レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2022年09月01日
- 登録日時
- 2022/12/21 11:20
- 更新日時
- 2022/12/21 11:34
- 管理番号
- 市川20220901-04
- 質問
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解決
冷泉天皇について記した本やwebサイトでは、かなりの奇行(足が傷ついても一日中蹴鞠をしていた等)があったように記され、大江匡房の日記『江記』にそう書かれている、とある。
『江記』の何年何月にそのような記載があるのか知りたい。『史料大成 第22巻』は確認したが、奇行の記載はなかった。
- 回答
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『国史大辞典 5』(吉川弘文館 1985)p.301によると「江記」は、「日日記(ひにっき)の形で伝わっている書物はなく、
他人の日記や部類記に引用された記事のほかは、(中略)、別記が遺されているだけ」で、活字資料として残されているのは、別記にあたる『史料大成 増補 第22巻』(臨川書店 1975)、『続々群書類従5』(国書刊行会/編 続群書類従完成会 1978)のみ。どちらも「天仁元年十一月」のみの掲載で、冷泉天皇についての記述は確認できず。
『歴史物語講座 第7巻』(風間書房 1998)のp.221-237に「歴史物語と記録」として「江記」について記載されており、
そこには、「四十四年間以上の長きにわたって筆録されていたにもかかわらず、現在では十文字たらずのような短文なものをも含めてもわずか二百条余しか認められておらず」「まとまっての条文は残っておらず、現在は諸書からの逸文を集成した『江記逸文集成』でその姿をかいまみるという状況」とある。
そこで、『江記逸文集成』(木本好信/編 国書刊行会 1985)千葉県立西部図書館所蔵を確認したところ、人名索引から「冷泉院」についての記載は、「寛治元年4月22日」、「寛治7年10月12日」の2日が該当した。漢文であるため読み下した範囲での確認だが、「寛治7年10月12日」に冷泉天皇のいくつかの奇行を記載したと思われる箇所がある。
なお、前述の『歴史物語講座 第7巻』のp.231-232にも、「寛治7年10月12日」の全文が掲載されている。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 小説.物語 (913)
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介 事実調査
- 内容種別
- 人物
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000326110