レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2020年10月03日
- 登録日時
- 2020/10/03 12:53
- 更新日時
- 2021/04/28 09:27
- 管理番号
- 2783
- 質問
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解決
約100年前の日本の地図記号を調べたい。参考になる資料はあるか。
- 回答
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『日本主要地図集成』(日本国際地図学会/編 朝倉書店)を提供。
100年前(1920年、大正9年)に適用されていた「大正6年制定地形図図式」の地図記号が掲載されている。
- 回答プロセス
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質問内容より児童書には掲載されていないと考え、図書館システムでキーワード「地図」+「記号」、資料区分:一般 を検索。
『地図の記号と地図読み練習帳 第2版』(大沼一雄/著 東洋書店)
『地図の記号論』(堀淳一/[ほか]著 批評社)
が見つかったが、昔の地図記号の説明はない。
書架で児童書も含めた地学関連書を調査。
・『地図情報ものしり百科 3 地図のきまりと記号』(田代博/監修 学研)p.10…児童書。「もっとも一般的で、いろいろな地図記号の基準となっているのが、国土地理院が発行している地形図の記号です。その記号についてとりまとめた図式の一番古いものは、『明治13年式図式』といわれ、それ以降十数種類の図式がつくられてきました」
・『地図の読み方事典』(西ヶ谷恭弘/著、池田晶一/著、坂井尚登/著 東京堂出版)p.13…「現在の国土地理院の地形図図式は、『平成14年2万5千分1地形図図式』だが、1つ前の図式に『昭和61年式2万5千分1図式』がある。その第2章は、その名もズバリ『地図記号』であり、第1節『通則』の冒頭、第14項に地図記号が規定されている」
上記の情報より
*地図記号は国土地理院の「(地形図)図式」で規定されている
*「図式」は明治時代より十数回以上改訂されてきた
ことが分かる。
また、『地図の読み方事典』p.13「図04-1 地形図記号の移り変わり(『地図と測量のQ&A』48ページより転載)」には、明治・大正・昭和の地図記号の変遷が掲載されている。ただし記号の種類は少ない。
図04-1の出典『地図と測量のQ&A (新版)』(日本地図センター/編集 日本地図センター)を確認。
新版でp.48→p.46に掲載されていたが、やはり記号の種類は少ない。
p.45~47が地形図の記号の説明で、
*地形図の記号は図式で規定されている
*図式は1880年頃から現在(2013年)まで、20回程度の大きな改訂があった
*地形図の図式は「地形図図式」「図式」「地図図式」などと呼ばれる。図式は総則、地図記号、注記、整飾の4大項目に分かれている
とある。
p.50~55には旧版地図で使われた地図図式の変遷、概要が掲載されている。
100年前(1920年、大正9年)には「大正6年制定地形図図式」を適用していたと思われる。
Googleでキーワード「地形図図式」を検索。
・国土地理院HP「地図記号と地形図図式」…地図記号について、小学生向けに説明されている。図式の変遷も掲載。
(https://www.gsi.go.jp/KIDS/KIDS05_00001.html ) 2021年3月31日確認
・国立国会図書館リサーチナビ「地形図の地図記号」…図式の変遷、個別の図式に関する資料が紹介されている。
(https://rnavi.ndl.go.jp/research_guide/entry/post-626.php ) 2021年3月31日確認
リサーチナビで紹介されていた、当館所蔵の
『日本主要地図集成』(日本国際地図学会/編 朝倉書店)
を確認。
明治13年式~平成元年式の5万分1地形図図式、昭和61年式までの2万5千分1地形図図式の地図記号が掲載されている。
p.213に図173「地形図図式(二万五千分一、五万分一共通) 大正6年式」の地図記号がある。
また、国立国会図書館デジタルコレクションでキーワード「地形図図式」を検索すると、
「陸地測量部發行地圖目録. 昭和6年9月現在」
も見つかった。
78~82コマに「大正六年制定地形圖圖式」がある。
(https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1881331 ) 2021年3月26日確認
- 事前調査事項
- NDC
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- 地球.天文地理学 (448 10版)
- 日本 (291 10版)
- 参考資料
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- 日本主要地図集成
- 地図情報ものしり百科 3 地図のきまりと記号
- 地図の読み方事典
- 地図と測量のQ&A(新版)
- キーワード
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- 地図
- 地図記号
- 地形図図式
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000287847