レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2024年01月31日
- 登録日時
- 2024/01/31 17:14
- 更新日時
- 2024/01/31 17:14
- 管理番号
- R1005345-156
- 質問
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解決
パンダの模様には、ずれや個体差はあるのか。あの模様にはどのような意味やしくみがあるのか。
- 回答
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【パンダの模様のずれ・個体差について】
パンダの模様は、微妙な違いや珍しい途切れ方については発見されているが、大きな模様のずれなどについては情報が見つからない。また、茶色や全身白といった色違いのパンダが存在している。
○練馬区所蔵の資料
・『パンダもの知り大図鑑』倉持浩/著 誠文堂新光社 2011.8 978-4-416-21115-1
*p76 2008年まで上野動物園で飼育されていたリンリンについて「一般的なジャイアントパンダの肩から背中にかけての黒い部分は左右でつながっています。しかしリンリンは左右の肩から延びる黒い部分が背中で途切れていました。これはとても珍しくリンリンの特徴でした。」という記述と写真がある。
・『知らなかった!パンダ』アドベンチャーワールド「パンダチーム」/著 新潮社 2023.1 978-4-10-354871-3
*p18 「アイパッチが外側にはねてアイラインのようになっている」個体についての記述。
*p79 アドベンチャーワールドで飼育しているパンダのそれぞれの特徴についてイラストで解説されている。
・『パンダ』倉持浩/著 岩波書店 2014.9 978-4-00-029630-4
*p24 「四川パンダのクロとシロに対し、秦嶺パンダは暗褐色と褐色の個体が多くみられる。」と、生息地域によって毛皮の色が違うことについての記述。
・『パンダワールド』中川美帆/著 大和書房 2019.9 978-4-479-39322-1
*p16 「なお、中国には、黒色の部分が灰色や茶色のパンダがいます。(中略)さらに、全身白のパンダの存在も明らかになりました。」
○朝日新聞クロスサーチで「パンダ 茶色」「パンダ アルビノ」等で検索
・2019年5月30日朝刊『真っ白でもパンダです 中国四川省、世界初』
*「中国四川省の臥竜自然保護区内に設置されているカメラが、全身白い野生パンダの姿をとらえた。(中略)目は赤く、大きさなどから1~2歳の若いパンダとみられる。地元メディアは、専門家の話として「アルビノと思われるが、通常の活動や繁殖に大きな影響はない」との見方を伝えた。」
・2021年6月1日夕刊『チョコパンダ、ついに会えた 中国で一般公開』
*「秦嶺山脈には約350頭のパンダが生息していると推計され、野生下では計10回「茶パンダ」の目撃例があるという。(中略)体毛が茶色いのは遺伝的な理由とみられるが、はっきりとしたことはわかっていないという。」
【パンダの模様の意味について】
諸説あるが、2023年時点でもはっきりしたことはわかっていない。
・『パンダとわたし』黒柳徹子と仲間たち/著 朝日新聞出版 2022.3 978-4-02-251812-5
*p186 「体色が白と黒、というのは言うまでもないですが、「なぜ白と黒なのか?」ということについてはっきりとはわかっていない、というのが現時点での状況です。カモフラージュのため、仲間とのコミュニケーションのため、などいくつかの説があります。」
・『教科で学ぶパンダ学』稲葉茂勝/著 今人舎 2017.10 978-4-905530-70-1
*p47 「パンダの白黒模様は、まわりの景色に溶けこみやすく、外敵から逃れるためのカモフラージュの役割を果たすという説があります。(中略)一方、耳や手足の先などが黒いのは、黒は熱吸収がよく寒さ対策に役立っているのではないかといった説もあります。」
・『パンダワールド』中川美帆/著 大和書房 2019.9 978-4-479-39322-1
*p16 「はっきりしたことは分かっていませんが、主に三つの説があります。一つ目は、山の中で体を目立たなくして、敵から身を守るため。二つ目の説は、一つ目の説を矛盾しますが、白黒模様で目立つため。それにより、広い森の中で繁殖相手を見つけやすくします。あるいは、互いを避けやすくします。(中略)三つ目の説は、黒色は熱を吸収しやすいので、パンダの耳や手足の先を冷えにくくするというものです。」
・『パンダもの知り大図鑑』倉持浩/著 誠文堂新光社 2011.8 978-4-416-21115-1
*p86 「Qパンダはどうして白と黒なの?」保護色や警戒色、寒い地域での熱吸収について記述の他、「目の周りは雪のまぶしさを防ぐなどすんでいる環境に合わせて生活するのに便利な色になっているといわれてきました。」と記載。
・『知らなかった!パンダ』アドベンチャーワールド「パンダチーム」/著 新潮社 2023.1 978-4-10-354871-3
*p14 「①敵に警戒心を起こさせる②温度調節に役立つ③周囲に溶け込む保護色」
【パンダの模様のしくみについて】
・『動物の体色がわかる図鑑』秋山豊子/監修 グラフィック社 2022.7 978-4-7661-3627-2
*p307 『パンダの模様の謎に挑む』
「パンダ模様の謎に、真正面から取り組んだ研究は、筆者の知るところではほとんどない。理由は、いくつかある。対象がパンダでは実験に使うのはまず不可能だから、というのと、そもそも、模様をメインに研究対象とする研究者はほとんどいないことだ。だが、筆者自身が、その珍しい模様研究者なので、この魅力的な問題から目をそらせたままでいることは、できないのである。というわけで、以下、パンダ模様の謎について「科学的」な考察を試みる。」とことわった上で、動物の縞模様をつくるチューリング波の理論を用いて考察されている。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 一般動物学 (481 10版)
- 哺乳類 (489 10版)
- 参考資料
- キーワード
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- ジャイアントパンダ
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000345707