レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2015年04月08日
- 登録日時
- 2015/12/25 16:13
- 更新日時
- 2015/12/25 16:13
- 管理番号
- 千県西-2015-14
- 質問
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解決
菅官房長官が米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の辺野古移設問題について「粛々と進める」と発言したが、「粛々」に「何が起こっても、予定どおり着実に行う」という意味が載っている辞書が見たい。
- 回答
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『三省堂国語辞典 第7版』(三省堂書店 2014)p676に以下の記載がある。
【粛々】(1)おごそかで、ものしずかなようす。「―として進む人馬の列」
(2)何が起こっても、予定どおり着実に行うようす。「―と業務をこなす」
- 回答プロセス
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所蔵する国語辞典、用字事典の類を見るが、「おごそかで、ものしずかなようす。」以外の意味は記載が見当たらない。
手がかりを得るために、「粛々」「官房長官」をキーワードにインターネットを検索したところ、『三省堂国語辞典 第7版』の「粛々」の項に「何が起こっても、予定通り着実に行う」という意味が記載されている、とするサイトがあった。
(「情報プレゼンター とくダネ gooテレビ番組 2015年4月7日放送回」
http://tvtopic.goo.ne.jp/kansai/program/ktv/25482/361451/)
当館所蔵の『三省堂国語辞典』は第6版(2008)で、上記の意味の記載はなかったため、第7版を所蔵する千葉県立東部図書館に照会し、回答を得た。
後の調査で、『政治家はなぜ「粛々」を好むのか 漢字の擬態語あれこれ』(円満字二郎著 新潮社 2011)を確認。裏表紙解説によれば、「政治家や役人がよく使う「粛々」ということばは、元をたどると、古代中国で鳥が羽ばたくようすを表す擬態語だった」という。同書第4章第3節 「政治家が粛々を好むわけ」に以下の記載があるが、辞書に掲載されているかどうかについての記述は見当たらなかった。
「粛々」は、「最近二〇年ほどの間に使用頻度が急上昇してきたことばで(中略)「粛」には「おごそかに」という意味があるので「粛々」もその強調表現のように思われがちだが、実際には「慌てずさわがず」という意味で使われることが多い」(p195)
確認したが記載の見当たらなかった資料
『日本国語大辞典 第2版』(小学館 2001)、『岩波国語辞典 第7版』(岩波書店 2011)、『新辞林』(三省堂 1999)、『新明解国語辞典 第7版』(三省堂 2012)、『広辞苑 第6版』(岩波書店 2008)、『講談社国語辞典 第3版』(講談社 2004)、『大辞林 第3版』(三省堂 2006)、『角川類語新辞典』(角川書店 1981)、『類語活用辞典』(東京堂出版 1989)、『岩波現代用字辞典 第4版』(岩波書店 1999)、『読売新聞用字用語の手引 第4版』(中央公論新社 2014)、『日本語大シソーラス 類語検索大辞典』(大修館書店 2003)
(インターネットの最終アクセス:2015年12月22日)
- 事前調査事項
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テレビで記載のある辞書を見せていた。
- NDC
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- 辞典 (813 9版)
- 参考資料
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- 『三省堂国語辞典 第7版』(三省堂書店 2014)』|2102616724;
- キーワード
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- 粛々
- 官庁用語
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000186255