レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021年11月14日
- 登録日時
- 2022/03/02 16:15
- 更新日時
- 2022/03/02 16:17
- 管理番号
- 千県中児童-2021-11
- 質問
-
未解決
以下の内容の本を探しているので教えて欲しい。
・多分30年ほど前の本(1991年ごろ。)小学4年生~6年生頃に読んだと思う。
・少し怖いお話。ハードカバーで少し厚みがあった。
・舞台は海外。雨の日だったか森で道に迷った男が一人、洋館(屋敷)に泊めて欲しいとお願いし、泊めてもらった。
・3日間のお話だったと思う。葉っぱが落ちるまでに帰らなければいけないか、お屋敷を出なければいけなかった気がする。
・葉っぱはカシの葉だったような気がする。
・泊めてもらった男が窓の外を見ていると、葉っぱが落ちていく挿絵があった。
- 回答
-
お探しの物語について、以下の参考資料等をもとに、当館の所蔵資料を確認しましたが、該当しそうな作品は見つかりませんでした。
共通点のある内容として、昔話に、オリーブの葉っぱが落ちる話がありました。
【資料1】『新編世界むかし話集 2 ドイツ・スイス編』(山室静編著 社会思想社 1983)
p193-197「墓堀り人足」墓堀り人足が、墓で見つけた頭蓋骨と会話をし、亡霊と一緒に食事をします。墓堀り人足は部屋の窓からオリーブの葉が全部で3枚落ちるのを見ましたが、実は葉が1枚落ちるごとに100年が経っています。
1.調査した資料
(1)児童文学の解題が書かれた参考図書、ブックガイド等
『物語の森へ 児童図書館基本蔵書目録 2』(東京子ども図書館 2017)
件名索引「屋敷・館」を確認。
『本の本 おもしろい本をさがす本』(東京都学校図書館協議会共編 全国学校図書館協議会 1989)
件名がないため目次を通覧。「不思議な世界」のうち関連しそうな「時間を越えて今と昔がつながる」「不思議な世界へいっしょに」テーマを確認。
『図書館でそろえたいこどもの本 2 文学』(日本図書館協会児童青少年委員会児童基本蔵書目録小委員会編 日本図書館協会 1994)
1992年までに出版されたものの中から2043点。テーマ索引等がなく、解題から、屋敷や葉の描写がありそうな物語を確認。
『本選び術 小学校版』(リブリオ出版 1995)全5冊
4巻の「空想、ファンタジーに遊ぶ」、5巻の「こわい話」のテーマを確認。
『どの本よもうかな? 3・4年生』(日本子どもの本研究会編 国土社 2000)
『どの本よもうかな? 5・6年生』(日本子どもの本研究会編 国土社 2000)
『つぎ、なにをよむ? 3・4年生』(秋山朋恵編 偕成社 2012)
おばけ・ようかい、ふしぎのとびらを確認
『つぎ、なにをよむ? 5・6年生』(秋山朋恵編 偕成社 2012)
ファンタジーのとびら、冒険のとびら、きょうふのとびら、不思議のとびら確認。
(2)国立国会図書館サーチ(https://iss.ndl.go.jp/)で児童書のあらすじを検索しました。
検索窓の下の「児童書」を選択しキーワードを入力。検索結果について「9.文学」を選択して絞り込み。検索結果「古い順」に並び替え、1993年頃までデータを確認。
キーワードには「屋敷」、「葉っぱ」、「葉 落ちる」、「落葉 館」などを使用しました。
検索結果に出た『ぬすまれた夢』(ジョーン・エイキン作 くもん出版 1992)の一編、「鍵のかたちをした葉っぱ」を確認しましたが当該資料ではありませんでした。
(3)全国学校図書館協議会「過去の課題図書 第31回~第40回(1985年度~1994年度)」
(https://www.j-sla.or.jp/contest/youngr/pastbook/314019851994.html)
青少年読書感想文全国コンクールの過去の課題図書の一覧です。
なお、このほかに千葉県課題図書感想文コンクール(千葉日報社主催)があり、今年度に第45回を実施し、課題図書が全国と異なっています。
お探しの本が課題図書の可能性があるようであれば、当時のお住まいの都道府県について調査をしていくことも有効かもしれません。
(4)赤木かん子氏「本の探偵」関連
『こちら本の探偵です』(赤木かん子著 径書房 1985)
『本の探偵事典 どうぐの手がかり編』(あかぎかんこ著 フェリシモ 2005)p44-67「いえ・にわ」
『この本読んだ?おぼえてる?』(あかぎかんこ著 フェリシモ 1999)
読者からの投書から児童書を探す企画「本の探偵」に関する資料です。以上の著作で印象的な物語としてよく挙がっている、『グリーン・ノウの子どもたち』(L.M.ボストン作 評論社 1978)をはじめとする『グリーン・ノウ物語』シリーズを確認しましたが、当該資料ではありませんでした。
なお、赤木氏のウェブサイト(http://www.akagikanko.net/forums/forum/7/)にて、「本の探偵」が現在は掲示板形式で継続しているようです。
2.その他、内容を確認した資料
当館書庫および蔵書検索等で主に怖い話の短編集などを、目次・挿絵等から内容を確認しました。
『黒い塔のひみつ』(ズデニエック・K・スラビイ著 大日本図書 1978)
『陶器の人形』(ペネロピ・ファーマー[著] 篠崎書林 1977)
『幽霊を見た10の話』(フィリパ・ピアス作 岩波書店 1984)
『こわがってるのはだれ?』(フィリパ・ピアス作 岩波書店 1992)
『隊商 キャラバン 岩波少年文庫 2081』(ハウフ作 岩波書店 1977)
『アレッサンドリア物語 少年少女学研文庫 24』(ハウフ作 学研 1970)
『そこなし森の話』(佐藤さとる[著] 実業之日本社 1977)
『そいつの名前ははっぱっぱ』(上野瞭作 理論社 1985)
『三日月村の黒猫』(安房直子作 偕成社 1986)
『世界のゆうれい話 少年少女・類別/民話と伝説 16』(白木茂編著 偕成社 1982)p24-38「墓場の友だち〔ロシア民話〕」
「ラルストンの『ロシア民話集』によりましたが、アファナーシェフの『民話集』にものっている有名な話です」とあり。死んだ友人との話、300年経っているところは【資料1】と類似していますが、葉っぱではなく、酒を三杯のむため、お探しの内容と異なります。
『世界のこわい話 少年少女・類別/民話と伝説 10』(山主敏子編著 偕成社 1982)
『世界のまほう話 少年少女・類別/民話と伝説 20』(山室静編著 偕成社 1981)
『世界の恐ろしい話 民話と伝説呪いの巻物 12』(植田敏郎編著 偕成社 2006)
このシリーズは、『少年少女・類別/民話と伝説』全34巻から選んで改訂・改装したものです。
『世界のふしぎ話 民話と伝説呪いの巻物 6』(岡上鈴江編著 偕成社 2006)
『ラング世界童話全集』(偕成社 1977)
所蔵は偕成社文庫版で、元は創元社から出ていたものです。目次を見る限り合致しそうな話はありませんでした。
(インターネット最終アクセス:2021年12月14日)
- 回答プロセス
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・『物語の森へ 児童図書館基本蔵書目録 2』(東京子ども図書館 2017)の件名索引「屋敷・館」を確認。以下は解題や現物を読んで異なると判断したお話。
「あの年の春は早くきた」「ウィロビー・チェースのおおかみ」「銀のうでのオットー」
「グリーン・ノウ物語」「ダイヤの館の冒険」「時の旅人」「とざされた時間のかなた」「夏の終りに」
「秘密の花園」「フランバーズ屋敷の人びと」「まぼろしの白馬」「幽霊」(アントニア・バーバ)
「妖精ディックのたたかい」
・『本の本 おもしろい本をさがす本』(東京都学校図書館協議会共編 全国学校図書館協議会 1989)を確認。件名がないので目次を通覧。関連しそうな「不思議な世界」のうち2テーマの資料を確認したが、一致する話は見つからなかった。
テーマ名「時間を越えて今と昔がつながる」
「グリーン・ノウの子どもたち」「とぶ船」「トムは真夜中の庭で」「200年前にぼくがいた!」
「ふたりは屋根裏部屋で」「もうひとつの空」「幽霊(アントニア・バーバ)」
テーマ名「不思議な世界へいっしょに」
「霧のむこうのふしぎな町」「銀のほのおの国」「扉のむこうの物語」「ピーターパンとウェンディ」「ふしぎの国のアリス」「ぽっぺん先生と帰らずの沼」「三日月村の黒猫」「ライオンと魔女」
・国立国会図書館サーチでキーワード「屋敷」、「葉っぱ」、「葉 落ちる」、「落葉 館」など。児童書を選択、9類で絞り込み。古い順に並び替え、1993年頃まで確認した。『ぬすまれた夢』(ジョーン・エイキン作 くもん出版 1992)短編集の「鍵のかたちをした葉っぱ」を確認したが一致する話は見当たらなかった。
・『図書館でそろえたいこどもの本 2 文学』(日本図書館協会児童青少年委員会児童基本蔵書目録小委員会編 日本図書館協会 1994)92年までに出版されたものの中から2043点。解題が付いているが、テーマ索引等がない。解題から、屋敷や葉の描写がありそうな以下の資料を確認したが一致する話は見当たらなかった。
「ふくろう模様の皿」「ビロードのへやの秘密」「まぼろしのすむ館」「幽霊の恋人たち」「最後のひと葉」
・『つぎ、なにをよむ? 3・4年生』(秋山朋恵編 偕成社 2012)の、「おばけ・ようかいのとびら」「ふしぎのとびら」を確認。『つぎ、なにをよむ? 5・6年生』(秋山朋恵編 偕成社 2012)の「ファンタジーのとびら」「冒険のとびら」「きょうふのとびら」「不思議のとびら」を確認したが、一致する話は見当たらなかった。
・以下の資料を確認したが一致する話は見当たらなかった。
『本選び術 小学校版』(リブリオ出版 1995)全5冊
『どの本よもうかな? 3・4年生』(日本子どもの本研究会編 国土社 2000)
『どの本よもうかな? 5・6年生』(日本子どもの本研究会編 国土社 2000)
『こちら本の探偵です』(赤木 かん子著 径書房 1985)
『本の探偵事典 どうぐの手がかり編』(あかぎかんこ著 フェリシモ 2005)
p44-67「いえ・にわ」
『この本読んだ?おぼえてる?』(あかぎかんこ著 フェリシモ 1999)
・全国学校図書館協議会「過去の課題図書 第31回~第40回(1985年度~1994年度)」を確認。
https://www.j-sla.or.jp/contest/youngr/pastbook/314019851994.html
・インターネット検索システムGoogleで「葉っぱ 落ちる 昔話」と検索し、オリーブの葉っぱが落ちる話があるのを発見(http://hukumusume.com/douwa/pc/world/08/24b.htm)。
・当館の蔵書検索システムで「墓堀り人足」と検索し、【資料1】を発見。
・日本十進分類法908、913の書架を見て、以下の資料を確認したが一致する話は見当たらなかった。
『世界のゆうれい話 少年少女・類別/民話と伝説 16』(白木茂編著 偕成社 1982)p24-38
「墓場の友だち〔ロシア民話〕」「ラルストンの『ロシア民話集』によりましたが、アファナーシェフの『民話集』にものっている有名な話です」とあり。死んだ友人との話、300年経っているところは共通だが、葉っぱではなくて酒を三杯のむ。
『世界のこわい話 少年少女・類別/民話と伝説 10』(山主敏子編著 偕成社 1982)
『世界のまほう話 少年少女・類別/民話と伝説 20』(山室静編著 偕成社 1981)
『世界の恐ろしい話 民話と伝説呪いの巻物 12』(植田敏郎編著 偕成社 2006)
このシリーズは、少年少女・類別/民話と伝説 全34巻から選んで改訂・改装したもの。
『世界のふしぎ話 民話と伝説呪いの巻物 6』(岡上鈴江編著 偕成社 2006)
『ゆうれいがいなかったころ』(岩本敏男著 偕成社 1979)
『魔法 日本児童文学名作選 2』(坪田譲治著 あかね書房 1978)
『そこなし森の話』(佐藤さとる[著] 実業之日本社 1977)
『日本の怪ぶつ話 民話と伝説呪いの巻物9』(木暮正夫編著 偕成社 2006)
『日本のまほう話 少年少女・類別/民話と伝説19』(花岡大学編著 偕成社 1981)
『そいつの名前ははっぱっぱ』(上野瞭作 理論社 1985)
『海のメルヘン』(庄野英二作 理論社 1965)
『三日月村の黒猫』(安房直子作 偕成社 1986)
- 事前調査事項
- NDC
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- 文学 (900 9版)
- 参考資料
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- 【資料1】『新編世界むかし話集 2 ドイツ・スイス編』(山室静編著 社会思想社 1983)(9600231495)
- キーワード
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- ストーリーレファレンス
- 洋館(ヨウカン)
- 屋敷(ヤシキ)
- カシの葉(カシノハ)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000312949