レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2012年05月29日
- 登録日時
- 2014/07/29 18:29
- 更新日時
- 2014/08/22 12:45
- 管理番号
- 千県中千葉-2014-7
- 質問
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解決
千葉県の昔からの産業のひとつに「〆粕」の生産があるが、どのように作っていたのか。
- 回答
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『千葉県の歴史 通史編 近世2』【資料1】p129-168「干鰯の生産と流通」の項に記載されています。
イワシ漁業が盛んだった房総三国では、「イワシは食用にもされたが、大部分はそのまま干した干鰯(ほしか)や、茹でて魚油を絞った後の搾りかすである〆粕に加工され、肥料として上方をはじめとした広い地域に流通した。」とあります。そして、漁業地域、漁業法についても記載されています。〆粕の作り方については、p142に記載されています。
p142 写真14「〆粕の生産」
「大きな釜で茹でたイワシを搾り器に入れて油を搾る。搾った後のイワシは野外の筵に運ばれ、砕いて天日に干した後、俵に詰めて出荷される。」と記載されています。
『千葉県の歴史 資料編 近世4』【資料2】p16-19「3 干鰯・〆粕の生産と販売」には、干鰯二百俵を抵当とし、三十両を借りた借金証文が掲載されています。また、「房総水産図誌」(国文学研究資料館史料館蔵)より転載した3図(p14魚油しぼり器、p19干鰯・〆粕生産の図鰯を茹でている図、魚油を絞った後の粕を砕いて乾燥させ俵に詰めて出荷するところの図)を見ることができます。
『九十九里旧地曳網漁業』【資料3】p262-264「第四章漁獲物の加工と販売 第一節加工 ○〆粕」には、〆粕製造の設備用具、〆粕道具、加工の行程等について記載されています。
『九十九里町誌』【資料4】p394-409
「干鰯・〆粕の製造法」という項がありわかりやすく説明されています。
『明治前期を中心とする内房北部の漁業と漁村経済 下』【資料5】p81-89「四 水産製造 (1)搾粕」には、歴史的なことのほか経営や販売、加工技術等の詳しい記載があります。
- 回答プロセス
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千葉県立図書館ホームページ内「菜の花ライブラリー」で検索、無し。
業務用検索を全項目でかけると「〆粕」『千葉県の歴史』資料編に有り。この内容から、時代、地域等を絞り調査。
『千葉県の歴史』通史編、資料編の近世を調査。
「水産加工業」として資料調査→【資料2】【資料3】【資料4】
『銚子市史』(島田隆編1956)p581 銚子では干鰯として農業肥料になっていることがわかるが、あまり詳しくない。
- 事前調査事項
- NDC
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- 水産物利用.水産利用工業 (668 9版)
- 参考資料
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- 【資料1】『千葉県の歴史 通史編 近世2』(財団法人 千葉県史料研究財団 千葉県 2008)(0200872180)
- 【資料2】『千葉県の歴史 資料編 近世4』(千葉県 2002)(0200784390)
- 【資料3】『九十九里旧地曳網漁業』(山口和雄編 アチックミューゼム 1937)(9200147185)
- 【資料4】『九十九里町誌』(九十九里町誌編纂委員会 1989)(9200325975)
- 【資料5】『明治前期を中心とする内房北部の漁業と漁村経済 下』(山口和雄著 アチックミユウゼアム 1936)(9200147111)
- キーワード
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- 千葉県-漁業
- 水産加工業
- 肥料
- 〆粕
- 干鰯
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000157023