レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2024年03月08日
- 登録日時
- 2024/03/08 11:21
- 更新日時
- 2024/03/20 10:08
- 管理番号
- 県立長野-23-189
- 質問
-
未解決
『白山文集 巻5』などに収録されている漢文、「五十嵐秋塘翁墓碣銘」の訳文を見たい。
- 回答
-
『白山楼詩文鈔 巻之1,巻之2』高橋白山著【N990/45/1-2】、『白山文集 4,5』高橋白山著【N990/44/4-5】に収録されている「五十嵐秋塘翁墓碣銘」だが、当館が所蔵する高橋白山の資料で、この漢文が翻訳されているものは見当たらない。
高橋白山は高遠藩士の子息で、名を「利貞」字を「子和」号「白山また貞」通称「敬十郎」という。
これらをキーワードに、「国立国会図書館デジタルコレクション」でも検索したが、碑文が翻訳されているものは見あたらない。
なお長野県においては、墓碑を石造文化財と捉え、県内各地の自治体などが刊行した文化財の資料に収録され、時には墓碑銘の翻訳がなされているものもある。
- 回答プロセス
-
1 質問者が国立国会図書館デジタルコレクションで碑文を見たとのことであったので、まずはそれを確認する。
碑文の内容に「新潟港」「病院医員」の単語があり、新潟県の医者だろうと推測。
2 墓碑の「五十嵐秋塘」が何者か、インターネットで検索する。
五十嵐浚明の作品に関する一考察 大森慎子『新潟市新津美術館研究紀要第3号』p.54にある系図に、ひ孫として名を見つける。
3 碑文の作者「高橋白山」について、『高遠町誌 人物篇』(後掲)で確認する。
幕末の高遠藩士子息で、漢学者で明治期の教育者でもあり、長野県内の他、新潟県内でも教鞭をとっていたことがわかる。
4 自館で所蔵する「高橋白山」に関する資料を直接確認するが、漢文を訳したものはほぼ見られない。
5 「リサーチ・ナビ」で、日本漢詩の調べ方を見てみる。
現代語訳や書き下し文を探したりするツール「日本漢詩翻訳索引」『参考書誌研究』75号 2011年9月などを利用し、作者名から
検索するが、探している碑文はなかった。
6 『信濃碑文目録』(後掲)で長野県内にある碑を確認する。所在地や碑文作者、書者名などがわかるもの。
高橋白山が碑文の作者である者はいくつか確認できたが、「五十嵐秋塘翁墓碑」はない。対象者は新潟県の人物であり、これ以
上の調査は困難と判断する。
<調査済み資料>
・『信濃碑文目録』市川本太郎編 市川文庫 1965【N202/18】
・『信濃五百八景』平沢茅邨著 甲陽書房 1970【N990/30】
・『高遠町誌 人物篇』高遠町誌人物篇編纂委員会編 高遠町誌刊行会1986【N242/79/3】
・『高橋白山とそれをめぐる人びと(高遠町図書館資料叢書)』岡部善治郎著 高遠町図書館 2000【N372/136】
・『高橋白山・作衛』徳武清助著・刊 2005【N288/207】
・『木ノ字木瓜』高橋紀著 政光プリプラン2001【N288/210】
- 事前調査事項
-
『白山文集 4,5』高橋白山著
- NDC
-
- 漢詩文.日本漢文学 (919)
- 参考資料
- キーワード
-
- 高橋白山
- 漢文
- 墓碑銘
- 五十嵐秋塘
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介 所蔵調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000347181