<339-344> 29巻総目次
- https://dl.ndl.go.jp/pid/1342636/1/5 (『句題和歌選集』(金子彦二郎/校訂 長谷川書房 1955)「国立国会図書館デジタルコレクション(国立国会図書館内/図書館・個人送信限定)」(2023/6/6現在))
- キーワード
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- 句題和歌(クダイワカ)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 業務
- 登録番号
- 1000336568