レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2014/11/02
- 登録日時
- 2015/04/15 00:30
- 更新日時
- 2015/04/15 10:09
- 管理番号
- 所沢本-2015-003
- 質問
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解決
民家の軒先に下がっている、大きな球形の蜂の巣のようなものの呼び方(漢字)を知りたい。
- 回答
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球形の蜂の巣のようなものは「さかばやし【酒林】」と呼ばれています。
以下の資料に記述があります。
〇『広辞苑』 新村出/編 岩波書店 2008年
〇『日本国語大辞典』 第5巻 小学館国語辞典編集部/編集 小学館 2001年
〇『大辞林』 松村明/編 三省堂 2006年
〇『日本の酒文化総合辞典』 荻生待也/編著 柏書房 2005年
〇『日本民俗文化財事典』 祝宮静/[ほか]編 第一法規 1979年
- 回答プロセス
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1.所蔵資料の内容確認
〇『広辞苑』 新村出/編 岩波書店 2008年
p.1105 「さかばやし【酒林】 酒屋で、杉の葉を束ねて球状にし、軒先にかけて看板とするもの。」と記述あり。
〇『日本国語大辞典』 第5巻 小学館国語辞典編集部/編集 小学館 2001年
p.1391 「さかばやし【酒林】 杉の葉を束ねて、球状にし、軒先にかけて酒屋の看板としたもの。また、その店。」と記述あり。
〇『大辞林』 松村明/編 三省堂 2006年
p.993 「さかばやし【酒林】 杉の葉を束ねて、球状にし、軒先にかけて酒屋の看板としたもの。杉玉。」と記述あり。
〇『日本の酒文化総合辞典』 荻生待也/編著 柏書房 2005年
p.263 「酒屋の看板」に「酒林 -さかばやし 江戸時初期に現れた酒屋の目印。杉の葉を束ねて球状に細工をし、軒先に吊り下げた。これの由来には諸説があるが、唐土から伝えられたものとする説が多い。酒箒・酒葉・杉の丸・杉玉・杉林など類称が多い。」との記述あり。「酒林の時代相〔守貞謾稿・後集巻〕」(元禄、正徳、寛政、文化、嘉永の頃の形あり。)の記載あり。
p.264に「杉の葉」「酒箒」「印の杉」「三輪の杉印」「天狗の巣」の項があり、酒林の類語として記述あり。
〇『日本民俗文化財事典』 祝宮静/[ほか]編 第一法規 1979年
p.181「鑑札・看板・広告類」の項に「各地で一様にみられるものに造り酒屋のサカバヤシがある。スギの葉をまとめ、葉の先を外へ出してまんまるくしたもので、これを軒先に吊るしておくのが一般であるが、スギの葉をたくさん束ねただけのものもある。新酒のできたとき新しくこれを出すという所もあり、もともと新酒のできを祝ったもののようであるが、それが酒屋のしるしとみられるようになったのである。」との記述あり。
2.調査をしたが記載のなかった資料
×『岩波国語辞典』 西尾実/編 岩波書店 2011年
×『新明解国語辞典』 山田忠雄/編 三省堂 2012年
- 事前調査事項
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利用者は「さかばしら」と記憶しているが、辞書等に該当するものがないので似たような名称かもしれないとのこと。
- NDC
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- 辞典 (813 9版)
- 参考資料
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- 広辞苑 新村出/編 岩波書店 2008.1 813.1 978-4-00-080121-8
- 日本国語大辞典 第5巻 小学館国語辞典編集部/編集 小学館 2001.5 813.1 4-09-521005-2
- 大辞林 松村明/編 三省堂 2006.10 813.1 4-385-13905-9
- 日本の酒文化総合辞典 荻生待也/編著 柏書房 2005.11 383.885 4-7601-2782-8
- 日本民俗文化財事典 祝宮静/[ほか]編 第一法規 1979.3 382.1
- キーワード
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- 酒林
- 酒屋
- 杉の葉
- 杉玉
- 軒先
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 一般
- 登録番号
- 1000170873