レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2023/12/02
- 登録日時
- 2024/01/20 00:30
- 更新日時
- 2024/01/20 00:30
- 提供館
- 宮城県図書館 (2110032)
- 管理番号
- MYG-REF-230159
- 質問
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解決
『奥羽観蹟聞老志』巻十にみえる「折居権現」(中川村に所在)について、名称の由来が知りたい。
- 回答
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(1)『奥羽観蹟聞老志』を確認したところ、以下の記述がありました。※【 】内は当館請求記号です。
資料1 鈴木省三編『仙台叢書』第15巻, 仙台叢書刊行会, 1928年【K081/セ1/15】
『奥羽観蹟聞老志』巻之十 磐井郡
p.426.「折居権現 在中川村。千葉掃部所建其所置則釈迦文殊普賢也」
*旧仙台藩領の磐井郡中川村(現在の岩手県一関市大東町中川)に関する記述です。
(2)上記の磐井郡中川村の折居権現について、安永年間に仙台藩が各村に提出させた「風土記御用書出」中に、以下のような記述がありましたが、名称の由来については記載がありませんでした。
資料2 宮城県史編纂委員会編『宮城県史』28, 宮城県史刊行会, 1961年【K201/ミ1/28】
p.874「磐井郡東山北方中川村風土記御用書出」のうち、「一折居権現社」の項
「一勧請 永禄年中葛西御家臣当村花崎之城主及川掃部之助当村水台山より取移勧請之由其後元禄年中御社立替候由申伝候事」
(3)また、下記資料にも折居権現に関する記述がありましたが、名称の由来については記載がありませんでした。
資料3 『日本歴史地名大系』3, 平凡社, 1990年【291.03/ニ12/3】
pp.142-143「中川村」の項
「菅ノ沢の旭岡神社は朝日岡神社とも記される。近世末までは折居権現社とよばれ、永禄年中及川掃部により御殿山より山裾の現在地に移されたという。掃部の守護神と伝える。」
(4)旧大東町に関する下記資料を確認したところ、以下の記述がありました。
資料4 大東町編『大東町史』上巻, 大東町, 1982年【K272/タ4/1】
p.1093「第三編 近世史」-「第十二章 学問、宗教」-「権現社」の項
「(前略)折居権現、法両権現、新山権現、宇南権現等いずれも、地名に権現をつけ加えたので何神を祀ったのか明らかにすることのできないものが多い。(後略)」
- 回答プロセス
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資料1に、『奥羽観蹟聞老志』が収録されており、旧仙台藩領の磐井郡中川村(現在の岩手県一関市大東町中川)に関する記述であることがわかった。
その後、上述の資料を検索し、由来について調査した。
(追加調査 : 2023/12/22)
参考資料1 胆沢町編『胆沢町史』9, (民俗編 2), 胆沢町史刊行会, 1987年【K273/イ5/9】
p.439「第6章 信仰」-「第3節 切支丹」-「胆沢郡内の切支丹布教」-「午房谷地屋敷の及川家」-「注二」
折居権現に関する『奥羽観蹟聞老志』と『封内名蹟志』の記述が一致しないことについて、「(前略)どちらも葛西旧臣で、折居か六日入に居住した者が信仰したものであろう。」と分析している。
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本 (291 9版)
- 参考資料
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- 鈴木/省三/編. 仙台叢書 第15巻. 仙台叢書刊行会, 1928【K081/セ1/15】:
- 宮城県史編纂委員会/編. 宮城県史 28. 宮城県史刊行会, 1961.9【K201/ミ1/28】:
- . 日本歴史地名大系 3. 平凡社, 1990.7【291.03/ニ12/3】:
- 大東町/編. 大東町史 上巻. 大東町, 1982【K272/タ4/1】:
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000344952