レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2022年12月11日
- 登録日時
- 2022/12/11 16:43
- 更新日時
- 2023/03/11 11:36
- 管理番号
- 奈県図情22-1212
- 質問
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解決
文法的に何と呼ばれるのか分からないが、たとえば英単語「structure」は頭に「re」をつけることで「restructure」となり、別の意味を持つ単語になる。日本語でも、形容詞「美しい」の語尾を「さ」にすると名詞「美しさ」となる。このことについて書かれている資料があれば読みたい。日本語、英語など言語は問わない。
- 回答
-
「接辞」と「派生語」のことかと思います。
日本大百科全書(ニッポニカ)に以下のように解説されています。
接辞
語の構成要素の一つ。それ自体が独立して用いられることはないが、語基に添加されて新たな語をつくる要素(「拘束形態素」とよぶ)となっている。接辞を添加してできた語を派生語という。語基との相対的な位置関係により、接頭語、接尾語に分かれる。世界の言語のなかには、タガログ語のように、接中辞をもつものもある。
接辞は、それ自体がなんらかの意味を表しているが、(1)意味だけを添えるものと、(2)語基の語の文法上の性質を変える(たとえば、その品詞を変える)ものとがある。たとえば、「お茶」「か細い」は(1)の例であり、「悲しさ」「まるめる」は(2)の例である。接頭語は大部分が(1)に属し、接尾語は(1)(2)の両方がある。日本語では、前述の例のような和語系のものに加えて、「非―」「反―」「―的」「―性」のような漢語系のもの、「アンチ―」「―イズム」のような外来系のものが造語力をもつようになってきた。
当館所蔵資料から6点ご紹介します。
日本語
『図解日本の語彙』(沖森卓也 [ほか] 著) p.16~
『「語」とはなにか・再考 : 日本語文法と「文字の陥穽 (おとしあな) 」』(宮岡伯人著) p.159~
『日本語語彙へのアプローチ : 形態・統語・計量・歴史・対照』(斎藤倫明, 石井正彦編) p.27~
英語
『英語接辞の魅力 : 語彙力を高める単語のメカニズム』(西川盛雄著)
『単語の構造の秘密 : 日英語の造語法を探る』(竝木崇康著) p.10~
『接頭辞・接尾辞大全 : 英単語を語形成のルールから学ぶ』(酒井玲子著)
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なお、CiNii Researchにてキーワード「接辞」で検索すると383件ヒットします(うち364件は論文)。「モンゴル語の形容詞につく接辞」など、日本語英語以外の言語での接辞についても書かれた論文もあるようですので、よろしければご確認ください。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 語彙 (814)
- 語彙 (834)
- 参考資料
- キーワード
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- 語彙
- 接辞
- 形成語
- 照会先
- 寄与者
- 備考
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『図解日本の語彙』(当館資料ID:111202411)
『「語」とはなにか・再考 : 日本語文法と「文字の陥穽 (おとしあな) 」』(当館資料ID:111290748)
『日本語語彙へのアプローチ : 形態・統語・計量・歴史・対照』(当館資料ID:111288029)
『英語接辞の魅力 : 語彙力を高める単語のメカニズム』(当館資料ID:111257805)
『単語の構造の秘密 : 日英語の造語法を探る』(当館資料ID:111175191)
『接頭辞・接尾辞大全 : 英単語を語形成のルールから学ぶ』(当館資料ID:111286505)
- 調査種別
- 文献紹介 事実調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000325578