レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2020年10月07日
- 登録日時
- 2022/01/23 16:47
- 更新日時
- 2022/01/23 16:47
- 管理番号
- 9000032887
- 質問
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解決
友禅染の技法で「一珍(いっちん)染め」とはどのようなものか、どのように染めるのかについて知りたい。
- 回答
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一珍染めは、小麦粉を主原料とした防染糊「一珍糊(いっちんのり)」を用い、筒描き技法により糸目糊や伏せ糊置きで防染した後、色挿しをする模様染め。色挿し後に生地を斜めに引っ張り(菱を入れる)、糊を掻き落とす。
「月刊染織α」通巻222号 1999年9月号(染織と生活社)に「一珍糊で挑む独創的な世界の魅力 彩(いろ)一珍染め作家 中野幸一さんの仕事」の記事があり、「彩一珍染めの創作工程」として、p.27に(説明)、p.23,25にカラー写真の掲載がある。
- 回答プロセス
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1.自館業務システムで「一珍染め」を検索→未ヒット
2.国立国会図書館リサーチナビの目次データベースで「一珍染め」を検索し、次の資料を確認。
・『新・繊維総合辞典』(繊維総合辞典編集委員会/編 繊研新聞社 2012年)→pp.42-43に「一珍染め」「一珍糊」の項あり。
3.染織関連の事典を確認
・『原色染織大辞典』(淡交社 1977年)→p.80に「一珍糊」「一珍友禅」の項あり。
・『日本染織辞典』(上村 六郎/[ほか]編 東京堂出版 1979年)→ p.20に「一珍友禅」の項あり。
4.NDLサーチで「一珍染め」「一珍糊」を検索。次の「月刊染織α」(染織と生活社)の記事がヒット。
(1)「伝統の技法を探る 一珍糊 水野正一さん」(「月刊染織α」通巻7号 1981年10月号)
(2)「特集 一陳・レペル・一珍糊染めの技法」(「月刊染織α」 通巻74号 1987年5月号)
(3)「特別企画 彩一珍染め作家中野幸一さんの仕事-珍糊で挑む独創的な世界の魅力」(「月刊染織α 」通巻222号 1999年9月号)
5.4でヒットした「月刊染織α」の該当号について自館システムで所蔵を確認
・(3)の「月刊染織α」通巻222号 1999年9月号のみ所蔵。内容を確認すると、創作の手順についてのカラー写真の掲載などがある。
6.自館システムで、件名「友禅染」を検索し、内容を確認。
・『京友禅摺り染:歴史と技法』(生谷吉男著 京都友禅協同組合 2001年)→第1章「摺友禅染技術の歴史」の中に、「一珍糊友禅」についての記述がある。
- 事前調査事項
- NDC
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- 染織工芸 (753 10版)
- 参考資料
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繊維総合辞典編集委員会 編. 新・繊維総合辞典. 繊研新聞社, 2012.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I023374464-00 , ISBN 9784881242612 (pp.42-43) - 染織と生活社, 1999. 染織α 1999年9月号(222号) (pp.23-27)
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原色染織大辞典. 淡交社, 1977.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001347029-00 (p.80) -
上村 六郎/[ほか]編 , 上村‖六郎. 日本染織辞典. 東京堂出版, 1979.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I005615302-00 , ISBN 4490101155 (p.20) -
生谷吉男, 藤井健三 著 , 生谷, 吉男, 1931- , 藤井, 健三, 1946-. 京友禅摺り染 : 歴史と技法. 京都友禅協同組合, 2001.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000003617186-00 (pp.64-65)
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繊維総合辞典編集委員会 編. 新・繊維総合辞典. 繊研新聞社, 2012.
- キーワード
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- 一珍染め
- 一珍友禅
- 友禅染
- 染織
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 一珍糊は、小麦粉を主原料とした防染糊で、桃山時代から使用されている。小麦粉に、消石灰、布海苔、微塵糠、焼き明礬などが配合されている。
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000311110