レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2023/10/11
- 登録日時
- 2023/10/09 17:03
- 更新日時
- 2023/10/18 09:51
- 管理番号
- 220
- 質問
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解決
戦時下の尼崎における勤労動員について調べたい。
- 回答
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アジア・太平洋戦争当時、阪神工業地帯の中核を占める軍需工業都市であった尼崎では、市内の各中等学校及び近畿・中部・四国地方の各地から、市内工場に対して数千人規模の動員がありました。例えば、市内最大級規模の工場であった住友金属プロペラ製造所は、市立尼崎高等女学校や県立尼崎中学校の校舎が軍需工場に転用されたほか、愛媛県大洲中学校、松山高等女学校などの生徒が工場に動員されています。こうした当時の動員の様子を日記や手紙、聞き取り調査にて明らかにした成果が、『図説尼崎の歴史』や『地域史研究』に掲載されています。また、同じく多くの人員が動員された尼崎精工では、学生・生徒だけでなく、多数のろうあ者を採用・動員したことも明らかになっています。
- 回答プロセス
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1 概要
◆『たどる調べる尼崎の歴史』下巻
第3部第5章「尼崎の近代」第1節〈入門編〉「戦災史・戦争体験」の項目にて、地域研究史料館(現あまがさきアーカイブズ)が収集した勤労動員に関する記録を網羅的に紹介している。
◆『図説尼崎の歴史』下巻
近代編第4節7「戦時下の学校と児童・生徒」において、太平洋戦争下における勤労動員体制構築の経緯と、尼崎市内における勤労動員の実態を解説している。
◆『尼崎市史』第3巻(通史編近代)、第8巻(近代史料編下)
第6章6節「学徒動員」の項目にて、図説と同じく国の動向と、尼崎市内の勤労動員の実態を解説している。
2 市民の体験記録
『地域史研究』に当時の日記や手紙などの翻刻を掲載している。
・住友金属プロペラ製作所
「大洲中学校報国隊尼崎隊職員日誌」15巻1号、1985
「工場の花たれ塩たれ―松山高女生の住友プロペラ動員日記と父母らの手紙」17巻2号・3号、1988
「工場で迎えた卒業式―松山高女生の住友プロペラ動員日記-」18巻1号、1988
「悪しき昭和20年―松山高女生の住友プロペラ動員日記」18巻2号、1988
「プロペラ工場で―松山高女生の住友プロペラ神崎工場動員日記と姉への手紙―」18巻3号、1989
・尼崎精工
「尼中生の戦中戦後日記」16巻1-2号・3号、1986
「軍需工場にて―尼崎精工動員の松山女子商校生と父母らの手紙―」19巻2号・3号、1990
※上記の翻刻された史料の一部は、あまがさきアーカイブズが所蔵する近現代資料「松山高等上学校勤労
動員関係史料」及び「尼崎精工勤労動員生徒書簡類」に含まれている。
3 研究論文
湯田拓史「大谷重工業尼崎工場への四国からの勤労学徒」『地域史研究』第119号、2019
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
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- 『たどる調べる尼崎の歴史』下巻 平成28年発行 (当館請求記号 219/A/ア)
- 『図説尼崎の歴史』下巻 平成19年発行 (当館請求記号 219/A/ア)
- 『尼崎市史』第3巻近代篇 昭和45年発行 同第8巻近代史料編下 昭和53年発行 (当館請求記号 219/A/ア-3、ア-8)
- 尼崎市立地域研究史料館紀要『地域史研究』 (尼崎の学徒動員に関する基本史料の翻刻、市民の体験記録、研究論文などを、各該当号に収録している)
- キーワード
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- 勤労動員
- アジア・太平洋戦争
- 兵庫県尼崎市
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000339564