レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2023年4月11日
- 登録日時
- 2023/09/25 14:52
- 更新日時
- 2023/11/06 14:56
- 管理番号
- 中央-1-0021669
- 質問
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解決
浦和市の初代市長であった高橋泰雄(たかはしやすお)氏について調べている。第22回衆議院選挙(昭和21年4月10日)に当選しているが、その際に公約・抱負として具体的にどのようなことを述べたのかを知りたい。
- 回答
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図書や新聞記事等を含めて調査したが、さいたま市図書館が所蔵する資料の範囲では、高橋泰雄氏の第22回衆議院選挙時の公約・抱負が分かるものはなかった。
埼玉県議会図書室に問い合わせたところ、「昭和21年4月10日執行総選挙衆議院議員選挙公報」という資料(禁帯出)を所蔵しており、その中に高橋泰雄氏も掲載されていることが分かったため、そちらをご案内した。
- 回答プロセス
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●レファ協で「高橋泰雄」で検索
何件かヒット。直接関係するものはなかったが、人物についての記述があったとのことで、下記の本が紹介されていた。
×『埼玉人物事典』埼玉県教育委員会編 埼玉県 1998 p490
×『埼玉大百科事典 3』埼玉新聞社 1974 p269
×『歴代浦和市長自伝』和田ひょうき編 「情報さいたま」社 2000 p12-17
×『埼玉人物評論』埼玉評論社編 埼玉評論社 1936 p494-496
×『埼玉昭和名家録』中村義雄共著 横溝平助共著 中村義雄 1928 p14-15
⇒回答につながるような記述はなかった。
●他の所蔵資料を地域資料を中心に検索
×『浦和市史 第5巻[1] 現代史料編 1』浦和市総務部行政管理課/編 浦和市 1999年
p533~名誉市民に推挙された時の資料あり浦和市長時代の実績が並べられているが、回答になりそうな記述はなし(年表に衆議院議員に当選とあるのみ)
×『日本の歴代市長』歴代知事編纂会/編 歴代知事編纂会 1983年
p707 略歴はあるが、最後に中央政界へと活躍の場を移していったという一文があるのみ。
×『埼玉県行政史 第3巻』埼玉県/編 埼玉県 1987年
p853~「衆議院議員選挙の足跡」の項があるが、公約までは触れられていない。
×『新編埼玉県史 通史編7』埼玉県/編 埼玉県 1991年
p135~敗戦直後の選挙の項あり。22回選挙について当選者の得票率などの記述はあるが、公約まではなし。
×『新編埼玉県史 資料編20』埼玉県/編 埼玉県 1987年
p708~22回選挙の候補者の郡市別得票率一覧があるが、公約などはなし。
×『浦和市史 第4巻[2] 近代史料編2』浦和市総務部市史編さん室/編 浦和市 1979年
p827-829「19第一回総選挙の記事」があるが、公約等は掲載なし。
●新聞をデータベースで検索する
×朝日クロスサーチで周辺日付の埼玉版を確認してみたが、回答になりそうな記事はなし。
×ヨミダス文書館検索
1946.3.1~1946.4.30の範囲で、地域版や全国版で「高橋泰雄」や「選挙」等で検索
⇒記事はいくつか出てくるが、公約・抱負等は掲載なし。
×毎索を検索したが訃報記事しかヒットせず。
●国会デジタルコレクション検索
「高橋泰雄 衆議院 選挙」「第22回衆議院議員総選挙 広報」等で検索するが、関係しそうなものはなし。
●リサーチ・ナビ
・日本-選挙公報(最高裁判所裁判官国民審査公報を含む)
「https://rnavi.ndl.go.jp/jp/guides/post_1136.html」(最終アクセス確認日:2023年9月25日)
これによると、衆議院議員総選挙の選挙公報は、紙だと第30回からしかなく、デジタル版でも第27回までしか遡れない。
●埼玉関係データベース検索
「第22回衆議院議員総選挙」で検索すると以下がヒット
△『さいたま市アーカイブズセンター紀要 第4号』さいたま市総務局総務部総務課アーカイブズセンター/編 さいたま市 2020年
p83-101「第22回衆議院議員総選挙における埼玉県選挙区」
p88「既に出馬を表明していた高橋浦和市長も三月八日に辞表を提出して、自由党からの立候補を表明した〔四六・三・一〇〕」
p90 選挙公報(抜粋)に高橋泰雄の名前あり。出典:『埼玉新聞』1946年4月5日。
p91「また浦和、大宮両市の市長も立候補していることが注目される〔四六・三・二〇〕」
「高橋泰雄 選挙」で検索すると以下がヒット
すべて埼玉新聞記事(さいたま市立大宮図書館所蔵のマイクロフィルムのみ)
・「予断を許さぬ県下総選挙戦 新人群俄かに台頭 旧政党総攻撃に連合軍 進歩、自由僅かに十名 噂に上る身代り候補 出馬の顔触れ」1946/1/9 1面
・「総選挙こぼれ種」1946/3/16 1面
・「最後の審判あと三日 選挙戦・火を吐く現地報告 大宮 川口 労資何れに 工都の様相変貌」1946/4/7 1面
・「選挙の今昔 第一区 第二区 第三区」1946/4/7 1面
・「指名された我等の代表 新旧あいなかばする顔ぶれ一皮むけば旧勢力 理想選挙にはもう一息 当選者 次点」1946/4/13 1面
→大宮図書館に埼玉新聞マイクロフィルム確認を依頼
→大宮図書館より回答あり
以下の記事に、高橋泰雄の当選後の言葉が掲載されている。
△「指名された我等の代表 新旧あいなかばする顔ぶれ一皮むけば旧勢力 理想選挙にはもう一息 当選者 次点」1946/4/13 1面
「同氏に感想を訊けばいや今度は苦戦だつたよ、もう懲り懲りといふところでこれが最後だと覚悟してゐるのだ、まつたく御覧の通り大選挙区制と連記制には予想が立たず面喰つたね、とにかく最後のお勤めだと思つて期待に副ふやう頑張るよ。と語つた、(後略)」
「選挙公報」で検索すると、以下がヒット
△『新修蕨市史 資料編 3』蕨市/編集 蕨市 1993年
p661-663「372 昭和二十一年(1946)四月 戦後第一回総選挙公報」(県議会図書室所蔵)
蕨出身の日本社会党松永義雄氏の選挙公報記事が掲載されている。抱負を詳しく述べている。
この資料自体は蕨市史のため、蕨出身の候補しか載っていなかったが、この「戦後第一回総選挙広報」に高橋泰雄も載っている可能性がある。
→県議会図書室に協力レファレンスを依頼
→県議会図書室より以下の回答あり
◎図書室所蔵の「昭和21年4月10日執行総選挙衆議院議員選挙公報」に高橋泰雄の掲載があった。
・持出禁止資料、かつ、複写不可(大変古く、複写に耐えられない)。
・館内閲覧することは可能。来館の際は、事前に連絡いただければ資料を用意しておくことができる。
- 事前調査事項
- NDC
-
- 議会 (314)
- 参考資料
- キーワード
-
- 高橋泰雄
- 衆議院選挙
- 公約
- 照会先
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- 埼玉県議会図書室
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 人物 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000339001