レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2023年05月23日
- 登録日時
- 2023/05/23 18:38
- 更新日時
- 2023/07/11 16:09
- 管理番号
- 中央0159-230523
- 質問
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解決
国会法第118条の2について、以下の2点が知りたい。
1.制定年月日は?
2.第118条に追加した理由は?
- 回答
-
それぞれの質問に対し、①②の資料を提供。
1.制定年月日
①『官報 昭和33年4月18日号外第26号』
昭和33年(1958年)4月16日、第28回国会にて国会法改正案が可決成立
18日、公布と同時に施行
2.第118条に追加した理由は?
②「国会法の変遷と委員会制度の展開(三)」
岡﨑加奈子(『法学志林』第一〇二巻 第三・四合併号収載)
https://hosei.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=3539&item_no=1&attribute_id=22&file_no=1
P.150「五 一九五八年改正法による制度変化」に「一九五八年改正の特徴は一言で言えば、
『院内秩序強化』にあるだろう。」
P.152「一九五六年の地教行法案の審議にともない議長要請にもとづいて警察官が議場出動した
事件は、自社両党申合せに見られるように、国会内の秩序保持の強化の必要性を 政府・
自民党内に強く認識させるきっかけとなった」
- 回答プロセス
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1)自館資料ブラウジング 質問の条文を確認する
参考資料1)『現行日本法規2 行政組織1』(法務大臣官房/編 ぎょうせい)
P.38 「百十八条の二 議員以外の者が議院内部において秩序をみだしたときは、
議長は、これを院外に退去させ、必要な場合は、これを警察官庁に引渡す
ことができる。(昭三三法六五・追加)」
2)館内OPAC検索
キーワード「国会法」
参考資料2)『新・国会事典 第3版』(浅野一郎・河野久/編著 2014 有斐閣)
P.45 議長の権限として「傍聴人・参観人等に対する規制・取り締まりも議長が行う
(国会法118条・118条の2、衆規227条~232条、参規224条~230条)。」との説明あり。
3)インターネット検索
上記参考資料1)『現行日本法規2 行政組織1』P.37より、質問の条文は「第十四章 紀律及び警察」に
含まれることを確認。
・Google検索 キーワード 「紀律及び警察」
衆議院HP 国会法の条文を掲載したページがヒット
衆議院トップページ > 国会関係資料 > 国会関係法規-国会法
https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_annai.nsf/html/statics/shiryo/dl-dietlaw.htm
上記ページのサイト内検索 キーワード「紀律及び警察」
『RESEARCH BUREAU 論究 第16号』がヒット
https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_rchome.nsf/html/rchome/Shiryo/2019ron16.pdf/$File/2019ron16.pdf#page=150
P.148 (3) 昭和33年国会法改正
『第28回国会昭和33年4月16日に成立した改正国会法により、
国会法第118条の2「議員以外の者が議院内部において秩序をみだしたときは、
議長は、これを院外に退去させ、必要な場合は、これを警察官庁に引渡すことができる。」
との規定が追加された。佐藤功の解説では、「従来は、傍聴人に限られていたのであるが、
これにより、議員以外の者すなわち議員秘書・院外団・労働組合関係者などにも及ぼしたので
ある。」としている。』との記述あり。
典拠となる佐藤の論文は、脚注で紹介(佐藤功「国会」『ジュリスト第361号』有斐閣
(昭和42年)50頁)
・官報情報検索サービス(契約データベース)
https://search.npb.go.jp/
上記「第 28 回国会昭和 33 年4月16日に成立した改正国会法により~との規定が追加された」より、
日付を昭和22年5月3日(指定可能な最古の年月日)~昭和33年4月30日に絞って検索
キーワード「国会法 百十八条」
①『官報 昭和33年4月18日発行の号外第26号』がヒット。
「第百十八条の次に次の一条を加える。」の文に続けて第百十八条の二の記載あり。
・Google検索 キーワード「国会法 118条 解説」
リサーチ・ナビの「目次データベース」から、
『逐条解説国会法・議院規則.国会法編』(森本昭夫/著 2019 弘文堂)の目次一覧がヒット。
ホーム > テーマ別データベース > 目次データベース
https://rnavi.ndl.go.jp/mokuji_html/029637458.html
第118条の2の見出しとして「議員以外の者の院外退去」があり。
・Google検索 キーワード「国会法 議員以外の者の院外退去」
②「国会法の変遷と委員会制度の展開(三)」岡﨑加奈子
(『法学志林』第一〇二巻 第三・四合併号)がヒット。
https://hosei.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=3539&item_no=1&attribute_id=22&file_no=1
(国立情報学研究所サイトに掲載されたPDFファイル)
P.150「五 一九五八年改正法による制度変化」に「一九五八年改正の特徴は一言で言えば、
『院内秩序強化』にあるだろう。」
P.152「一九五六年の地教行法案の審議にともない議長要請にもとづいて警察官が議場出動した
事件は、自社両党申合せに見られるように、国会内の秩序保持の強化の必要性を
政府・自民党内に強く認識させるきっかけとなった」とあり。
・Google検索 キーワード「国会法第"118"条の2」
(通常のキーワード入力では数字部分が無視されるため、""で囲む)
J-Stageの論文「国会審議からみた国会法改正」(増山幹高 2010)がヒット。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/publicpolicystudies/9/0/9_48/_pdf
国会法改正当時の政治状況と、それに伴う議会運営が今日まで影響を及ぼしている点の考察。
P.52に1954年の乱闘騒ぎと1955年の国会法改正について記載あり。
P.59、60に1956年の警察隊の動員と1958年の国会法改正(第118の2)について記載あり。
【インターネット最終確認日2023.6.12】
- 事前調査事項
- NDC
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- 議会 (314)
- 法律 (320)
- 参考資料
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ぎょうせい , ぎょうせい. 現行日本法規 参照条文索引2. ぎょうせい, 1949.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I098332705-00 (自館請求記号 R320.9 自館資料番号 003000503) -
浅野一郎, 河野久 編著 , 浅野, 一郎, 1926- , 河野, 久, 1938-. 新・国会事典 = New Concise Dictionary of The National Diet of Japan : 用語による国会法解説 第3版. 有斐閣, 2014.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I025495112-00 , ISBN 9784641131699 (自館請求記号 R314.1 自館資料番号 5030345952)
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ぎょうせい , ぎょうせい. 現行日本法規 参照条文索引2. ぎょうせい, 1949.
- キーワード
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- 国会法
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000333481