以下のとおり回答した。
(1) 昭和20年前後については、終戦前後の混乱期でもあり、昭和20年時点の邦銀の海外支店がリストアップされている公的資料はない。
(2) 「韓国の金融事情」(アジア経済研究所、1969)のp.114 に、「日本系銀行では、1935年2月末、十八銀行が在鮮全支店(9カ店)を朝鮮殖産銀行に譲渡した結果、在鮮支店を持つ銀行は、第一、安田、三和の3行となり、これらは終戦まで存続した」との記述がある。(注:1935年は昭和10年)
(3) 「銀行店舗一覧」(全国金融統制会、昭和17)で、昭和17年8月1日時点の朝鮮における支店の状況であれば確認できるが、第一銀行が京城・釜山支店、安田銀行が京城・釜山・平壌支店、三和銀行が京城支店となっており、清津に支店のある邦銀はない。
(4) 「韓国の金融事情」p.116~117に、「こうして1945年8月の終戦を迎えたわけであるが、その当時全鮮における金融機関数は第23表のとおりであった」との記述があり、具体的な銀行名・店舗名は書かれていないが、合計店舗数のうち日本系銀行の支店が5店舗ある旨が記載されている。(注:1945年は昭和20年)
(5) 戦後については、「全国銀行財務諸表分析 昭和28年上期」(全銀協、昭和29)から全国銀行の海外支店が掲載されているが、昭和28年上期末時点では、清津に支店のある邦銀はない。
(6) 昭和20年時点のリストがないため、正確なところは不明だが、(2)~(5)の資料を併せみると、おそらく昭和20年の時点では、清津に邦銀の支店はなかったのではないかと推測される。