レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2023年02月27日
- 登録日時
- 2023/09/26 00:30
- 更新日時
- 2024/03/25 00:30
- 管理番号
- 3A22009004
- 質問
-
解決
1954年に南太平洋のビキニ環礁でアメリカ合衆国が水素爆弾の実験を行い、日本のマグロ漁船が被爆。その後、日本各地の卸売市場に運ばれたマグロから放射能が検出され、原爆マグロと呼ばれる騒ぎが起きたようです。東京・築地ではマグロが市場内に埋められたとの記録があるようですが、大阪市の中央卸売市場でも同じようにマグロの検査が行われ、埋める処分がされたとのこと。当時のことがわかる資料などを探しています。
- 回答
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以下の資料に関連する記述が見つかりました。
(1) 国立国会図書館デジタルコレクション『本場50年の歩み : 大阪市中央卸売市場本場開設50周年記念』 (大阪市中央卸売市場本場開設50周年記念事業委員会 1982.11)(図書館・個人送信限定) <当館書誌ID:0070067820>
https://dl.ndl.go.jp/pid/12021448/1/60 (2024.3.11確認)
「第3部 中央卸売市場の復活期 第5章 戦後統制の解除 第10節 卸売人の再整備」の項のp.75-778(コマ番号60-61)に「原爆まぐろと対応策」の項があり、p.76(コマ番号61)に「大阪市中央卸売市場では、入荷の魚類に対してガイガー計数管による放射能の検査を行ない、その結果有害と決められたものは住吉区柴谷町に穴を掘って埋め、無害なものだけ市場の取引に上場した。」とあります。
(2) 国立国会図書館デジタルコレクション『中央卸売市場 : 大阪市中央卸売市場の歴史と構造』 (宮本又次, 作道洋太郎 共編 創元社 1964)(図書館・個人送信限定) <当館書誌ID:0080208496>
https://dl.ndl.go.jp/pid/2504053/1/34 (2024.3.11確認)
p.38-39(コマ番号34)「第一部 中央卸売市場三十年の歩み 第十章 原爆マグロと中央卸売市場」の項のp.38(コマ番号34)に上記資料(1)と同様の記述があります。
(3) 国立国会図書館デジタルコレクション『大阪魚市場株式会社三十年史』 (大阪魚市場株式会社社史編纂委員会 編 大阪魚市場 1985.8)(図書館・個人送信限定) <当館書誌ID:0080173208>
https://dl.ndl.go.jp/pid/11956562/1/97 (2024.3.11確認)
「第二編 基礎固めの時代 第六章 飛躍への序曲」のp.152-155(97-98)「原爆まぐろ事件と対応策」の項に関連する記述があります。ただし、廃棄場所については記述がありませんでした。
(4) 『新修大阪市史 第8巻 現代 1』 (新修大阪市史編纂委員会/編集 大阪市 1992.3)
「第三章 戦後の市民生活と社会運動の展開 第三節 朝鮮戦争・講和条約締結と社会運動の変化 2 講和問題と平和運動の発展」のp.536-539「水爆実験と市民生活」の項に関連する記述があり、廃棄場所については、p.537に「汚染マグロは、厚生省の指示に従って、十七日住吉区内の市営ゴミ処理場に埋められた」とあります。
(5) 『雑喉場魚市場史 -大阪の生魚流通-』 (酒井 亮介/著 成山堂書店 2008.9)
「付章二 市民の台所 大阪市中央卸売市場 三 戦後の大阪市場」のp.353「再出発の現状」の項に関連する記述があり、廃棄場所については「被爆マグロは住之江の海岸近くの地下に埋めた。」とあります。
(6) 国立国会図書館デジタルコレクション『水産物流通の変貌と組合の三十年 通史篇』 (大阪市水産物卸協同組合 編 蒼人社 1985.8)(図書館・個人送信限定) <当館書誌ID:0080191282>
https://dl.ndl.go.jp/pid/12003949/1/213 (2024. 3.11確認)
「第二十七章 六都連・全国連」のp.384-389(コマ番号213-214)「第二節 水爆マグロ問題と六都連」の項に、東京、横浜、名古屋、京都、大阪、神戸における当時の報道、政府や各地の対応、各地の被害額等について記述があります。
(7) 国立国会図書館デジタルコレクション『中央卸売市場年報 昭和29年』 (大阪市中央卸売市場/編 大阪市中央卸売市場 1956.3)(図書館・個人送信限定) <当館書誌ID:0080207896>
https://dl.ndl.go.jp/pid/2471092/1/8 (2024. 3.11確認)
「大阪市中央卸売市場日誌」のp.1(コマ番号8)に、「3月16日 早朝大阪市場にビキニ環礁における米原爆洗礼のマグロ入荷する。」、「26日 大阪市場でガイガー計数管を常備し市の責任で魚は安全であるむねを公式に発表した。」とあります。
(8) 『朝日新聞』 1954年3月16日 大阪夕刊 3面「原爆マグロ売止め」
「十六日午前一時大阪中央市場へ静岡焼津港から“メバチマグロ”十九本(一本約二十五貫)が入荷した。(略)市衛生局ではとりあえずこのメバチマグロの販売を中止させ、中央市場へ保管、厚生省にその処置を問合せている。」とあります。
(9) 『毎日新聞』 1954年3月16日 夕刊 3面「売られた“原子マグロ”」
記事中に「大阪でも検出」と見出しがあり、「大阪中央市場に十六日午前二時入荷したマグロは約二百三十貫だったが、直ちに売止めされ市販されずにすんだ。」とあり、その後、放射線の有無の検査が行われたことについて記載があります。
- 回答プロセス
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1.当館所蔵検索で、フリーワード“大阪市中央卸売”、出版年を1945年以降にして検索。資料(1)(2)が見つかる。
2.資料(1)の参考資料を確認。資料(3)が見つかる。
3.「国立国会図書館デジタルコレクション」を、キーワード“大阪”ד中央卸売市場”דマグロ”×水爆”で検索。資料(3)(7)が見つかる。
4.「大阪関係資料 目次検索」(外部非公開)を、キーワード“マグロ”で検索。資料(4)が見つかる。
5.資料(4)の参考資料を確認。資料(6)が見つかる。
6.「Googleブックス」を、キーワード“水爆”דマグロ”ד大阪中央卸売市場”で検索。資料(5)が見つかる。
7.商用データベース「朝日新聞クロスサーチ」で、大阪版の昭和29(1954)年3月16日の記事を確認。資料(8)が見つかる。
8.商用データベース「毎索」で、昭和29(1954)年3月16日の記事を確認。資料(9)が見つかる。
- 事前調査事項
- NDC
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- 社会福祉 (369 9版)
- 原子力工学 (539 9版)
- 参考資料
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- 当館書誌ID <0070067820> 本場50年の歩み -大阪市中央卸売市場本場開設50周年記念- 大阪市中央卸売市場本場開設50周年記念事業委員会年史編纂実行委員/編纂 大阪市中央卸売市場本場開設50周年記念事業委員会 1982 資料(1)
- 当館書誌ID <0080208496> 中央卸売市場 -大阪市中央卸売市場の歴史と構造- 宮本 又次/共編 中央倶楽部 1964.9 資料(2)
- 当館書誌ID <0080173208> 大阪魚市場株式会社三十年史 大阪魚市場株式会社社史編纂委員会/編 大阪魚市場 1978.3 資料(3)
- 当館書誌ID <0000287252> 新修大阪市史 第8巻 現代 1 新修大阪市史編纂委員会/編集 大阪市 1992.3 資料(4)
- 当館書誌ID <0011726276> 雑喉場魚市場史 -大阪の生魚流通- 酒井 亮介/著 成山堂書店 2008.9 978-4-425-88431-5 資料(5)
- 当館書誌ID <0080191282> 水産物流通の変貌と組合の三十年 通史篇 倉田 亨/監修 蒼人社 1985.8 資料(6)
- 当館書誌ID <0080207896> 大阪市中央卸売市場年報 昭和29年 大阪市中央卸売市場/編 大阪市中央卸売市場 1956.3 資料(7)
- 『朝日新聞』1954年3月16日 大阪夕刊 3面「原爆マグロ売止め」 資料(8)
- 『毎日新聞』1954年3月16日 夕刊 3面「売られた”原子マグロ”」 資料(9)
- キーワード
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- 大阪府大阪市福島区
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- ビキニ環礁
- 放射能
- マグロ漁船
- 原爆マグロ
- 東京
- 築地
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000339008