レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2023年02月21日
- 登録日時
- 2024/03/07 15:07
- 更新日時
- 2024/03/07 15:07
- 管理番号
- 9000041966
- 質問
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解決
飯田蛇笏の句「灯してさゞめくごとく金魚かな」の「灯して」の読み方を知りたい。飯田蛇笏本人が読みを記したものがあるか。ない場合には、一般的にどう読むかを知りたい。
- 回答
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飯田蛇笏の句「灯してさゞめくごとく金魚かな」の「灯して」に、飯田蛇笏本人が読みを記したものは見つからなかったが、俳句用語に「灯す(ひともす)=あかりをつける」という言葉がある。
- 回答プロセス
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1.この句の掲載、紹介等がされている本を確認。
※「ひとも(して)」とルビがふられているものと、「ともし(して)」とルビがふられているものがあった。
(1)「ひとも(して)」とルビがふられているもの。
・『現代の俳句 : 昭和の芭蕉たち』(志摩芳次郎/著 林書店 1967年)p.102
※国立国会図書館デジタルコレクション(送信サービス)で閲覧可
https://dl.ndl.go.jp/pid/1362554/1/55
(2)「ともし(して)」とルビがふられているもの
・『新俳句歳時記 第2 (夏の部) (カッパ・ライブラリー)』(山本健吉/編 光文社 1956年)〈資料番号0102064292〉p.98
※国立国会図書館デジタルコレクション(送信サービス)で閲覧可
https://dl.ndl.go.jp/pid/1355644/1/52
・『写真俳句歳時記 夏 (現代教養文庫)』(横田正知/編 社会思想社 1963年)p.194
※国立国会図書館デジタルコレクション(送信サービス)で閲覧可
https://dl.ndl.go.jp/pid/1360750/1/99
※該当の句の掲載はあったが、ルビがふられていなかったもの。
・『山廬集 雲母叢書 第3編』(飯田蛇笏/著 雲母社 1932年)〈資料番号0101792596〉
・『角川俳句大歳時記 夏』(茨木 和生/編集委員 KADOKAWA 2022年)〈資料番号0107675555〉p.510
※該当の句の掲載がなかったもの
・『蛇笏俳句選集』(飯田蛇笏/著 植村書店 1949年)〈資料番号0100851211〉
・『飯田蛇笏集(脚註名句シリーズ 1・2)』(飯田 蛇笏/著 俳人協会 1986年)〈資料番号0100851187〉
・『飯田蛇笏(俳句シリーズ人と作品7)』(角川源義/共著 桜楓社 1973年)〈資料番号0104227544〉
・『飯田蛇笏秀句鑑賞』(丸山哲郎/著 富士見書房 2002年)〈資料番号0103623237〉
・『蛇笏百景』(小林 富司夫/著 木耳社 1979年)〈資料番号0101784395〉
2.「ひともす」「ともしす」という語について調査。
※両方とも国語辞典には掲載がなく、俳句用語に「ひともす」という言葉があった。
(1)国語辞典を調査
・『日本国語大辞典 第9巻 ちゆうひ-とん』(小学館国語辞典編集部/編集 小学館 2001年)〈資料番号0103950481〉p.1354「ともし」(名詞)、p.1355「ともす」(動詞)はあるが、「ともしす」という語、用例はみあたらない。
・『日本国語大辞典 第11巻 はん-ほうへ』(小学館国語辞典編集部/編集 小学館 2001年)〈資料番号0103965430〉 p.406-407「ひともし」(名詞)はあるが、「ひともす」という語はない。
(2)俳句用語辞典を調査
・『現代俳句表記辞典』(水庭進/編 博友社 1990年)〈資料番号0101448058〉p.279「ひともす(灯す)」(動詞 あかりをつける)がある。P.228「ともしす」はなく、「ともし」(名詞 ともした火、あかり。「ともしび」)、「ともす」(動詞 灯火をつける、点火する、明るくする)、「ともる」(動詞 灯火がつく、とぼる)がある。
・『三省堂俳句難読語辞典』(三省堂編修所/編 三省堂 2003年)〈資料番号0104892765〉p.212「とう(灯)」に用例として「灯(ひとも)れば蝦蟇おもむろに後しざり 久保田斗水」がある。
・『現代俳句表現活用辞典』(水庭進/編 東京堂出版 2006年)〈資料番号0105183651〉pp.207-208に「とうか 灯火」があり、「ひともす 灯点す・灯す あかりをつける」がある。「ともす 灯す・点す 灯火を付ける。点火する。「点ける」ともいう。」「ともる 点る・灯る 灯火がわずかにつくこと。「とぼる」ともいう。」があるが「ともしす」はない。
※各webサイトへの最終アクセス2023.2.21
- 事前調査事項
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・『飯田蛇笏全句集(角川ソフィア文庫)』(飯田 蛇笏/[著] KADOKAWA 2016年)→ルビなし。
・『カラー図説 日本大歳時記 座右版』(講談社 1984年)→ルビなし。
・『飯田蛇笏秀句鑑賞』(丸山 哲郎/著 富士見書房 2002年)→掲載なし。
- NDC
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- 詩歌 (911 10版)
- 参考資料
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水庭進 編. 現代俳句表記辞典. 博友社, 1990.
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002032448 , ISBN 4-8268-0115-7 (p.279.請求記号B911.30/ゲン/.資料番号0101448058.) -
三省堂編修所 編. 三省堂俳句難読語辞典. 三省堂, 2003.
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I000004221531 , ISBN 4-385-13742-0 (p.212.請求記号B911.30/サン/.資料番号0104892765.) -
水庭進 編. 現代俳句表現活用辞典. 東京堂出版, 2006.
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I000008402678 , ISBN 4-490-10706-4 (pp.207-208.請求記号911.30/ミズ/.資料番号0105183651.)
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水庭進 編. 現代俳句表記辞典. 博友社, 1990.
- キーワード
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- 灯して
- 飯田蛇笏
- 「山廬集」
- 俳句
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000347119