レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2013年11月28日
- 登録日時
- 2014/06/26 12:59
- 更新日時
- 2015/03/19 10:42
- 管理番号
- 0067
- 質問
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解決
讃岐版の桃太郎の話が読みたい
- 回答
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参考文献の2冊を紹介した。
どちらの資料も大筋は同じ。
讃岐版桃太郎のあらすじは以下の通り。
桃太郎は桃から産まれない。力持ちの人物として描かれている。
桃太郎が友人と山へしば刈りに行って大木を引き抜いて家へ持ち帰るが、その大木が倒れておじいさんとおばあさんが死んでしまう。
その後、たらいに乗って鬼のいる島に行き、鬼退治をして宝物を持って帰る。
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<香川県立図書館様より香川県の桃太郎の話について以下の情報を頂きました>
○婆が桃を食べ、うまかったので「もう一つ流れてこい。爺さんの口へも飛びこめ」と言うと爺の口に入る。爺婆とも若返り、婆が子どもを生み、桃太郎と名付ける(回春型)。桃太郎が鬼退治に行っていると、一人の爺が酒一升と鬼の豆をくれる。豆で鬼を穴から追い出し、酒を飲ませて寝たところを退治する(多度津町)
○桃太郎は柴刈りに行くのに、わらじ作り、わらじのひきそ引き、わらじの緒立てなどと言って、仲々行かない。山に行っても昼寝ばかり。帰るとき大木を引き抜いて、家に立てかけると家が崩れ爺婆が死ぬ(山行き型)。助け出そうとして大たらいを見付け、それに乗って海の島に着く。赤鬼、青鬼の相撲をはやし立て、最後に鬼を海に投げ込んで宝物を持ち帰る(高瀬町)」
→2つ目の高瀬町の話は、この事例のものと大体同じ内容。
・桃太郎話 みんな違って面白い 立石憲利/編著 岡山市デジタルミュージアム 2006.3 388.1 p.214-215
(香川県立図書館、丸亀中央、善通寺、詫間、土庄に所蔵あり)
また、この「桃太郎話」(※p.208-215「多様に変化している桃太郎」)には次のような内容も含まれている。
「昔話の採録は、当然のこととして「桃太郎」も採録してきた。『日本昔話通観』(同朋舎)に収載されている『桃太郎』についてみると、北海道、大阪、和歌山、熊本、宮崎、沖縄の六府県を除くすべての都府県にある。その総数は約六八〇話にのぼる。『日本昔話通観』発刊後も多くの資料集等が刊行されているので、その数はずっと多くなるだろう。
・・・・
次に多くの「桃太郎」の中から、いくつかの都府県での特徴ある話や特徴ある話の部分を簡潔に記し、「桃太郎」の変化の実態について紹介しよう。多様に変化していることに注目したい。」とあり、
18都府県の桃太郎の特徴的な内容が紹介されている。
<関連のある事例>
・名古屋市瑞-201
「桃太郎」で、桃太郎が桃から生まれる話ではなく、おばあさんが若返って桃太郎を生む・・・(名古屋市鶴舞中央図書館)
https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000133339
※「一方、地域ごとの伝承を探ってみると、『日本昔話大成 第3』p69-85に項目「桃の子太郎」があり、香川県、埼玉県に、おばあさんが若返る桃太郎の話が伝わっていることがわかります(同書p74,80-81)。
- 回答プロセス
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讃岐の昔話ということで、当館の郷土資料や全国の民話の資料をブラウジングした。
有名な昔話ということもあり、郷土資料ではなく全国民話・民俗学の資料に該当の話が見つかった。
- 事前調査事項
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質問者は以前に本で読んだことがある。よく知られている桃太郎とストーリーが異なり、おじいさんとおばあさんが亡くなってしまう。
- NDC
- 参考資料
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- 日本の民話 18 讃岐篇・伊予篇 武田明/編 未来社 1979年 (当館請求記号:388/タケ 1160114623 73~75ページ)
- 全国昔話資料集成9 西讃岐地方昔話集 武田明/編 岩崎美術社 1976年 (当館請求記号:388/イワ 1160351498 15~16ページ)
- キーワード
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- 桃太郎
- 香川県
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000155135