レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2007/01/30
- 登録日時
- 2007/05/28 02:10
- 更新日時
- 2020/09/09 16:02
- 管理番号
- 埼久-2006-070
- 質問
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解決
雑誌「扇光」と「日文朝鮮」の発行所について知りたい。
- 回答
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「扇光」は扇光会付属事業部、「日文朝鮮」は朝鮮総督府ではないか。
備考欄に追記あり。
- 回答プロセス
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1~3の調査済み事項を踏まえて、当館でも再確認する。
1 「正親町公通卿」三田村鳶魚
『三田村鳶魚全集 別巻』の著作目録(昭和14年 p547)に該当タイトルあり。掲載誌は「日本及日本人 368」
2 「基督化せる平田篤胤」三田村鳶魚
『三田村鳶魚全集 別巻』の著作目録(昭和13年 p546)に該当タイトルあり。掲載誌は「日本及日本人 360」
3 「三河の人物とその特有性」森銑三
『森銑三著作集 別巻』の著作目録(昭和14年 p416)に該当タイトルあり。掲載誌は「日本及日本人 378」
4 「朝鮮役の結果を顧みて」稲葉岩吉
《Google》で〈朝鮮 & 稲葉岩吉〉をキーワードに検索した結果、「稲葉岩吉(君山)著作関係目録」という記述があり、そのページを確認したところ、九州大学韓国研究センター松原研究室の目録検索のページだった(Http://matsu.rcks.kyushu-u.ac.jp/ 07/01/30最終確認)。
そこで、〈朝鮮役〉をキーワードに検索をしたところ、「朝鮮役の結果を顧みて」のタイトルも見つかった。詳細を見たところ下記の情報があり。
論文名=「朝鮮役の結果を顧みて」 書名・雑誌名=『朝鮮』
編著者名=稲葉岩吉 巻号数=172 発行年=昭和4年(1929)9月
上記の情報を確認するために、《NDL-OPAC》で雑誌の『朝鮮』を検索したところ、いくつか同タイトルの資料があったが、巻号・発行年から、下記の資料ではないかと推測できた。
タイトル=『朝鮮』 出版地=京城 出版者=朝鮮総督府
改題情報=「朝鮮彙報」の改題 所蔵事項=66-354号(大9.7-昭19.2)
タイトルと号数、発行年月の一致を確認するために、いくつかのデータベースにあたってみたところ、北海道大学図書館の蔵書検索結果で以下の内容を確認した。
タイトル=『朝鮮/朝鮮総督府』 出版者=京城:朝鮮総督府
変遷注記=継続前誌「朝鮮彙報」 製本巻号=170-172、174-175
製本年次=1929
上記のことから、「朝鮮役の結果を顧みて」を収載した雑誌は、タイトルが「朝鮮」で出版社が朝鮮総督府ではないかと思われる。
この雑誌であるならば、国立国会図書館をはじめ《NACSIS Webcat》でも所蔵館が存在するので、いずれかの機関で確認が可能と思われる。
なお、東京大学東洋文化研究所附属東洋学研究情報センターが提供する『日本所在近代朝鮮関係書籍データベース」(Http://matsu.rcks.kyushu-u.ac.jp/eandb/ 2007/01/30最終確認)の検索で論文名がヒットする。
その情報には「日文朝鮮九月号 第12号抜刷」と記述されているが、「朝鮮」との関係はよくわからない(「抜粋」固有のタイトル、号数か)。
5 「世尊寺法帖と高崎文人」本多夏彦
『本多夏彦著作集 1 上毛の文人』(本多夏彦著作刊行会 1973)p225-235に「世尊寺宝帖と高崎文人」所収。文末に、「扇光」6・7号(昭和9)掲載とあり。
群馬県立文書館のサイト(http://www.ioc.u-tokyo.ac.jp/~koreandb//01/30最終確認)で「古文書・県史資料目録検索」をしたところ、「扇光 創刊号*版 昭和8年2月11日 発行所:扇光会付属事業部」がヒット。年代的にこの雑誌の可能性あり。OPACではこれ1冊のみだが、検索画面の但し書きに「検索できるのは資料の一部です。」とあるので、群馬県立文書館への問い合わせによって確認できる可能性あり。
6 「川野辺寛と私 上・下」本多夏彦
『本多夏彦著作集 1 上毛の文人』(本多夏彦著作刊行会 1973)p98-107「川野辺寛と私」所収。「扇光」2・3号(昭和8)掲載とあり。その他は5と同様。
7 「吉田周斎の烏水遺稿」松井簡治
『近代文学研究叢書 57』(昭和女子大学近代文化研究所 1985)p31-34に著作年表あり。該当タイトルなし。有力情報見あたらず。5、6と同じく「扇光」に載ったものであるとすれば、群馬県立文書館へ直接問い合わせてもらうのも方法と考えられる。
以上を連絡する。
- 事前調査事項
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もともと数人の著者の論文から調査しており、「三田村鳶魚全集 別巻」と「森銑三著作集 別巻」の著作目録を調べたところ、1と3の論文が見つかり、「日本及日本人」(政教社)に掲載されたことまでは分かった。
「人物及史伝」という雑誌に1と3の論文が載ったという利用者からの情報は「日本及日本人」のことだった。
1 「正親町公通卿」三田村鳶魚
2 「基督化せる平田篤胤」三田村鳶魚
3 「三河の人物とその特有性」森銑三
「日文朝鮮」9月号(昭和11年頃)という雑誌に次の論文が載った。
4 「朝鮮役の結果を顧みて」稲葉岩吉
「扇光」という雑誌に次の論文が載った。
5 「世尊寺法帖と高崎文人」本多夏彦
6 「川野辺寛と私 上・下」本多夏彦
7 「吉田周斎の烏水遺稿」松井簡治
- NDC
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- 逐次刊行物 (050 9版)
- 参考資料
- キーワード
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- 雑誌
- 逐次刊行物
- 出版者
- 照会先
- 寄与者
- 備考
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追記(2020年9月9日)
高崎市立中央図書館から下記の情報提供があった。
『扇光』の発行所は、「扇光会附属事業部」である。
また、「吉田周斎の烏水遺稿」(松井簡治著)は、『扇光 第8号』(扇光会附属事業部 1934)に掲載されている。
- 調査種別
- 書誌的事項調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 図書館
- 登録番号
- 1000035180