レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021年06月08日
- 登録日時
- 2023/03/14 18:17
- 更新日時
- 2023/07/07 14:28
- 管理番号
- 埼久-2022-093
- 質問
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解決
弘法大師の事蹟について知りたい。
また、幸手近辺の寺社仏閣に来たという伝説について、関連するものを探している。
- 回答
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幸手での伝説及び弘法大師の地方巡歴について記述のある以下の資料を紹介した。
なお、幸手近辺の寺社仏閣に来たという記述は確認できなかった。
1 幸手での伝説について
『弘法大師伝説集 第2巻』(斎藤昭俊編著 国書刊行会 1975)
p81「宝聖寺の不動 北葛飾郡幸手町平須賀の真言宗豊山派宝聖寺の寺宝に不動明王があるが、弘法大師作と伝えている。」とあり。
『埼玉宗教名鑑』(産報通信社出版局編 埼玉新聞社 1978)
p674-675「正福寺(真言宗智山派)」に「(前略)享保9年(1724年)法橋泰寿の鑑定によると、弘法大師作の不動明王像、定朝作の阿弥陀三尊を所蔵していたとある。」とあり。
p680「宝聖寺(真言宗豊山派)」に寺宝についての記述あり。
p682-683「蓮華院(真言宗豊山派)」に「本尊不動明王像は弘法大師の作と伝えられている。」とあり。
『埼玉のお寺 埼玉県寺院全集』(埼玉県佛教会監修 千秋社 2001)
p459「地蔵院」に弘法大師作の子育て地蔵尊についての記述あり。
p460「寶積院」の「文化財・寺宝」に「弘法大師像」あり。
『新編武蔵風土記稿 [第3期]第2巻』(雄山閣 1977)
p203-204「平須賀村」の寺社「寶聖寺」に「寺寶 松虫鈴一 当寺住僧宥位が記せる大永五年の縁起に、弘法大師の遺物にて(後略)」とあり。(注)平須賀村は現在の幸手市。
p211「内國府間村」の寺社「正福寺」に「本尊不動は弘法大師の作」とあり。
『埼玉の神社 大里 北葛飾 比企』(埼玉県神社庁 1992)
p594「香取神社」に弘法大師に関する記述あり。「地蔵院は当社の別当を務めた寺で(中略)当地に名刹光明院の学寮東の坊・西の坊が並んであり、このうちの西の坊へ文治三年(一一八七)に紀州高野山から弘法大師作と伝える子育地蔵尊を勧請し、地蔵院と称したのが始まりであるという」とあり。
2 地方巡歴について
『弘法大師伝説集 第1巻』(斎藤昭俊編著 国書刊行会 1976)
p7「(前略)弘法大師が死後も生き続け、諸国を遍歴しているという信仰は四国八十八箇所巡礼の体験として語られ、また、乞食坊主が物乞の便法に大師の名を乱用したり、また、高野聖が諸国を託鉢して、弘法大師の大いなる業績と偉徳とが語られたことによるのである。」とあり。
『空海の軌跡』(佐和隆研著 法蔵館 1980)
p205「弘仁十一年(八二〇)七月二十六日に空海は知人の多くいる東国の教化に出かけた。」との記述あり。
『弘法大師紀行』(真鍋俊照著 平凡社 1974)
p160「弘仁五年(八一四)「文並書」として大師自ら書いたが、大師は実際には日光へ行っていないという。」とあり。
- 回答プロセス
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1 自館目録を〈空海〉〈弘法大師〉〈個人件名:空海〉で検索する。
2 参考図書を確認する。
『空海辞典』(金岡秀友編 東京堂出版 1979)
p17「今日まで語りつがれた、いわゆる大師伝説は、よく整理せられて刊行されている(『弘法大師伝説集』、斎藤昭俊編著、第一巻昭和四九年、第二巻昭和五〇年、第三巻昭和五一年、国書刊行会刊)が、その大半が全国各地の山野を跋渉し、或いは僻地を巡錫している折の奇瑞であることは、今更ながら、「弘法大師伝説」あるいは「弘法大師信仰」が、単なる学者としての空海に対するものではなく、さらに、宮廷親眤の高僧に対するものではなかったことを痛感させるものである。」とあり。
p241-247「空海年表」、p252-p254「空海関係地図」に関東関連の記述なし。
(1)『弘法大師伝説集』を確認する。
3 埼玉県の寺社仏閣に関する資料にあたる。
『新編武蔵風土記稿 [第4期]索引篇』(雄山閣 1996)
p60に第2巻(幸手領)の中の弘法大師(空海)の掲載ページの表示あり。
『埼玉県伝説集成 分類と解説 上巻 自然編』(韮塚一三郎編著 北辰図書出版 1973)
p336「弘法大師掘抜の滝 朝霞市岡」の掲載あり。
4 《国立国会図書館レファレンス協同データベース》(http://crd.ndl.go.jp/reference/ 国立国会図書館)を〈空海 & 関東〉で検索する。
「弘法大師空海が山形県に行ったことがわかる資料が欲しい」(香川県立図書館 https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000012966)
(1)参考資料『空海の軌跡』、『空海の足跡』を確認する。
5 《埼玉関係データベース》(https://www.lib.pref.saitama.jp/local/opac/search-detail.do?lang=ja 埼玉県立図書館)を〈弘法大師 & 幸手〉〈弘法大師 & 埼玉〉〈空海〉で検索する。
韮塚一三郎著「〈埼玉の伝説散歩〉弘法大師のお話」(『大樹』p16-21 1985年10月)
行田・与野・東松山など10市町村の伝説あり。
〈その他調査済み資料〉
『弘法大師空海の研究』(武内孝善著 吉川弘文館 2020)
『空海伝の研究 後半生の軌跡と思想』(武内孝善著 吉川弘文館 2015)
『空海の残した道 現代歩き遍路がそこに見たもの』(松坂義晃著 新風舎 1997)
『弘法大師 伝承と史実』(武内孝善著 朱鷺書房 2008)
『空海霊場新四国八十八尊』(石井辰夫[ほか]編 定福院 2007)
『幸手市史 通史編 1 自然.原始・古代.中世.近世』(生涯学習課市史編さん室編 幸手市教育委員会 2002)
『幸手市史 古代・中世資料編』(幸手市教育委員会生涯学習課市史編さん室編 幸手市教育委員会 1995)
『幸手市史 民俗編』(生涯学習課市史編さん室編 幸手市教育委員会 1997)
『空海の足跡』(五来重著 川書店 1994)
ウェブサイト・データベースの最終アクセス日は2021年6月8日。
- 事前調査事項
- NDC
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- 各宗 (188 9版)
- 貴重書.郷土資料.その他の特別コレクション (090 9版)
- 参考資料
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- 『弘法大師伝説集 第1巻』(斎藤昭俊編著 国書刊行会 1976)
- 『弘法大師伝説集 第2巻』(斎藤昭俊編著 国書刊行会 1975)
- 『埼玉宗教名鑑』(産報通信社出版局編 埼玉新聞社 1978)
- 『埼玉のお寺 埼玉県寺院全集』(埼玉県佛教会監修 千秋社 2001) , ISBN 4-88477-273-3
- 『新編武蔵風土記稿 [第3期]第2巻』(雄山閣 1977)
- 『埼玉の神社 大里 北葛飾 比企』(埼玉県神社庁 1992)
- 『空海の軌跡』(佐和隆研著 法蔵館 1980)
- 『弘法大師紀行』(真鍋俊照著 平凡社 1974)
- キーワード
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- 空海(クウカイ)
- 宗教-日本-仏教-真言宗
- 幸手市-遺跡・遺物
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土 宗教
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000330318