レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2022/5/31
- 登録日時
- 2022/05/31 10:14
- 更新日時
- 2022/08/30 17:06
- 管理番号
- 3617
- 質問
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解決
1992年頃に作られた伊丹の映画、「フィリップ君」と「きみのいた夏」について知りたい。
- 回答
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伊丹市の市製作映画で作られた「フィリップ君。」(1992年)と「真夏のビタミン」(1993年)となります。
「フィリップ君。」(1992年)
平成4年度市製作16ミリ映画
監督:岩崎友彦
カラー、40分
ストーリー:
フィリップという名のロボットが主人公の物語で、記憶が消去できないがためにいつまでも人を慕い続けるロボットと、好きだった人のことも時がくれば忘れる人間を対比して描く。
平成4年(1992)8月6日撮影開始、同年完成。
「真夏のビタミン」(1993年)
平成5年度市製作16ミリ映画
カラー、40分
監督:三原光尋
ストーリー:
高校2年生の女子水泳部員が失恋からけがをしてしまい、県大会出場をかけた校内予選会でライバルに敗れる。後になってけがのことを知ったライバルから挑戦を受け1対1のレースが始まった…。
平成5年(1993)8月上旬撮影開始、同年完成。
(伊丹)市製作映画:
市が50周年を記念し、自ら劇映画を製作しようと関西の自主映画製作者たちに呼びかけ。アマチュア監督に依頼して伊丹を舞台にした16ミリ映画を三本製作したところ、「ひとけたの夏」など二本が夕張国際冒険ファンタスティック映画祭で招待上映。市のイメージアップと有能な新人映画監督の発掘を目的として、市と伊丹映画祭実行委員会が平成2年から始め、平成5年まで行われていた。
- 回答プロセス
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年代もタイトルも不確定とのことなので、インターネットで”フィリップ君”、”映画”をキーワードに検索。
映画紹介サイトに複数、同内容でヒット。
どのサイトにも”伊丹映画実行委員会”というキーワードがあったため利用者に確認。
”きみのいた夏”、”映画”のキーワードでヒットする映画は、伊丹と関係がなさそうなため、「フィリップ君」で調査を進める。
利用者が探しているのは、伊丹に関係がある映画とのことなので、『広報いたみ』を確認する。
インターネットでは「フィリップ君。」は1993年製作となっていたので、1993年(平成5年)の資料を確認。
『広報いたみ 平成5年4月1日号』に「映画監督してみませんか」の記事があり、「市製作映画は、「劇場都市」を標ぼうする本市が、ビデオ主流時代にあえてフィルムにこだわるアマチュア映像作家に腕を試すチャンスを与えるとともに、映画の舞台にすることで本市を㏚するのがねらい。市制施行五十周年の平成二年に「ひとけたの夏」など三本、平成三年に「下駄とジャズ」、昨年「フィリップ君。」を製作しており、今度が六本目になります。」と書かれてあったため、1992年(平成4年)の資料を確認。
『広報いたみ 平成4年8月15日号』にて、8月6日がクランクインであったこと、同年11月15日号にて「映画「フィリップ君。」完成」とあり、1992年に製作されたことがわかる。監督名やストーリーなど、概要も掲載されていた。
『広報いたみ 平成5年4月1日号』には「きみのいた夏」というタイトルの映画は見つけられなかったため引き続き調査。
年代を絞って確認したかったため、企画開始時に趣旨や、期間などが掲載されていると思い、企画の最初まで遡る。
先ほどの資料で企画の開始年が特定されたので、資料を確認。
『広報いたみ 平成2年6月15日号』に「市制50周年記念映画クランクイン」の記事があり(「作品は、映画製作の人材養成を考えて、市が開いている自主製作フィルムコンテスト「グリーンリボン賞」の出品者らに脚本を依頼、十七本の応募作品から選んだもの」とあり、最初の映画は広報での公募ではなく、依頼であったことがわかる。)、この記事が市製作映画についての最初と考えられるが、この企画がどれくらいの期間行われる予定かは書かれていなかったため、1年毎に記事を追うこととする。
『広報いたみ 平成7年11月1日号』に、「市が平成2年から5年にかけて製作した16ミリ劇映画6本を一挙上映します。」と書かれており、市製作映画は平成5年の「真夏のビタミン」が最後ということがわかる。
6本全てのタイトルの掲載があったが、「きみといた夏」のタイトルはなかったため利用者に確認。
近いタイトルの「ひとけたの夏」と「真夏のビタミン」の内容をそれぞれ確認し、「真夏のビタミン」であることがわかった。
以下、市製作映画関連の記載がある『広報いたみ』を年代順に、記事内容と共に並べる。
『広報いたみ 平成2年6月15日号』
「市制50周年記念映画クランクイン」記事
市が市制五十周年を記念して製作する劇映画三本について。
『広報いたみ 平成2年9月15日号』
「華やかに第4回伊丹映画祭&HYOGO映像祭」記事
五十周年を記念して製作された3本のタイトル、ストーリーなど概要が掲載。
『広報いたみ 平成3年3月1日号』
「市制50周年記念劇映画 2.3日に上映会」記事
「アマチュア監督、スタッフ募集」記事
『広報いたみ 平成3年7月15日号』
「今年度の市製作映画」記事
「下駄とジャズ」監督:住野真子氏と、映画のストーリーについて。
『広報いたみ 平成3年9月1日号』
「撮影順調!市製作映画「下駄とジャズ」」記事
キャストについて。
『広報いたみ 平成3年11月1日号』
「第5回伊丹映画祭」記事
市製作映画「下駄とジャズ」公開。
『広報いたみ 平成3年11月15日号』
「ゴジラも監督も来る第5回伊丹映画祭」記事
「下駄とジャズ」アイホールで公開、ストーリーや監督の言葉など。
『広報いたみ 平成4年3月1日号、3月15日号』
「伊丹映画祭プレイベント「下駄とジャズ」&グリーンリボン賞」記事
『広報いたみ 平成4年5月15日号』
「16ミリ映画つくりませんか」記事
シナリオと製作グループの募集。
『広報いたみ 平成4年7月15日号』
「第6回伊丹映画祭企画自主製作映画「フィリップ君」に決まる」
「フィリップ君」監督:岩崎友彦氏と映画のストーリーについて。
キャスト、エキストラの募集。
『広報いたみ 平成4年8月15日号』
「市製作映画「フィリップ君。」クランクイン」記事
『広報いたみ 平成4年11月1日号』
「ことしも多彩に伊丹映画祭」記事
「フィリップ君。」の上映について
『広報いたみ 平成4年11月15日号』
「映画「フィリップ君。」完成」記事
11月15日から始まる伊丹映画祭で披露。
『広報いたみ 平成5年4月1日号』
「映画監督してみませんか」記事
アマチュア映像作家募集、予算について。
『広報いたみ 平成5年7月15日号』
「5年度市製作映画は「夏のビタミン」」記事
「夏のビタミン」(仮題)監督:三原光尋氏と映画のストーリーについて。
『広報いたみ 平成5年11月1日、15日号』
「今年も魅力いっぱい第7回伊丹映画祭」記事
「真夏のビタミン」のストーリーなど。
『広報いたみ 平成6年10月15日号』
「市製作映画「真夏のビタミン」劇場公開が好評」記事
『広報いたみ 平成7年11月1日号』に、「市が平成2年から5年にかけて製作した16ミリ劇映画6本を一挙上映します。」と書かれており、市製作映画は平成5年の「真夏のビタミン」が最後ということがわかる。
『伊丹関係新聞記事スクラップ帳(神戸新聞) 平成2年7月31日~平成2年11月26日』
10月5日「自主映画3本が完成」記事
企画の趣旨など。
『伊丹関係新聞記事スクラップ帳(読売新聞) 平成3年2月21日~平成3年4月18日』
3月1日「8ミリ映画コンテスト”究極の落選作”集めて上映会」記事
3本の市製作映画について。
『伊丹関係新聞記事スクラップ帳(神戸新聞) 平成3年9月23日~平成3年12月2日』
11月8日「22日から「伊丹映画祭」名作から特撮まで延べ300本を上映」記事
自主映画「自主映画下駄とジャス」発表。
『伊丹関係新聞記事スクラップ帳(毎日新聞) 平成5年11月12日~平成6年4月10日』
11月18日「20日から伊丹映画祭 国内外の名画22本上映」
※『伊丹関係新聞記事スクラップ帳』はすべて伊丹市広報課/編 I/071/I(禁帯出)
-市が平成2年から5年にかけて製作した16ミリ映画-
「ラブレター」内尻幸嗣(平成二年)
「ぷるぷるパニック~妖精大混乱」今井聡(平成二年)
「ひとけたの夏」岡秀樹(平成二年)
「下駄とジャズ」住野真子(平成三年)
「フィリップ君。」岩崎友彦(平成四年)
「真夏のビタミン」三原光尋(平成五年)
『広報いたみ 平成7年11月1日号』より
※『広報いたみ』はすべて伊丹市 GI/318.6/K(禁帯出)
- 事前調査事項
- NDC
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- 地方自治.地方行政 (318 10版)
- 日本 (071 10版)
- 参考資料
- キーワード
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- 伊丹映画実行委員会
- 伊丹映画祭
- 市製作映画
- 市制50周年
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000316697