レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2014/8/2
- 登録日時
- 2014/12/13 00:30
- 更新日時
- 2015/02/17 12:07
- 提供館
- 宮城県図書館 (2110032)
- 管理番号
- MYG-REF-140008
- 質問
-
解決
鉄の発見と加工の歴史について書いてある本はないか。
溶鉱炉で鉄を溶かし,型に鋳込んで製品をつくるという今を知っているだけに,どのようにして鉄を発見し,加工したのかについて知りたい。
- 回答
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鉄の発見と,加工の歴史について,下記資料に記載がありました。【 】内は当館請求記号です。
資料1 『世界大百科事典19』平凡社, 1988【031/883/19タR】
pp.136-141「てつ 鉄」の項
「【製鉄技術史】 [古代オリエント]鉄の利用の始まりについてこれまで一般的に考えられてきたことは,最初の鉄器が隕鉄を加工したものであったということ,製鉄の開始が青銅器に比べて遅かったということである。その理由の一つとして,鉄鉱石から鉄を取り出すために必要な高熱(融点約1540℃)の獲得が古代人に長い間技術的に困難であったことが挙げられてきた。しかし,《鉄の歴史》全5巻(1884-1903)の大著で知られ,みずから製鉄家であったベック Ludwig Beck(1841-1918)は,鉄の還元が銅の溶融(1084.5℃)よりも低い温度で始まることを指摘し,製鉄の起源をはるか古い時期に想定し青銅器時代に先行すると主張した。(中略)まず,考古学的資料に基づいて最古の諸例を調べると,メソポタミアでは,前5000年頃に年代づけられるサーマッラー出土の鉄器(長さ4.3cm,用途不明)があり,人造鉄とみなされている。(後略)」
資料2 『世界大百科事典18』平凡社,1988【031/883/18タR】
pp.299-300「ちゅうぞう 鋳造」の項
「【技術と工芸の歴史】(前略)鉄は中国において殷末周初(前8世紀以降)には実用に供されていたとされるが,そのほとんどが鋳造によるものであるのに対し,インド,オリエント,地中海沿岸地域,ヨーロッパでもっぱら鍛鉄製品が作られていた。鉄の鋳造(鋳鉄)が本格的に行われるようになったのは中世の終りになってからで(後略)」
資料3 ルードウィヒ・ベック『鉄の歴史 第1巻 第1分冊』たたら書房, 1979【564/ヘ-1】
資料4 ルードウィヒ・ベック『鉄の歴史 第1巻 第2分冊』たたら書房, 1981【564/ヘ-2】
資料5 ルードウィヒ・ベック『鉄の歴史 第1巻 第3分冊』たたら書房, 1979【564/ヘ-3】
『鉄の歴史』全5巻17分冊のうち,1巻1-3分冊に世界各国の古代から中世の「鉄の歴史」について,詳細な記載があります。
- 回答プロセス
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『世界大百科事典19』(平凡社,2007)にて「鉄」の項目を確認したところ,pp.136-141「鉄」の項に詳細な記載があった。
本文中に記載されている『鉄の歴史(全5巻)』(ルードウィヒ・ベック,たたら書房,1979)が,本館に所蔵があり通覧したところ,さらに詳細な記載があった。
- 事前調査事項
- NDC
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- 金属加工.製造冶金 (566 9版)
- 参考資料
- キーワード
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- 鋳造
- 鉄
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000164407