レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2016年04月26日
- 登録日時
- 2017/03/16 14:46
- 更新日時
- 2017/06/02 13:50
- 管理番号
- 埼熊-2016-124
- 質問
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解決
元禄12年にあった奈良の東大寺の大仏殿の増営に関して集金(募金・徴収)するために(大名達に対し)何らかの通達(御触書等)を出したと思うが、その通達が見たい。
- 回答
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「寛保以降の「御免勧化」には寺社奉行連印による勧化状が下付される」、「元禄期」には「勧化状は発給されていない」との記述が確認できた。
なお、元禄の大仏殿再興の中心となった僧公慶の関連資料は、以下の資料に全文翻刻されている。
雑誌
平岡定海著「史料・大仏殿再興発願以釆諸興隆略記〔元文2年 全文翻刻〕 (江戸時代における東大寺大仏殿の再興について--勧修寺蔵「大仏殿再建発願以来諸興隆略記」を中心として)」(「南都仏教 24」p71-117 南都仏教研究会 1970.4)
《国会図書館デジタルコレクション》(http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/4417309 国会図書館)国立国会図書館/図書館送信限定
- 回答プロセス
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1 自館目録を〈杣田善雄〉で検索する
『幕藩権力と寺院・門跡 思文閣史学叢書』(杣田善雄著 思文閣出版 2003)
p70-120「第二章 元禄の東大寺大仏殿再興と綱吉政権」
典拠史料は「玉井家文書「大仏殿再建記」」(奈良県立図書館)および、「諸興隆略記」(東大寺図書館)
『東大寺史へのいざない』(堀池春峰著 昭和堂 2004)
p27-28 「大仏殿再興には、公慶の出願によって、元禄十年九月に十万両勧進の許可をあたえ、五ヵ年にわたって諸大名・諸臣の石高百石につき金一分の拠出を命じて積極的に助力されることになった。」
『御触書寛保集成』(岩波書店 1976)
p607-627 「寺社之部」元禄年間に該当資料は見あたらず。
「勧化」に関する資料は次のとおり。
p614-616 「1191 享保七寅年四月」
「熊野三山権現社大破ニ付」
(一)万石以上え渡 (ニ)万石以下え渡り候添書 (三)大目付 御目付え(四)寺社奉行え (五)御勘定奉行え
p623-627 「1216 寛保二戌年五月-1224 寛保三亥年九月」
「○○社、修復為助力 勧化 御免 寺社奉行連印之勧化状持参 ○年より○年迄 御料私領寺社領在町可致巡行間 志之輩ハ物の多少ニよらす 可致寄進旨 御料は御代官 私領ハ領主 地頭より可申渡候」の文言を含む記述あり。
2 《国会図書館サーチ》(http://iss.ndl.go.jp/ 国会図書館)を〈大仏殿再建記〉で検索する。
島津良子、坂東俊彦著「玉井家蔵「大仏殿再建記」解説および史料翻刻(第一、2、5回)」 (『南都仏教 2005、2006、2009 86、88,93』(南都仏教研究会 2005、2006、2009)
《国会図書館サーチ》を〈諸興隆略記〉で検索する。
平岡定海著「史料・大仏殿再興発願以釆諸興隆略記〔元文2年 全文翻刻〕 (江戸時代における東大寺大仏殿の再興について--勧修寺蔵「大仏殿再建発願以来諸興隆略記」を中心として)」(「南都仏教 24」p71-117 南都仏教研究会 1970.4)
関連記述あり。
p80-117「〔史料〕 大仏殿再興発願以来諸興隆略記」
3 《CiNii Articles》(http://ci.nii.ac.jp/ 国立情報学研究所)を〈大仏殿再建記〉で検索する
島津良子、坂東俊彦著「玉井家蔵「大仏殿再建記」解説および史料翻刻(第3、4回)」 (『南都仏教 89,92号』南都仏教研究会 2007、2008)
ウェブサイトの最終アクセス日は2016年4月26日。
- 事前調査事項
- NDC
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- 寺院.僧職 (185 9版)
- 各宗 (188 9版)
- 参考資料
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- 『幕藩権力と寺院・門跡 思文閣史学叢書』(杣田善雄著 思文閣出版 2003) , ISBN 4-7842-1166-7
- 『東大寺史へのいざない』(堀池春峰著 昭和堂 2004) , ISBN 4-8122-0342-2
- 『御触書寛保集成』(岩波書店 1976) , ISBN 4-00-008611-1
- キーワード
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- 東大寺
- 歴史-日本-江戸時代
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介 事実調査
- 内容種別
- 歴史
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000212049